前回は「「算数が苦手」な人が「出来る」ようになる勉強法〜描いて状況理解・難しく感じる算数の難問・センスや頭の良さは「ほぼ無関係」〜」の話でした。
状況把握して的確に立式:「式を立てる」ことを強く意識
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速さや比の問題は、中学受験・算数で超頻出です。
上の問題の解き方は、上記リンクでご紹介しています。

速さとか比の問題って、
とっても多いね・・・



確かに、塾のテストや
模試でも、よく出るね・・・
速さ・比の問題は、問題作成者にとって、



速さや比の問題を
作成するのは、比較的簡単だ・・・



そして、これらの分野は、
代数・解析的能力が問える・・・
「とても問題が作成しやすく、算数の力が試しやすい」です。
このため、「速さ・比の問題」は、昔からずっと超頻出が続いています。
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どの分野でも応用問題は、まずは「描いて状況を理解」が大事です。
・まずは、自分なりに文章内の状況を描く
・描くプロセスにおいて、矢印などを利用して状況の理解を深める
算数の成績が良い人・出来る人は、このように「状況を的確に把握」することを必ずやっています。
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そして、状況把握をしながら、解くポイントを発見して、式を書いて解いてゆきます。
この「式を書く」プロセスを「立式(りっしき)」と呼び、「式を立てる」ことを意味します。



「立式」と言われると
難しそうだけど・・・



「式を書く」よりも「式を立てる」方が
分かりやすくて、算数っぽいかも・・・
算数のほとんどの問題では、この「立式して計算」するプロセスがあります。
「計算する」のは、ある意味で機械的作業であり、「立式」の方が重要です。
「立式せずに解ける」問題もありますが、まずは「的確に状況を把握して立式」が大事です。
・描いて的確に状況を把握して、立式=描きながら解く
・立式したら、計算して解く
応用問題を前にすると、



う〜ん・・・
これは、どうすれば良いのかな・・・
「どうすれば解けるか」を考えるあまり、手が止まってしまう人が多く、



やっぱり、僕には
算数は難しい・・・
算数に対して「無用な苦手意識」を持ってしまうことが多いです。
「手が止まる」ことは「思考が止まる」ことを意味します。
「手が止まる」状況では前に進まないので、「描いて式を立てる(立式)」を強く意識しましょう。
そして、「描きながら解く」姿勢を身につけるようにしましょう。
解けるようになる勉強法:「描いて理解」か「すぐ立式」の二つだけ


的確な状況把握が最重要である、算数の応用問題の解き方は、「状況がすぐ分かる」問題もあります。
上のような問題を考えてみましょう。
A君とB君が将棋をして、「勝ち負けの数」が問題です。



これは、描かなくても
分かるよ!



この問題では、「将棋」だけど
「じゃんけん」でも内容は変わらないね!
この問題は、状況がとても分かりやすいので、「A君が・・・」と描く必要はなさそうです。
この問題の解き方を、上記リンクでご紹介しています。


この問題では「描いて状況整理」せずに、すぐに立式出来る人が多いでしょう。



「描くことが大事」って
話だったけど、描かなくて良いの?
この問題のように、「状況が分かりやすく、登場する数字が多い」場合は「すぐ立式」で良いです。


この問題は「とにかく立式」が普通の解き方ですが、上記のように表を作成すると分かりやすいです。
表を作成する解き方を、上記リンクでご紹介しています。



この表も「状況を描く」ことの
一つだね。



すぐ立式も良いけど、
表も分かりやすいね!
「すぐに立式出来る」場合も、描いてみると解きやすい場合があります。
例えば、



ある分数に、〜をかけたら
整数になり、分子と分母の差は〜です。



この分数を
答えて下さい。
分数などが登場する問題もありますが、このような場合も「すぐ立式」で良いでしょう。
・的確にすぐに立式
・問題設定に応じて、表などにまとめて考える
そして、「描いて考える・すぐ立式」のいずれも「立式したら計算」で解けます。
以上のように、算数の応用問題では、「最初の一歩」は下記の二つしかありません。
・描いて状況の理解を深めて考える:状況がやや複雑〜複雑な場合
・的確にすぐに立式:状況が分かりやすい場合



とにかく、描くか
式を立てるか、だね!



これから算数の問題を
考える時は、そうしよう!
この「応用問題を解く第一歩」は、算数が得意な方から見れば「当たり前」かもしれません。
一方で、算数が苦手、または苦手意識を持っている人は、ぜひ「この二つだけ」を意識して下さい。
多くの算数の応用問題では、「まずは描いて理解しながら考える」ことがポイントです。
「解法パターン」の習得も良いですが、「思考の基本骨格」を整えることが第一です。


「骨があって肉がある」のが人体です。
「肉だけ」では、基本的に、人も動物も成り立たないのが現実です。
「闇雲に多くの問題を解く」のではなく、「思考の骨格」や「思考の軸」を作る学びが良いでしょう。