「普段の教室」の展示する質実剛健な開成〜新校舎とリアルな標本たち・化石のレプリカ作りを提供する地質部・中高生と自然に触れ合う体験〜|2024開成中高文化祭紀行1・中学受験

前回はアンモナイトを発掘する活発な駒東生物部〜興味深い「飛行機の原理」の模型・数学の原理を分かりやすく展示・「城専門の部」で模型制作〜」の話でした。

目次

「普段の教室」の展示する質実剛健な開成:新校舎とリアルな標本たち

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2024年度 開成中学校・高校 文化祭「開成祭」(新教育紀行)

今年2024年9月21日〜22日に開催された開成中学校・高校の文化祭「開成祭」を訪問しました。

筆者

開成に来るのは
久しぶり・・・

ずっと昔に、ここ西日暮里の開成中高に来たことがありましたが非常に久しぶりです。

西日暮里駅からすぐ近くの開成中高は、駅前から見えるので、

筆者

あ、あれが
開成だよ。

子ども

あの学校に
今日は行くの?

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2024年度 開成中学校・高校 文化祭「開成祭」(新教育紀行)

新校舎が完成してまもない開成の校舎は、駅から見ると少し高台にあることもあり、目立ちます。

そして、開成のシンボルマークである「ペンと剣の開成マーク」がはっきり見えます。

見るからに新しい開成の新校舎に、入ってゆきます。

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2024年度 開成中学校・高校 文化祭「開成祭」(新教育紀行)

入ってすぐに広場のような空間が広がり、周囲を校舎がグルッと囲む構成です。

学校建築・建物ではよくあるタイプですが、このような求心的な空間は学生たちにとって良いです。

この日の午前は少し曇りと雨の天気でしたが、広々とした空間が気持ち良いです。

そして、賑やかな駅前に近い校舎なので周囲を建物で囲って「周囲と学校を隔てる」のも大事です。

子ども

まずは
生物部に行く!

子どもが大好きな生物部を、まず訪問することになりました。

筆者

生物部は
どこかな・・・

筆者

あっ、ここに物理部や
地質(地学)と一緒にあるね。

新校舎の一部に物理部などと一緒に生物部があり、「理系がまとまっている」構成です。

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生物部では部員の方達が、思い思いに様々な展示をしていました。

開成生

この魚はね、
〜で取ってきたものだよ。

開成生

日頃は生徒が自宅で飼っているのを
展示のために、運んできました。

水槽を自宅から運んでくるのは大変ですが、一生懸命「文化祭で見せたい」という気持ちが分かります。

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開成の生物部で際立っていたのは、昆虫の標本のレベルの高さでした。

珍しい大きなモンシロチョウなどの標本が展示してあり、

子ども

この蝶の標本は
初めて見た!

とても迫力がある標本たちが立ち並び、「実物を見てリアルに理解」出来る環境です。

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自分達が解剖した魚たちの骨格標本は、箱などに入れずに「そのまま」展示してありました。

このように標本などが「そのまま展示」は非常に珍しく、見る側からすると、

筆者

光が反射したりしないから、
とても見やすいし分かりやすい・・・

「展示のための空間」を作るのではなく、「普段の教室の雰囲気」のままの展示も好感が持てました。

「生物の世界が広がる」展示は「その世界に入ってゆく感じ」なので、より楽しめる傾向があります。

一方で、この「普段の教室のまま」という雰囲気は、

筆者

サッパリした感じで
開成らしいかな・・・

開成らしい質実剛健な雰囲気を感じました。

化石のレプリカ作りを提供する地質部:中高生と自然に触れ合う体験

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ついで、地質(地学)部に向かいました。

生物部のすぐ近くで、理系がまとまっているので、訪問者にとっても分かりやすい構成です。

普通は「地学」部と名乗る部活ですが、開成では「地質」部で少し古風な感じも受けましたが、

筆者

地質部の方が、
本質的な感じもする。

「地質」部という名称にも興味を持ち訪問すると、部員たちや先生が採取した沢山の石が並んでいました。

開成生

この石は、この間
合宿に行って採取してきました。

楽しそうに「自分達で採取した化石」の話をしています。

このように、「部員たちと一緒に行った合宿で採取した化石」は一生の宝になりそうです。

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中には「自然金?」という採取した方の思いが「そのまま表現された」展示もあり、

筆者

これは、
金なのかな?

こう尋ねると、地質部員の方はちょっと照れ笑いしながら、

開成生

金かなとは思いますが、
確かなことは分かりません。

開成生

でも、金が産出される地域で
取れた「金を含んでいそうな」石です。

このように「自分達の素直な感覚」を展示にそのまま表現する姿勢は、理系では大事かも知れません。

何か「確たること」が分かれば良いですが、「確たること」を自ら見つけ出すことは難しいです。

開成生

時間制で、
化石のレプリカ作る体験やってます!

開成生

やりたい方は、こちらの整理券を
持って、指定時間にお越しください!

子ども

化石のレプリカ、
作りたい!

こういう「何か作る」のは子どもは誰でも大好きで、早速整理券をもらって再度訪問しました。

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男子小学生

レプリカ作るの
楽しみだな!

レプリカ作りにはたくさんの男の子たちが参加して、大賑わいでした。

開成生

好きな化石を
選んでください。

開成生

そしたら、この白い粉をスプーンで取って
水を入れて溶かしてください。

男子小学生

これで
いいの?

開成生

あっ、これは
もう少し白い粉を入れた方が良いね。

こんな風に開成の地質部員たちが、丁寧に子どもたちに教えて、化石のレプリカを作ります。

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子ども

化石が
出来たよ!

水に溶かした白い粉(石膏?)を流し込んで、レプリカ完成です。

開成生

お預かりするので、
一時間後に受け取りにいらしてください。

そして、一時間後に訪問して、乾燥して完成した「化石レプリカ」を受け取った子どもは、

子ども

僕が作った
化石だ!

とても嬉しそうで、このように「子どもたちに何かを体験してもらう」姿勢は大変良いです。

特に「開成中を目指す方」に取っては、「開成生と触れ合える」機会は大変貴重です。

理系部活などでは「部員に質問」することも出来ますが、

男子小学生

何を質問すれば
いいのかな?

こう考えてしまう方が多く、「質問する」ことはなかなか出来ないことが多いです。

とても大事な「質問すること」に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

一方で、このように「何かを作る」時には、

男子小学生

これで
良いですか?

このように「子どもたちが質問しやすい」傾向があります。

子どもたちが「楽しく化石を理解」出来るチャンスを「文化祭ならでは」の方法で生み出している地質部。

「何かを作る経験」が好評であることは分かっていても、

開成生

展示の準備や説明もあって、
レプリカ作りを教えるのは大変だけど・・・

展示の準備もあって、なかなか出来ないのが現実です。

開成生

子どもたちが喜んでくれて、
嬉しいな・・・

こんな開成生の気持ちが伝わってきた気がしました。

来年同時期に開催されると思われる開成の文化祭に、ぜひ親子で訪問してみてはいかがでしょうか。

次回は上記リンクです。

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