前回は「場合の数の問題を解くコツ〜問題文に条件がないとき・「解く条件」は「上手く自分でつくる」・絵を描いて着実に解く・問題16解法〜」の話でした。
「背の高さの違い」と「ゼッケンの付け方」:「入れ替える」考え方
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前回は、上記の問題16を考え、「一郎から五郎の背の高さが不明」であるため、
一郎から五郎の順序が分からないと、
考えようながないね・・・
背の高さの順序が
明確にわかれば良いんだけど・・・
一郎から五郎に「背の高さの順にゼッケンを付けてもらう」ことにしました。
ゼッケンは、とても
分かりやすいし、他の問題でも使えそうだけど・・・
元々の
一郎〜五郎では、考えられないのかな?
そこで、ゼッケンを登場させずに、一郎〜五郎のままで考えてみましょう。
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一郎から五郎の背の高さの順序が、「分からない」ことが問題です。
例えば、一郎より三郎の方が
高いことも考えられるね・・・
二郎より
四郎の方が背が高い可能性もあるね・・・
このまま、一郎〜五郎のままで考えることは、出来ないでしょうか?
背の高さの順序が
ハッキリしていればいいけど・・・
色々なパターンが
考えられるから・・・
やっぱりゼッケンとかで
整理する必要があるのかな・・・
仮に「背の高さが一郎〜五郎の順」と考えると、この問題の考え方はどうなりますか?
一郎〜五郎の「名前通りに
ゼッケンを付ける」と同じだね・・・
「背の高さが一郎〜五郎の順」であれば、
ゼッケンは不要だね・・・
でもやっぱり、「背の高さが一郎〜五郎の順」
でない時は、ゼッケンが変わるね・・・
「一郎〜五郎に付けるゼッケンが変わる」と、答えは変わるでしょうか。
そうねえ・・・
考えてみると・・・
「一郎〜五郎のゼッケン」が
変わっても、考え方って一緒じゃない?
確かに、そうだね!
ということは・・・
「一郎〜五郎の背の高さ」が
違っても、考え方も答えも一緒だね!
ここが、この問題の最も大事なポイントの一つです。
「背の高さの順が変われば、ゼッケンが変わるだけ」を考えると、
「一郎〜五郎の背の順」と考えて、
もし違っていたら・・・
ゼッケンを変えるのと
同じように入れ替えたら、良いと思う!
確かに、
「一郎〜五郎の順に背が高い」として・・・
違ったら、その人たちの順序を
入れ替えれば同じだね!
それでは、この問題を「一郎〜五郎」のままで解いてみましょう。
場合の数の問題を上手く考える解法:図は簡略化して表現
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先ほど、考えた通り「一郎〜五郎の順に背が高い」と仮定しましょう。
そして、この考え方で良いことは、記述では明記することが大事です。
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ここで、なお良いのは、「一郎〜五郎の順に背が高いとして良い理由」を明記することです。
「入れ替えれば良い」ということを端的にでも書くと、
よく
分かっているね!
採点者は好感を持ち、相応の点がつく可能性があります。
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ここから先の考え方は、前回の解法と全く同じですが、今回は人型を簡単にしています。
人の形とか
カッコ良く描けたらいいけど・・・
上手く描くのって
難しいよね・・・
理科などで「作図が問題」等を別として、算数では「分かれば良い」ことを主眼としましょう。
今回は、「頭を◯、体を|」にして、一郎〜五郎を描いています。
こんなに、簡略化して
描いて良いの?
「分かれば良い」ことが大事で、「全体を|」として描いても良いでしょう。
「全体を|」で表現しても良いですが、「背の高さ」などは「頭を◯」とした方が分かりやすいです。
確かに「頭を◯」とした
方が、私も分かりやすいかも・・・
とにかく「自分が分かりやすい」ことが、最も大事です。
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前回の(2)のパターンも同様に、絵を描いて考えるようにしましょう。
ここで、絵を描きながら「誰がどういう位置にあることが必要か」を明記して、考えてゆきます。
そして、前回同様に、答えが求まりました。
16通り
ゼッケンも良いけど、
元の一郎〜五郎で考えられるのが良いね!
確かに「背の高さ」が
分からないけど・・・
「仮定して違ったら、
入れ替えれば良い」は大事な視点かも!
このように、場合の数や整数などの問題では、
3つの整数があって、
それらを〜すると・・・
「問題で設定されていない大小」が登場することがあります。
その場合も、「大小関係を仮定しても大丈夫」な場合があります。
今回、「一郎から五郎の背の高さを名前の順序通りとして良い」のは、大事な考え方です。
高校数学では、
「背の高さを一郎〜五郎の順」として、
一般性を失わない。
このように「一般性を失わない」と書きますが、これは数学的表現なので、
「背の高さを一郎〜五郎の順」として、
良い。
「背の高さを一郎〜五郎の順」として、
問題ない。
表現の仕方は「良い」「問題ない」「構わない」など、分かれば良いでしょう。
・条件が「設定されていない」が「解くために必要なこと」は自分で考えて設定
・大小関係など「仮定して問題があるか、ないか」を判断して解く
次回は上記リンクです。