日本の米英中ソ四カ国分割占領案〜マッカーサーによる米国単独占領・二つに引き裂かれたドイツ・連合国とヤルタ会談〜｜西側諸国と東側諸国3・中学受験・高校受験・大学受験・地理・社会

前回は「東西ドイツ分割〜不死鳥の如く蘇ったドイツ帝国・第一次世界大戦と欧州情勢・「世界の中心」だった欧州〜」の話でした。

二つに引き裂かれたドイツ：連合国とヤルタ会談

第一次世界大戦と第二次世界大戦を引き起こした「張本人」ならぬ「張本国」だったドイツ帝国。

20世紀初頭まで「世界の中心」は欧州であり、「大英帝国とフランス共和国（帝政）が二強」でした。

そこに、19世紀から急速に強国となったプロシアからドイツ帝国となり、

第一次世界大戦で暴れ回ったドイツ帝国は敗北しました。

さらに、1939年に突如ポーランドに侵攻したドイツ帝国によって、第二次世界大戦が勃発。

復活し、欧州随一の科学技術力・軍事力で圧倒したドイツ帝国に対して、

フランスが降伏し、

大英帝国も「降伏寸前」まで追い込まれました。

ここで、米国が「欧州側=連合国側」で参戦し、形勢逆転となりました。

おそらく、当時も「自国一国で世界中の国を敵に回す」ことが可能なパワーを持っていた米国。

日独伊三国（軍事）同盟も、イタリアは弱小すぎて存在感がありませんでした。

そして、事実上「日独で世界中と戦った」戦争となりました。

当初から米国は「欧州が中心」と考え、ドイツを圧迫し、ついで太平洋で大日本帝国と対峙しました。

敗北を悟ったヒトラーは自殺し、ドイツ政府もドイツ帝国も事実上解体しました。

1945年5月7日に、ドイツは連合国に無条件降伏しました。

そして、「連合国に敵対する国」は、大日本帝国のみとなりました。

すでに、「大日本帝国の敗北」は確定しており、

米国主導で、様々な話し合いが極秘に行われ、「いくつかの密約」も締結されました。

その一つがヤルタ会談でした。

ヤルタ会談に関する話と記述に関して、上記リンクでご紹介しています。

そして、時代は東西冷戦となり、「西ドイツと東ドイツ」の時代が40年以上続きました。

いわば、敗北して「二つに引き裂かれた」のがドイツでした。

「日独」と戦争していた連合国は、当然、大日本帝国に対しても「同様に考えていた」でしょう。

日本の米英中ソ四カ国分割占領案：マッカーサーによる米国単独占領

「本土決戦」を本格的に準備していた大日本帝国陸海軍でしたが、原爆投下で降伏を決断しました。

こうして、大日本帝国も「ドイツ帝国同様に分割占領」が本格的に検討されました。

この「大日本帝国分割統治案」は諸説ありますが、一つが上記の案です。

米国・英国・中国・ソ連によって、共同分割される案でした。

ある意味で、「それぞれの国家から近い部分」をそれぞれ担当しています。

フランスは、一度はドイツに敗北した立場でもあり、

「大日本帝国はアジア」なので、アジアエリアのソビエト連邦と中華民国が出てきました。

ここで注意したいことは、当時「中国の代表」は中華民国であり、現在とは異なる点です。

当時は、蒋介石率いる国民党が「中国=中華民国」代表でした。

現在、国民党は台湾を樹立して、「共産党=中華人民共和国」と対立しています。

地図の部分を拡大すると、上の「日本分割占領案」となります。

もし、日本（大日本帝国）が、一時的であったも上記のような「分割占領」されていたら。

おそらく、日本もドイツと同様に、冷戦の世界において「東西分裂」していたでしょう。

さらに、ドイツよりも「困難な状況になった」可能性があります。

最終的に、米国単独占領となった日本。

「敗戦の結果、占領された」歴史は、悲しい事実かもしれません。

それでも、「米国単独占領は、日本にとって良かった」とも考えられるかもしれません。