前回は「「超スパルタ教育」の権化=海軍兵学校〜恐怖の「弾圧注入教育」・「撃墜王」と必修科目の単位・甘い教育空間の日本の大学〜」の話でした。
「現代のスパルタ教育」と「のびのび教育の反対」:中高の教育方針

今は存在しない、海軍士官・エリート養成機関であった海軍兵学校。
海軍兵学校の採用年齢は、当時「16歳〜19歳」だったため、高校〜大学相当になります。
現代の教育の流れを考えると、「16歳〜19歳が入学可能」というのは、かなりの幅を感じます。
「16歳〜19歳=4年間」の間に、受験することが可能だった海軍兵学校。
現在の高校〜大学入学時の年齢にあたり、超スパルタ教育でした。
前回は、大学の教育との比較を考えましたが、今回は高校の教育との比較を考えます。

現在は、「スパルタ教育」という言葉が「あまり使われなくなった」様に感じます。

「スパルタ」という言葉は、
知っているけど・・・



ちょっと「前時代的」な
感じじゃないかしら・・・
日常生活で「スパルタ」という言葉を聞くことは、ほとんどなく、どことなく「昭和的」です。



「スパルタ」って
何?



「スパルタ」って
聞いたことないけど・・・
昔の小学生なら大抵は知っていた「スパルタ」を知らない小学生も多いでしょう。
教育方針を考える際、「のびのびの反対」が必要であり、比較するために「反対」を「スパルタ」と考えます。
1990年に武蔵中学に入学し、そのまま武蔵高校に進んだ筆者は、「スパルタとは無縁」の生活でした。



レポートって、
結構書くのが楽しいな・・・
物理・化学・生物、あるいは歴史・地理などのみならず、音楽などでもレポート提出が多数ありました。
「レポート提出」に対しては、「合うか、合わないか」があると思いますが、



自分で、好きに議論を
展開するのも、面白いも・・・
レポートのテーマに従って、「自由に書く」ことが求められ、筆者はとても好きでした。



模試やテストは、
自分でやるか、塾でやれば良い・・・
当時の武蔵中高では、校内模試がなく、小テストや確認テストなども、ほとんどありませんでした。
この「かつての武蔵中高のトレーニングをしない学び」を、上記リンクでご紹介しています。
成績順位の公表の是非:学びへの意欲の刺激と競争心


「のびのび教育」の総本山のような存在だった武蔵生にとって、



麻布は、うち(武蔵)と似ている
雰囲気らしいけど・・・



開成は校内模試で
「100傑」とか出すらしい・・・



開成は、ちょっと
スパルタな感じかな・・・
このように感じたものです。



我が開成は、
スパルタではないけど・・・
おそらく、開成中高生や卒業生からは、このような声が聞こえてきそうです。
開成中高の教育が「スパルタではない」のは、現在の筆者も同感です。
「教育のスパルタ度」は、どうしても相対的になるので、「スパルタ度ゼロ」の武蔵から見れば、



学校でテストが
多いのって、ちょっとスパルタかな・・・
日常の学校で「テストが多い」や「模試を実施」だけで、スパルタっぽく感じられたものでした。
筆者が大学生の頃、「開成高卒」の友人に「100傑」のことを聞いたことがありました。



開成では、学校で模試をやって、
100傑を出すって聞いたけど・・・



そうなんだよ、
ちなみに俺も100傑に入っていたぜ!



同級生が400人位いて、
そのうち100だから、25%だな・・・



武蔵は、そういうの
ないらしいな・・・



まあ、うちは校内模試もないし、
テスト自体が少なかったからね・・・
筆者がいた頃の武蔵中高では、成績表に平均点が記載されました。



平均8点以上は秀、
7点以上は優で・・・



平均6点以上の人は
良・・・
上から順に「秀、優、良」でランク付けされ、特に「平均点9点代」はトップ層でした。
「平均9点台」ということは、「10段階評価で、10が多く、9が足を引っ張る」非常に高いレベルです。
成績に関しては、色々な噂が聞こえてきて、



どうやら、MとKが
9点代らしいな・・・
「誰が9点代のトップ層か」は、なんとなく気配で分かる状況でした。
そして、武蔵中高では、中学・高校卒業時にトップが総代として挨拶するので、



我が学年のトップは、
Mくんだな・・・
「誰がトップか」は分かりました。
高校三年生の大学受験生になると、各塾の模試などで、成績優秀者が発表されました。
現在は、個人情報などの関係で、あるかないか分かりませんが、当時は「名前と高校名がセット」でした。
模試で成績優秀者となると、点数と名前の横に高校名が記載されていました。
そのため、同じ学年の「誰が成績優秀者に入ったか」は、「高校名の欄」を縦に見れば、



今回は、総合で
Mくん、Fくん、Tくんが優秀者か・・・



Mくんは、数学も英語も
トップクラスだな・・・
一目瞭然なので、模試の成績によって、「成績の順位」は大体わかる状況でした。
ところが、校内模試もなく、順位づけをあまりしなかった当時の武蔵中では、



大体の成績順位は分かるけど、
明確には分からない・・・



ま、ペーパーテストの成績順は、
それほど大事でもないか・・・



ただ、大学受験は志望校に
受かりたい!
こんな感じで、当時の武蔵中高では「成績の順位の詳細」が不明でした。
もちろん、学校でも模試でも「トップはいつもトップ」であり、



Mくんは、どんな模試でも
学校の成績でもトップだな・・・
同級生の「成績トップ3」は、大体把握できたものです。
この「成績順位を発表しない」システムの是非は、様々な議論があると思います。
筆者は、これでも良いと考えますが、ほとんどの学校では「成績順位をつける」はずです。
その成績順位を「公表するかどうか」は、学校の教育方針によると思われます。
「順位をつける」ことは、



よしっ!
もっと頑張ってやる!



もっと、英語の
成績を上げたい!
「懸命に学ぶべき」中高生の学習意欲を、刺激する効果もあります。
ただし、「メリットだけ」ではなく、デメリットもあると思われます。
成績優秀者や「ある程度良い」人にとっては、良いかもしれませんが、



どうしても、成績が
上がらない・・・



自信が持てないから、
苦痛だ・・・
「自信が持てない」と感じる人もいるでしょう。
塾や模試は別として、中学・高校内の教育における「順位付け」は「適度に」が良さそうです。