前回は「入試当日に何が起きても合格する気持ち〜勝利へ「万全の手」を数段打っていた薩長・鳥羽伏見の戦いの帰趨・薩長と徳川の正面衝突〜」の話でした。
日清戦争大勝利と大日本帝国の躍進:ロシアの冷たい視線
1894年に、日本と清国(当時の中国)の間で勃発した日清戦争。
長い歴史の間、アジアにおいては、ずっと中国が圧倒的な存在感を発揮し続けていました。
インド初代首相・ネルーから見た世界史では、
日本は、中国の「よく出来る弟子」で
あった・・・
日本は長年、中国の「よく出来る弟子」と表現されており、この視点は「ある意味正しい」と言えます。
「ネルーの世界史」を題材とした問題の考え方を、上記リンクでご紹介しています。
いわば、日本(大日本帝国)にとって、長年「兄貴分であり続けた」中国と戦争することになり、
ついに清国と
戦争か・・・
とにかく、全力で
清国を打ち倒すのだ!
1894年当時、「急成長した新興国」であった大日本帝国は、「兄貴分」の清国に大勝利しました。
よしっ!
これで我が大日本帝国も世界列強の一員だ!
この大日本帝国の「大躍進」に対して、面白くない国がありました。
Japan(日本)がChina(中国)で
勢力を伸ばすのは、困る・・・
Chinaの北東部に
進出するのは我がRussia(ロシア)・・・
Japanを
食い止めなければ・・・
当時、清国から次々と領土を簒奪していたロシアは、大日本帝国の進出を食い止めようとしました。
ここで「表立って日本に単独で敵対する」のは、ロシアと言えども「避けたいこと」でした。
何か良い手は
ないか・・・
・・・・・
ここで、ロシアは「名案」が思い浮かびました。
よしっ!我がRussia(ロシア)の
友達と一緒にJapanに圧力をかけよう!
「黄色人種の新興国」に対して、冷ややかな視線をしていた国にロシアは呼びかけました。
JapanがChinaの領土を
占領するのは、いけないことですよね!
そうでしょ!
France(フランス)さん! Germany(ドイツ)さん!
そして、ロシアの「お友達」であったフランスとドイツに声をかけると、
ああ、Russiaさん・・・
それは、そうですよね!
我がGermany(ドイツ)も、
良くないことだと思いますよ!
それじゃ、皆さんで
Japanに申し入れましょう!
「遼東半島割譲を
辞退する」ように!
遼東半島返還金の巨大メリット:三国干渉と臥薪嘗胆
この横暴極まりないロシアの姿勢に対して、当時の大日本帝国政府の「顔」であった伊藤博文は、
くっ!!!
なんだ、なぜロシアが・・・
ロシアは、日清戦争に
一切関係ないはず!
それが、なんの立場で
横槍を入れてくる!
Japanの皆さん、
遼東半島を変換した方が良いですよ!
私もRussiaさんと
同じ意見です!
我がGermany(ドイツ)も、
同じ!
日清の戦争であるのに、日清いずれの国でもない「第三者」である国が束になって文句を言ってきました。
お、お前たち・・・
全然関係ないだろう・・・
さあ、Japanの皆さん!
遼東半島返さないと、大変なことになりますよ!
くっ・・・
こんな脅しに屈してたまるか・・・
いかに「三国揃っての圧力」とはいえ、こんな圧力に屈しては「独立国のメンツ」がありません。
ここで、ロシアは猛烈な圧力をかけてきました。
ひょっとしたら、我がRussia,France,Germanyと
戦争になるかもよ・・・
お、
おのれ・・・
ところが、当時の大日本帝国には、ロシア・フランス・ドイツを敵に回す力はありませんでした。
や、やむを得ん・・・
返すしかあるまい・・・
伊藤博文以下、大日本帝国首脳は歯軋りしながらも、三国干渉に応じました。
この後、大日本帝国は、国民一丸となって「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」が合言葉となりました。
ここで、重大なポイントが一点あります。
それは、「無償で遼東半島返還に応じた」のではなく「有償であった」ことです。
遼東半島返還は
やむなし・・・
だが、見返りに
なんらかの賠償金を頂きたい!
Japanの要望は
もっともですね・・・
Chinaの皆さんに
お伝えしましょう!
こうして、下関条約で決まった2億両(テール)に15%上乗せした、3000万両(テール)を得ました。
条約 | 賠償金 |
下関条約 | 2億両(3億円) |
遼東半島返還条約 | 3000万両(4500万円) |
合計 | 2億3000万両(3億4500万円) |
遼東半島返還は、大日本帝国にとって痛恨の打撃でした。
一方で、賠償金アップは実は「大きなメリット」がありました。
これらの賠償金によって、日清戦争の経費を賄い、新たな軍備を固めることが出来たのでした。
遼東半島を領することで得る経済的・軍事的メリットも大きいですが、巨額のお金も大きいです。
Japanが返した
遼東半島の一部の旅順などは・・・
我がRussiaが
大切に「お預かり」しましょう!
実は、直後に遼東半島はロシアが「租借」の名目で占領し、旅順を要塞化しました。
大日本帝国にとって「デメリット大」だった三国干渉は、様々な面で「メリットもあった」のでした。
思わしくない合格判定を逆手に合格へ
このように、日本の歴史上「デメリットの塊」のような三国干渉においても、メリットはありました。
第一志望校に
合格したいけど・・・
今ひとつ思わしくない
合格判定もある・・・
「全ての合格判定が良い」人は少数派であり、大抵の人は、良い判定も良くない判定もあります。
ここで、
あの時の〜模試で、
算数の新たな考え方を学んだ・・・
「良くない判定」だけでなく、なんらかのメリットを得ている面を大事にしましょう。
私は、第一志望校の
判定はだいたい良いけど・・・
「大体良い合格判定」の人もいらっしゃいますが、そういう方も「まさか」が起こり得ます。
ここで、
あの模試の理科で、ちょっと
間違えちゃったところがあった・・・
ああいうことは
本番では、ないようにしよう!
「良くない判定」の時は、なんらかの学びがあるはずです。
「良い判定」の時でも「ちょっとミス」などあったはずで、それらの経験を活かしましょう。
判定がどうであれ、それまでの経験をフルに活かして、合格を目指しましょう。
次回は上記リンクです。