前回は「新校舎で理系部活が超活発な海城〜小学生にハイレベルなクイズを出す生物部・海城生たちのメッセージ・大規模な機械を作成実演する物理部〜」の話でした。
東京の中心部でのびのび成長できる芝:「芝の地名」の由来と江戸大改造
今年2024年9月14日〜15日に開催された芝中学校・高校の文化祭を訪問しました。
芝中高の文化祭を訪問するのは、初めてです。
芝は東京の中心部に
あるけど、どうやって行こうかな?
「芝」という東京港区を代表する地域を名前に持つ学校である芝中学校・高校。
「芝」という地名の由来は様々な説がありますが、「海辺に近い広い芝地」が有力です。
徳川家康が関東地方を納める前は、豊臣秀吉に最後まで抵抗した北条家が納めていた江戸。
この頃の江戸は「それなりの港湾都市であった」説もありますが、大きな街でなかったことは確かです。
そして、現在の中央区・港区周辺は海辺が広がる湿地帯でした。
徳川幕府が開設され、徳川家は江戸を「田舎町」から「政治の中心」に改造する大規模な工事を行いました。
現在、高級オフィス街の代名詞となっている「溜池山王」は、名前通り溜池があった地域です。
上記リンクでは、徳川家による「江戸大改造」の話をご紹介しています。
そして、芝中学の位置を地図で確認すると、
東京タワーの近く、というよりも
隣くらいに位置するんだ・・・
東京タワーを目の前にする位置にある学校であることを知り、驚きながらも訪問しました。
入って校舎へと進むと、当然のように東京タワーが「すぐ近く」に見えます。
六本木ヒルズのすぐ近くの麻布中高の同様に、芝中高も「東京ど真ん中」にあります。
校舎に入って、高層の建物を上がってゆくと、視界が広がってゆきます。
周囲には新たなビルも多数あり、「東京の中心にある」ことが体感できます。
たくさんの
ビルがあるね!
東京の中心部ながら、周囲には大使館等も多く緑も多い風景です。
気さくな芝中高生:「大らかな知性」を生み出す都心の歴史
まずは生物部に
行きたい!
子どもの個性にもよると思いますが、生物部が好きな小学生は多いと思います。
これまでに様々な学校の文化祭に行きましたが、どこでも生物部では小学生が目を光らせています。
あっ、クワガタだ!
こっちは、面白い魚がいる!
中学生以降になると、物理・化学・生物・地学に分かれる理科は、小学校ではまとめて「理科」です。
その理科の中でも、「動くもの=生き物」は子どもにとって、最も興味を喚起するものなのでしょう。
物理・化学・地学では、「動くもの」や「変化するもの」が大人気です。
動いたり、変わったりするのは
楽しいよ!
中学生以降になると、原理などを気にする傾向があり、「現象や動きを探究」する姿勢が強まります。
対して、もう少し素直に「現象や動きを見る」小学生。
中高文化祭で生物部が大繁盛なのは、「素直な」小学生にとっては当然のことかもしれません。
このカブトムシは、
僕達が近くの〜で取ったんだよ。
生物部の芝中高生が、楽しそうに子どもたちに話しかけている姿が印象的でした。
こっちは〜で、
ちょっと見てみる?
うん。
見たいです!
じゃ、ちょっと蓋を
開けるから、見てみて・・・
子どもたちに積極的に話しかける部員の方々の姿勢からは、
せっかく来てもらったから、
芝中高の雰囲気と生き物を知ってもらいたい!
こういう気持ちがと伝わってきました。
生物部では標本作りもするようで、大きな標本作成中の蝶が展示してありました。
このように標本作りなど「何か作業すること」を実際に展示しておくのは、とても良いです。
この間、
作った標本だ!
お兄さんたちが
丁寧に作っているね。
なかなか縁がない「標本作り」ですが、一度作成すると親近感が持てます。
上記リンクでは、子どもが「初めての標本作り」をする話をご紹介しています。
A.自校が志望校となりうる受験生本人・親に対して、校風を知ってもらう機会
B.受験生・親などに対して、学校説明を兼ねた説明会開催の機会
C.教育界・学外関係者に対して、自校の「ありのままの姿」を知ってもらう機会
文化祭には体内部・対外部の意義があると考えており、上記リンクでご説明しています。
この中で、小学生・受験生に対して「校風を知ってもらう」という姿勢において、芝はとても良いです。
「気さくに子ども・小学生に話しかける」姿勢が、多くの部で見られました。
様々な展示を見ながら、ちょっと外をみると、高層ビルが立ち並ぶ「歴史ある街」にある芝中高。
どの土地にも歴史がありますが、この付近は「時代による変化」が非常に大きいエリアです。
大らかな雰囲気の芝中高生たちは、この「東京の都市の歴史」と共に歩んでいると思いました。
そして、その姿勢が「大らかな知性」を生み出していると感じた芝中高の文化祭でした。
次回は上記リンクです。