前回は「「図形と場合の数」複合問題の考え方とコツ〜考える対象を絞る・図形の面積を「異なる視点」で考える・シンプルな図形へ・「これ以上はない」理由=「最大や最小」を考える〜」の話でした。
図や絵を描いて問題を解くコツ:「初見の問題」を上手く考える
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前回は、上のような「図形と場合の数」複合問題の解き方を考えました。
算数の問題では、速さやニュートン算などの問題で、
A君が家から学校へ出発し、その30分後に
B君は図書館から学校へ出発して・・・
「様々なシチュエーションや状況」を出題者が設定して、
A君は途中で忘れ物に気づいて
家に戻って、忘れ物を取って・・・
再び学校へ向かいましたが、
今度は急ぐために自転車に乗りました。
文章が少し長めになることもあります。
速さなどの問題では「状況を示したグラフ」なども登場することもあり、
A君が忘れ物に気づいたのは
何分後ですか?
このように、時間や距離など「様々なこと」を問う問題が多いです。
これらの様々な「様々なシチュエーションや状況」に対して、
ああ・・・
これは、前に解いた問題に似ている・・・
似た問題を
解いたことあるけど、あの時と一緒で・・・
ここの部分を
考えると解けそう・・・
問題集や模試などで「類型の問題」を解いた経験があることが多く、比較的考えやすいことが多いです。
こういう「類型の問題」においても、
B君は途中でバスに乗りましたが、
バスの時刻表は・・・
「問題の変化球」が様々考えらえれ、問題は複雑になる場合があります。
速さの問題は、沢山解いたけど、
こういうのは、初めて・・・・
そして、入試当日に「初めての問題」に出会うことになります。
特に、大問の場合は、まずは「様々なシチュエーションや状況」をしっかり理解することが最重要です。
そこで、問題文に記載された「最小限の情報」に対して、
ここで、A君が忘れ物に
気づいて、B君は・・・
問題文の条件を描きこんで、整理することが大事です。
いつもやっているけど、
それでも解けないことがあるよ・・・
ここで、多くの場合は「問題文に記載された図や表に描き加える」人が多いと思います。
一から描いていると
時間がかかるし、不正確になるから・・・
時間もかかり「少し形状が不正確」になるかもしれませんが、自分で図や絵を描くことをお勧めします。
自分で描くからこそ「気づくこと」が多いです。
・問題文に記載された図や表に「描き加える」だけではなく、すべて自分で描く
・時間がかかっても、描きながら考えて「ポイントに気づく」姿勢
分割する図形の数:「逆の視点」など「スマートな解法」を意識
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今回の問題では、問題文にいくつか「類型の図形」が描かれています。
そして、「それに追記して考えること」も可能です。
一方で、上の図のように「自分で一から描く」と「大事なこと・ポイント」に気づきやすいです。
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そして、描いた上で「図形を分割して考える」ことを考える人が多いでしょう。
ここで、自分で描いてみて、
三つの長方形に
分割できたから・・・
「三つの長方形」に分かれましたが、「三つ」は少し多いです。
「図形を分割して考える」のは基本であり、鉄則でもありますが、出来れば「二つくらい」が楽です。
ここで、
三つは、
ちょっと多いかな・・・
図形が三つ以上に分割される場合は、「少し多いかな」と考えると良いでしょう。
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実際に、この問題は「図形を三分割」でも解けますが少し時間がかかり、計算ミスも出そうです。
単純な計算だけど、
二つの未知数があって・・・
難関校・最難関校の問題では、「未知数が二つ」登場する問題も多く見かけます。
ここで、「未知数が二つ」登場した時に、
未知数が一つで、
上手く整理できないかな・・・
「未知数を減らして上手く整理」することを考えるようにしましょう。
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そして、図形問題でも文章題でも、一度仕切り直して「問題を一から見直す」姿勢も大事です。
図や絵を描きながら、「もう一度、問題文を読んで考える」ようにしましょう。
何度も問題文読んだりしていると、
解く時間が短くなるけど・・・
時間制限があるので試験では、どうしても焦ってしまいます。
国語・社会・理科と比較して、「ちょっとしたこと」に気づくと解けることが多いのが算数です。
この「ちょっとしたこと」に気付けないと、時間がどんどん経過してしまいます。
このことを考えると、「もう一度仕切り直して、問題文を読む」姿勢の方が良いと考えます。
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そして、「仕切り直し」をしたら、「異なる視点で考える」ことを意識しましょう。
ちょっと違う視点から
考えられないかな・・・
図形問題などで、効果的なのは「逆の視点で考える」ことです。
この問題では、「内部を分割する」代わりに「外部に図形を付け足す」ことで長方形ができました。
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すると、問題文に設定されている「同じ長さ」によって、面積が計算できるので、
シンプルな長方形の面積に
なるから・・・
長方形の面積を
「縦の長さx横の長さ」で考えれば解けそう・・・
「シンプルな図形」になれば、面積が考えやすくなります。
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ここからは、面積を「辺の長さの掛け算」にして考えますが、「常に図形を意識する」姿勢が大事です。
ある程度の目処が立つと、
よしっ!後は解けそうだから、
とにかく計算して・・・
算数では、「立式(式を立てる)すること」が大事ですが、「式ばかり見る」と、
面積80は、8×10とか
5×16とか色々あるけど・・・
「式から導かれること」にばかり集中して、「図形を忘れてしまう」ことがないようにしましょう。
ここで、
そうだ・・・
図形を見たら分かるかな・・・
図形に戻ると、辺の長さの条件が分かり、問題が少しずつ解けます。
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この問題では、途中から「立式のみ」で考えましたが、それぞれの場合で図を描いても良いです。
「図を描く時間がかかる」こともありますが、確実に解けます。
「解答用紙が広い」記述問題などでは、簡略化・小さめに描く図形を多めに描いても良いでしょう。
「分かっている」姿勢で、立式を沢山続けると、
なるほど・・・
きちんと分かって解いている・・・
採点者に「何をどう考えているか」が伝わります。
対して、図や絵を描かない、ほとんど描かないで解いていると、
式ばかりで、
何を考えているのか、よく分からない・・・
採点者に「分かっているかどうか」が伝わりにくいです。
採点者の視点から考えると、
よく分からないから、
あまり点は上げられないな・・・
「分かりにくい」記述答案には、「良い点は上げられない」姿勢になります。
記述では「描きながら考える」姿勢で、「解答のみ」の問題形式でも、
自分で描くと、
色々分かるね!
時間がかかるけど、
「描きながら考える」と良いね!
「自分で描いて考える」姿勢で、入試当日に初見の問題をしっかり解くようにしましょう。
・一度仕切り直して、最初から+問題文をもう一度読む
・図形問題などで「異なる視点」や「逆の視点」でスマートに解く
次回は上記リンクです。