子どもが合格に向かう親の姿勢〜最大の支援者は親・「成績が上がらない」受験生と親の思い・国家と死闘演じた後藤新平〜|中学受験・高校受験・大学受験

前回は「子どもを上手に鼓舞する親の姿勢〜「父親失格」の山本五十六の父貞吉・避けるべき「具体的なマイナスのこと」〜」の話でした。

目次

「成績が上がらない」受験生と親の思い:国家と死闘演じた後藤新平

新教育紀行
屋久島の海(新教育紀行)

今回は、中学受験・高校受験・大学受験に向かう受験生・子どもたちに対する親の姿勢の話です。

高校生以上である大学受験生は「比較的大人」ですが、「まだまだ子ども」でもあります。

受験に対する親の関わり方は、受験生・子ども本人の年齢が上がるにつれて低下します。

そのため、「親の姿勢」は主に中学受験・高校受験の話になりますが、大学受験でも重要です。

今回は中学受験を舞台に考えますが、高校受験・大学受験でも同様と考えます。

男子小学生

A中学が志望校だけど、
合格判定が上がらない・・・

女子小学生

一生懸命勉強しているのに、
全然成績が上がらない・・・

志望校合格に向けて「順調に学力が上がっている」または「十分な学力がある」方は良いです。

一方で、志望校のレベルにもよりますが、そのような方は「少数派」であることが多いのが現実です。

ここで、自身が「受験に成功した」経験を持つ親の視点から見ると、

受験生の父親

このくらいの問題が
ちゃんと出来なくて、どうするんだ?

受験生の父親

もっとしっかり勉強して、
こういう問題は出来るようになるんだ!

ついつい、このように言いたくなってしまう気持ちになる方もいらっしゃるでしょう。

New educational Voyage
左上から時計回りに、後藤新平 内務省厚生局長、星亨 衆議院議長、 片山国嘉 帝大(東大)医学部教授、医師 北里柴三郎(Wikipedia)

特権階級であった華族・衆議院議長・東大(帝大)をまとめて相手取って戦った後藤新平。

後藤新平

さすがに、「華族・衆議院議長・帝大(東大)を
まとめて相手」は辛い・・・

当時の感覚では「国家と死闘を演じた」と表現しても過言ではない戦いでした。

そして、この「絶体絶命の戦い」において、辛うじて勝利した後藤。

後藤の死闘に関する話は、上記リンクでご紹介しています。

この「後藤の勝利」の背景は、後藤自身の根気強さ・能力が最大の理由でしょう。

一方で、後藤には「かけがえのない超強力な援軍」がいた事実が非常に重要です。

安場保和 胆沢県大惨事(副知事)(Wikipedia)
安場保和

後藤、
頑張れよ!

安場保和

私は
お前を応援し続ける!

後藤にとって恩人であり、奥さんの父(岳父)であった安場保和。

「とことん後藤を信じて、強力な支援を続けた」のが安場でした。

福岡県令(県知事)、愛知県令(県知事)などを歴任した「国家側の立場」だった安場。

「国家に尽くす」立場上、「国家と戦う」側は「反対側」となります。

こういうタイプの方が、娘婿とは言え「事実上、国家と裁判」して戦う後藤を前にしたら、

安場保和(架空)

まあ、後藤よ・・・
お前の気持ちも分かるのだが・・・

安場保和(架空)

華族・衆議院議長・帝大と
戦って勝つのは不可能だ・・・

安場保和(架空)

これらの「どれか一つ」だけでも、
かなり苦しい戦いだ・・・

華族がなくなった現代では、なかなか「華族」というイメージが持てないかもしれません。

まだ封建社会の香りが残っていた当時、旧大名は「皇族に準ずる特権階級」でした。

安場保和(架空)

ここは、「自分の悪かった点」は潔く認め、
出直したらどうだろうか・・・

このように「後藤を諭す」可能性もあったはずです。

本来ならば、この姿勢の方が「分かりやすい」立場・経歴の人物だった安場。

ところが、このような姿勢を取らず「徹底的に後藤の味方」となったのが安場でした。

安場保和

私は、何が何でも
お前(後藤)を応援し続ける!

このような「徹底支援」を続けてくれる「恩人+岳父」の存在は、極めて重要でした。

そして、著名人・有力者である岳父・安場が「完全に後藤についた」こと。

裁判官

あの安場が、婿とは言え
後藤を完全サポートしている・・・

この事実が裁判官の心証に影響しないはずはなく、裁判にも相応の影響力を持ったでしょう。

後藤新平

安場さんが、ここまで
俺を支援してくれる・・・

後藤にとっては、「最大最強の援軍」となったのが義父・安場でした。

子どもが合格に向かう親の姿勢:最大の支援者は親

新教育紀行
日本海(新教育紀行)

「後藤を支援し続けた安場の姿勢」こそ、受験生・子どもに対する「親の姿勢」の模範例と考えます。

成績や合格判定が上がらない時、「落ち込む」のが普通です。

「落ち込まない方がどうかしている」中で、

男子小学生

合格判定上がらないけど、
僕頑張る!

女子小学生

全然成績が上がらないけど、
大丈夫!

こういう風に「超前向き」になれると良いですが、現実問題としてなかなかそうはいきません。

このような「超前向き」の受験生・子どもなら良いですが、こういう方は超少数派のはずです。

受験生の父親

このような成績では、
合格は難しいのではないか!

ここで、親がこのような「超ネガティブなこと」を言っても、

男子小学生

頑張っているんだけど、
合格できないのかな・・・

女子小学生

私って、
合格無理なのかな・・・

本人のテンションが下がるだけで、何も良いことはないでしょう。

そうではなく、上手く鼓舞するのが大事です。

受験生の父親

まあ、パパも結構
苦労したから分かるよ・・・

受験生の父親

この算数の問題ってさ、
難しいよな・・・

実際、中学受験の算数の問題は、大人や大学生が見ても結構難しい問題が多数あります。

男子小学生

そうなんだよね・・・
難しくて・・・

男子小学生

どうやったら
解けるようになるんだろう・・・

受験生の父親

でも、社会が最近とても
成績が上がっているじゃないか!

男子小学生

うん!社会は最近、
歴史も地理も頑張ってる!

受験生の父親

じゃ、算数も頑張っているから、
もう少しで成績上がるんじゃないか!

男子小学生

もう少し
頑張ってみる!

受験生・子どもの親の姿勢は、安場のように「子どもを完全サポート」が重要です。

親の経歴・学歴次第かも知れませんが、大抵の方は「何か失敗」の経験はあるはずです。

受験生の父親

実は私も算数の
成績が上がらずに苦労した・・・

中学受験経験者かどうかは様々ですが、「何か受験をした」経験を持つ方が多いでしょう。

受験生の父親

もう少し頑張ったら、
きっと出来るようになるよ!

そうした体験をもとに、子どもの良い面・頑張っている面を褒めてあげるのも大事でしょう。

すると、受験生・子どもは健全な精神で、合格に向かってゆけるでしょう。

子どもが合格に向かう親の姿勢

・成績が多少でも上昇している科目や分野を褒める

・「上手くゆくイメージ」で子どもが自信を持てる方向へ

新教育紀行

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