東西ドイツ分割〜不死鳥の如く蘇ったドイツ帝国・第一次世界大戦と欧州情勢・「世界の中心」だった欧州〜｜西側諸国と東側諸国2・中学受験・高校受験・大学受験・地理・社会

前回は「西側諸国と東側諸国の対立〜ウクライナ戦争とソビエト連邦・「西側」と「東側」の言葉の意味・冷戦時の世界地図〜」の話でした。

第一次世界大戦と欧州情勢：「世界の中心」だった欧州

現代においては、最先端科学技術は「ほとんどが米国発」であり、欧州や日本の影は薄くなっています。

今から約115年ほど前の1911年に、当時最先端の科学者が集められた「ソルベー会議」が開催されました。

上の写真で、右から二番目がアインシュタインです。

そして、机の上に腕を置いて「頭を抱えている」ような雰囲気の女性がキュリー夫人です。

この会議に集められた科学者は、ほとんどが欧州出身者で、米国人は少数派でした。

日本人を含めたアジア人は一人もおらず、世界はまさに「欧州中心」でした。

この「世界の中心」であった欧州で、ソルベー会議の3年後の1914年に第一次世界大戦が勃発しました。

上の写真で、茶色が同盟国、緑色が連合国です。

当時、イタリア王国は、ドイツ帝国・オーストリア=ハンガリー帝国と三国同盟を結んでいましたが、

当時、欧州でかなりの強国であったオーストリア=ハンガリー帝国と揉めていたため、連合国側でした。

そして、連合国が勝利して、ドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国は敗北して、存続の危機に陥りました。

オーストリア=ハンガリー帝国に至っては、帝国が解体してしまい、現在は残っていません。

フランスをはじめとする連合国側は、ドイツなどに巨額の賠償金を課しました。

ドイツ国民は、国家国民が一体となって、再起を図りました。

東西ドイツ分割：不死鳥の如く蘇ったドイツ帝国

欧州において、最も科学技術が進んでいたドイツ帝国は、不死鳥の如く蘇りました。

フランスなどの欧州諸国が驚愕する中、

ヒトラー率いるナチスが台頭し、欧州で暴れ回り始めました。

大英帝国やフランスなどの欧州諸国は「不死鳥」ドイツ帝国に対して、重大な危機感を抱きましたが、

一時は欧州最強になったこともあったフランスが、あっさりとドイツに敗北し降伏してしましました。

そして、意気揚々のドイツ帝国は、欧州諸国を席巻したのでした。

このドイツ帝国と手を結んだのが、当時「大日本帝国」という名称だった日本です。

真珠湾奇襲攻撃を機に、米国が参戦した連合国によって、枢軸国はジリジリ押されて敗戦しました。

そして、ドイツは、連合国によって四つに分割されて、占領されました。

ソビエト連邦領となったベルリン（上の図で北東部）の内部は、さらに分割されました。

こうして、ドイツは東西に分割され、「東ドイツ」と「西ドイツ」が生まれました。

そして、1990年に東西ドイツ再統一まで、「東ドイツ」と「西ドイツ」という国家が実際にありました。

ドイツと同じく枢軸国であった日本は、米国の単独占領を受け、ドイツのように分割されませんでした。

日本の地域を「東日本」と「西日本」に分けて考えることがあります。

「地域の名称」ならば良いですが、「そういう国」が出来た可能性があったのが、敗戦直後の日本でした。

実は、日本は「最初から米国単独占領」ではなく、「連合国による分割占領」も検討されていた歴史があります。

当時、「日本の連合国分割占領」が検討されたのは、ある意味で当然のことかもしれません。

次回は、可能性がゼロではなかった「日本の連合国分割占領」の話です。

次回は上記リンクです。