前回は「速さと比・旅人算の問題を解くコツ〜まず状況を的確に描く・式と図を行ったり来たりする思考・動く対象を分析・問題15(1)解法A〜」の話でした。
速さと比・旅人算の問題をシンプルに考えるコツ:図を見ながら考える
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前回、(1)の動く歩道とA君が歩く速さを求めたので、今回は(2)と(3)に進みましょう。
(1)で描いた図を見ながら、問題を解き進めてゆきましょう。
前回同様、(1)が終わったら、
(2)を早く
解こう!
こう気が逸るかもしれませんが、「図を見ながら着実に進めてゆく」のが最も近道です。
・いつも図に戻って、図を見ながら着実に考える
・「答えること・量・長さ」は何かを常に意識
(2)で尋ねられているのは「出会うまでの時間」なので、「出会うまでに歩いた距離」を考えましょう。
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まずは、「出会うまでに動く歩道が進んだ距離」を①と未知数設定します。
(1)で「7:4」という比がわかっていて、「この違い」は「Aが歩道上を歩いている」ことです。
そこで、上のような比が立式されるので、計算を進めてゆきましょう。
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このような計算をするときは、逐次計算を進めても良いですが、割り算等で約分出来ることがあるので、
上のように、「出来るだけ割り算は約して計算」するようにすると、計算ミスが減らせるでしょう。
動く歩道が動いた距離が分かったので、時間を求めるために、速さで割り算します。
事実上「3桁割る3桁」で少しずつ約分しても、ちゃんと解けます。
ところが、「約数が分かりにくいときは、手が止まってしまう」ことがあります。
ここで「196/231分」と答えても、正しいので✖️にはならないでしょう。
ところが、まだ約分できるので、答えのみでも記述でも減点される可能性があります。
減点の可能性が
あるのは、困る・・・
減点の理由は「まだ約することが出来る」からで、それは「計算過程から分かること」だからです。
計算過程から
どうやって分かるの?
そもそも、計算する過程で距離や速さを求める際には「Aの歩幅=0.7mの倍数」でした。
そこで、面倒がらずに元の計算に戻ってみましょう。
すると、「比較的分かりやすい4の倍数」が登場するので、簡単に約分できます。
こうして、上手く答えに至りました。
問題にもよりますが、解くプロセスで「複雑な分数」等が登場したら、
これらの数字が出てきた
式に戻ってみたら、どうだろう・・・
こう考えると良いでしょう。
・「計算した結果」のみから、力づくで約分するのは避ける
・「計算のプロセス」に戻ると、比較的簡単に約せることがある
ケアレスミスを避けるコツ:スイスイ進まずに図や絵を確認
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続いて(3)に進むと、「駅から博覧会場までの距離」です。
(2)の時間から距離になるので、先ほど「出会うまでに移動した距離」を考えましょう。
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(1)(2)と進むと「分かった気になる」傾向がありますが、いつも図をチラッと見て、考えましょう。
(1)の初期の方で求めた、「7:4」が使えそうです。
(2)で求めた「28/33分」を、A君が動く距離をかけて、比を考えれば一気にできそうです。
ところが、これは✖️です。
えっ?
なんでだろう?
これだけだと「動く歩道だけの速さ」で間違いです。
Aくんの速さ=「動く歩道+A君が歩く」速さです。
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こういう「ケアレスミス」をやってしまうことが、試験ではよくあります。
そこで、「ひたすら急いで立式する」のではなく、「図を見ながら考える」方が良いでしょう。
(1)と比較すると、(2)と(3)は易しいです。
(1)が出来れば、(2)と(3)は「スイスイ進む」方もいらっしゃるでしょう。
一方で、こういう「スイスイ進む時」こそ、ちょっと確認しましょう。
ちゃんと
合っているかな?
このように「少しずつ確認しながら進める」と良いでしょう。
・状況を表現した図をいつも気にして立式
・「スイスイ進む」時は、「何をどう考えているか」をチェックしながら解く
次回は別解をご紹介します。
次回は上記リンクです。