前回は「BBC・CNNなどのWebsiteを観る学び〜英語の学びより「視野を広げる学び」・「分からなくても良い」姿勢・おすすめBBC日本語版〜」の話でした。
まだまだ驚異的に低い東京大学の女子率:男女ともに歪な環境

1月から中学受験・高校受験・大学受験が本格化し、全ての受験が終了しました。
いよいよ新年度を迎える頃ですが、この時期に毎年日本で話題になるのが「東京大学の合格者数」です。
科類 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
文科I類 | 28.3 | 28.4 | 30.5 |
文科II類 | 20.7 | 17.7 | 20.4 |
文科III類 | 39.2 | 38.2 | 40.6 |
理科I類 | 8.5 | 8.4 | 8.3 |
理科II類 | 20.2 | 20.1 | 27.1 |
理科III類 | 20.4 | 21.4 | 24.7 |
前期・筆記試験合計 | 20.0 | 19.4 | 21.8 |
帰国子女・推薦等 | 49.4 | 46.2 | 39.8 |
全体 | 21.3 | 20.2 | 22.3 |
中学・高校の進学実績に関しては、別の機会として、今回は「東大全体の女子の割合」の話です。

今年の東京大学の
女子率はアップしました!
喜ばしいことに、「東京大学の女子率がアップした」と東大が発表しました。



今年は、前年度で20%を
切って、19.4%だった前期合格者が・・・



今年は、0.6%増加して
20.0%となり、2割を回復しました!
とは言っても、「アップして20%」という少し寂しい状況が続いています。



昨年より上昇したことは喜ばしいが、
この結果に一喜一憂せず・・・



引き続き、女子学生を増やす
取り組みをしたい!
東京大学は一生懸命「女子率アップ」の取り組みをしていますが、大して増加していません。
本来ならば「男女半々」が通常の世界であり、「男子が多い」としても「男子80%女子20%」は異常です。



頑張って東大合格したいけど、
女子がこんなに少ないんだ・・・



大学で女子の友達が
少ないのは、ちょっと・・・
女子率が異常に低い環境は、男子陣にとっては「絶望的なこと」であり、女子にとってもマイナスです。
つまり、この「歪すぎる環境」は、男子・女子ともに大学生活の健全性を大きく損なっています。
世界ランキング | 大学名 | 国名 | 女性の割合(%) |
1 | オックスフォード大 | 英国 | 49 |
2 | スタンフォード大 | 米国 | 47 |
3 | マサチューセッツ工科大 | 米国 | 41 |
4 | ハーバード大 | 米国 | 51 |
5 | ケンブリッジ大 | 英国 | 48 |
6 | プリンストン大 | 米国 | 47 |
10 | イエール大 | 米国 | 51 |
11 | チューリッヒ工科大 | スイス | 33 |
13 | シカゴ大 | 米国 | 47 |
15 | ジョンズ・ホプキンス大 | 米国 | 56 |
19 | シンガポール大 | シンガポール | 49 |
21 | トロント大 | カナダ | 56 |
29 | 東大 | 日本 | 20 |
30 | ミュンヘン大 | ドイツ | 37 |
35 | 香港大 | 香港(中国) | 55 |
37 | メルボルン大 | オーストラリア | 58 |
40 | パリ大 | フランス | 51 |
東大は「世界トップ校の一つ」ですが、女子率の低さが際立っています。
この男女比を健全度と考えた場合、東大各科類の異常な偏差値の低さを上記リンクでご紹介しています。
女子も東大や京大を目指そう:着実な学びで「難しくない東大合格」
科類(科類別は筆記試験のみ) | 2025年 |
文科I類 | 28.3 |
文科II類 | 20.7 |
文科III類 | 39.2 |
理科I類 | 8.5 |
理科II類 | 20.2 |
理科III類 | 20.4 |
前期・筆記試験合計 | 20.0 |
帰国子女・推薦等 | 49.4 |
全体 | 21.3 |
今年2025年度の結果だけを、考えてみましょう。



理科一類が
圧倒的に女子が少ないね・・・
東大が発表している「女子20.0%」は、前期・筆記試験のみ(理科三類は面接あり)の試験です。
そして、東大では2015年度で後期試験を廃止して、推薦入試等に切り替えています。
この動き自体は良いことで、この「帰国子女・推薦等」における女子の合格率は49.4%です。
この「49.4%」は、女子率最高の文科III類の39.2%を大幅に上回り、



女子を増やすためには、
推薦枠で、少し女子の割合を高めに・・・
「推薦枠」では、合格者を調整して「女子率を増やしている」としか考えようがありません。
これは「女子を優遇している」ことになり賛否ありますが、筆者は「やむ得ないこと」と考えます。



女子率を
増やすのだ!
いくら東大が頑張っても、東大に出来ることは、



東京大学は
とても良い大学ですよ!
一生懸命に広報や宣伝に力を入れるか、入試の推薦枠で「女子を多少優遇する」しか手立てはありません。
ところが、いくら東大が宣伝しても、



東大が良い大学だって
ことくらい、知ってるよ・・・



日本で一番良い大学
ってことは、誰でも知ってるし・・・
日本人ならば、「国内ならば東大がベスト」は誰でも知っているので、効果はありません。
欧米と比較して多様性が少なく、帝大の影響力が残る日本では、宣伝は無意味に近いでしょう。
この状況で、東大において女子率が大きく向上するには「二つの手段」しか残っていません。
A.推薦枠を大幅に広げて、推薦枠で女子を優遇
B.東大や京大目指す女子が大幅に増加するよう促進(高校や国家政策)
上の二つの手段のうち、Aは効果大で確実です。
ただし、「男子の性の差別」につながりかねないので、「禁じ手」に近いと考えます。
筆者の個人的に意見としては、歪すぎる環境の改善には「禁じ手もやむなし」と考えます。
一方で、Bはとても健全な方向ですが、時間がかかり効果は低そうです。
特に、筆者が在籍していた理科I類では、女子率は「8.5%程度」という驚異的な状況です。



俺、理I(理科I類)志望だけど、
女子が8.5%・・・



女の子、
少なすぎでしょ・・・
中高が共学の男子ならば、「まだ良い」ですが、男子校出身の男子にとっては、



大学で、久しぶりに
共学と思ったら・・・



はあ〜・・・
他の科類に変更しようかな・・・
男子諸君が、こう感じても「やむを得ない」状況です。
理Iの「8.5%程度」は、「50人クラスで男子46人、女子4人」という環境です。
学問は全ての分野が大事ですが、「資源が事実上ない」日本において、理工系は国家の根幹です。
そこで、ぜひ、女子高校生の皆さんには東大や京大目指して欲しい。
そして、出来れば理科一類、理学部、工学部を目指して欲しい。



私、理学部も良いけど、
東大って難しいでしょ・・・



数学とか物理好きだけど、
東大はちょっと・・・
「東大は難しい」のは、ある程度正しいですが、着実に学べば「難しくないのが東大合格」です。



数学や物理、科学が
好きな子は、理工系目指してみようか!
そして、ぜひ、共学校・女子校の教員の先生方には、女子に理工系を勧めて欲しい。
数学、物理、化学、生物などに興味ある女子は、



東大目指して
みようかな!
大いに目線をグッと上げて、ぜひ東大・京大などを目指しましょう。
自分のために、そして、日本の国家のために。