前回は「関西中学の「入試日程1ヶ月前倒し」の大改革〜中学受験の出題傾向と出題形式・どの中学でも合格できる猛者たち〜」の話でした。
現在と全く異なる35年前の中学受験風景:広い日本と文化の違い

世界には様々な国がありますが、日本は比較的「小さな国」という印象があるかもしれません。
世界ランキング | 国家名(略称) | 面積(万km2) |
1 | ロシア | 1,709.8 |
2 | カナダ | 998.4 |
3 | 米国 | 983.3 |
4 | 中国 | 959.6 |
5 | ブラジル | 851.5 |
6 | オーストラリア | 774.1 |
7 | インド | 328.7 |
48 | フランス | 55.1 |
61 | 日本 | 37.8 |
62 | ドイツ | 35.7 |
78 | 英国 | 24.3 |
日本の国土の広さは約37.8万km2で、61位です。
2025年3月現在、日本が承認している独立国は196カ国(日本含む)です。
このことを考えると、上位1/3くらいなので、日本は決して小さな国ではありません。

確かに、上位1/3なら、
「小さい方」ではないかも・・・



小さな印象があるけど、
日本って結構大きいね!
日本の国家の大きさに関する話を、上記リンクでご紹介しています。
実は結構広い日本では、都道府県や地域によって、文化・風土・慣習が大きく異なります。
特に中学生〜大学生の方には、外国も良いですが、ぜひ日本国内を回って欲しいです。
・関東:関東地方(首都圏付近)または東日本
・関西:関西地方(京都大阪付近)または西日本
いわゆる「関東と関西」では、雰囲気が「全然違う」と言っても良いでしょう。
そして、雰囲気も文化も全然異なる関東と関西では、中学受験の入試スケジュールが全く異なります。
・関西中学:1月の第三土日
・関東中学:1月中旬から開始し、主に2月1日から山場
関東の中学を「関東中学」、同様に関西の中学を「関西中学」と呼びます。
最近は上記日程が「固まった」感がありますが、かつては関西中学の中学入試日程は異なっていました。
筆者が中学受験生だった1990年頃は、関西中学の入試日程は、だいたい下記の通りでした。
・1970年頃〜1990年頃:2月中旬〜下旬(?)
・1991年(?)〜現在:1月の第三土日
現在では、



もうすぐ、いよいよ
入試本番だ・・・
関東中学の中学受験生が超直前期を迎えて、親子ともども緊張している中、



僕は、もう
中学受験全部終わった!
関西中学の中学受験生は「受験終了」となっていることも多いです。
これが、35年ほど前は入試日程・スケジュールが「完全に逆」であったので、



もうすぐ、いよいよ
入試本番だ・・・



僕は、もう
中学受験全部終わった!
現在の状況とは、「完全に逆」の状況となっていました。
「合格実績増強部隊」の関東から関西への進撃:「真剣勝負」の受験


35年前と現在では、中学受験の様々な点において、大きく変化したことがあります。
最も話題となるのは、



X中学は、最近、
大学進学実績が上がって・・・



偏差値が、かなり
上がっているみたいね・・・
日本の中学受験において、偏差値は極めて大きな存在であり続けています。
偏差値に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
日本においては、大学進学実績と中学受験の偏差値に極めて強い相関関係があります。
いずれにしても、35年経過すると「変わったこと」と「変わらないこと」があります。
35年前は、関西中学の中学入試日程が「現在より1ヶ月ほど後」だったので、



僕は、関東と関西の中学校
両方受験したよ!
「関西中学と関東中学」両方受験が可能でした。
そして、関東中学合格後に「合格実績増強部隊」が編成されて、



俺、武蔵中合格した後に、
灘とラ・サール受けて合格したよ・・・



塾に頼まれて、
受けに行ったんだ・・・
「受験が完了して安心」した受験生の中には、塾の依頼で「関西中学受験」に向かう人もいました。
現在は「逆の日程」なので、



灘中学合格の後に、
塾の依頼で開成中と筑駒中受けに行って・・・



両方とも
合格したよ!
このように、「35年前とは真逆」の「合格実績増強部隊」が編成される「可能性」はあります。
35年前とは逆の「合格実績増強部隊による関西から関東への進撃」が理論上、可能です。
ただし、35年前と現在では情報量が全く違うので、こういう行為は「少ない」か「ない」と考えます。
少なくとも、35年前は「関東から関西」への「合格実績増強部隊」による進撃があったのは事実で、



うちは真剣に入学者を
選抜している・・・・



「合格実績づくり」で
受験するのは、控えて欲しい・・・
関西中学の教員は、このように考えていたでしょう。
当事者の立場になれば、「入学する気がない受験生」は「相手にしたくない」のが心情です。
現在、何事も「ネット申し込み」が多くなりましたが、35年前の中学受験では、



学校の先生に
内申書を依頼して・・・



志望校の願書を全て
購入して、手書きして・・・
内申書や願書は「全て手書き」であり、現在よりも多くの苦労がありました。
筆者が中学受験生だった頃の、小学校教員や学校の話を上記リンクでご紹介しています。



願書の住所が関東ならば、
「合格実績づくり」の可能性があるな・・・
関西中学の教員は、このように考えたでしょう。



ならば、我が校の通学圏以外の受験生は、
「入学するつもりがない」とみなして・・・



総合点を「一定程度削る」のも
一つの手だが・・・
「点数に手を加える」ことの是非はありますが、「学校側の思い」は大事であり、



こういうことはしたくないのだが、
「やむ得ない」か・・・
「真剣勝負」の受験においては、「やむ得ないこと」かもしれません。
ところが、世の中には、



僕は今は、
東京に住んでいますが・・・



お父さんの転勤で、
4月から兵庫県に住みます・・・



だから、兵庫県の
Y中学を志望します!
「4月から住所が大きく変わる」予定の方もいるので、



色々な事情があるから、
住所だけで判断するのは、良くない・・・
「受験時の住所」を根拠に「受験生の本気度」を判断するのは、誤りの元になる可能性があります。



ただ、「入学するつもりがない」人は、
受験は控えて欲しいのだが・・・
「受験生本人と親は本気」の中学受験は、「中学校側も本気」であると考えます。
いわば、「受験生本人+親と中学校の真剣勝負」に、



我々も多大なエネルギーと
時間を使って、真剣にやっている・・・



「受験するだけ」は、こちらにとっては
デメリットでしかない・・・
「道場破り」のような「合格実績増強部隊」の存在は、「煙たい存在」でしょう。
そして、関西中学の教員は、



関東中学と関西中学の
入試日程が違うこと・・・



こちら(関西中学)が2週間ほど、
関東中学より入試が遅いこと・・・



これこそが
問題の根幹だ・・・



入試日程を
変更するか・・・
「入試日程の変更を考え始めた」と考えます。
入試日程の変更は、全学校のスケジュールの見直しになるので、



入試日程の変更は、
大変だが・・・



このような「実績のための受験」は
なくしたい・・・
「実績づくり」対策もまた、関西中学の入試日程が大きく変わった一つの理由と考えます。
次回は上記リンクです。