前回は「理科の学力アップのラストスパート〜苦手分野は「出来るだけ」・知識増強と理解力アップの両方必要な理科・全く異なる理科四分野〜」の話でした。
理科のラストスパート:豆電球はなぜ光るのか?
直前期から超直前期になる頃、中学受験生のみなさんは、
算数を総復習
しよう!
理科を総復習して、
社会も国語も総復習!
全科目で、総復習を中心に学んでいると思います。
直前期に、算数などで「新たな考え方を学ぶ」こともありますが、総復習中心が良いです。
上の様な電気・電流・回路の問題に対しては、
こういう問題は
たくさんやったよ!
合成抵抗の考え方とか、
しっかり理解出来ていると思う!
理科の問題は、実は身近なことが多いこともあり、たくさんの問題が作成可能です。
今年はどんなことを
我が校の志望者に尋ねてみようかな・・・
「てこ」などの力の問題や電気の問題は、少し変化をつければ、印象が大きく変わることがあります。
電気・回路の問題が
出たら、解けると思う!
最も明るい電球とか、
暗い電球とかは・・・
流れる電球の量・大きさを
考えればいいんだよね!
ここで、下記の問題を考えてみましょう。
豆電球に電線をつなぎ、電池を接続すると豆電球が光ります。
豆電球が光る理由を、豆電球の中の現象を含めて説明して下さい。
「電線と電池を接続すると豆電球が光る」という、電気・回路の最も基本です。
豆電球が光るのは、
電流が流れるからだよね!
この問題では「豆電球の中の現象を含めて」と記載あるので、「電流が流れるから」では✖️です。
そういえば、
なぜ、豆電球って光るんだろう・・・
小学校や塾で電気を習った際に最初に勉強したと思いますが、もう一度復習しましょう。
フィラメントが光る理由:超基礎を総復習する大事さ
豆電球をソケットにねじ込んで、単三乾電池に接続すると、豆電球が光ります。
上のような実験キットは、小学校の理科の授業で使ったことがある人が多いと思います。
豆電球のキットは
覚えているよ!
家でも学校でも、
電気の光があるけど・・・
豆電球がピカッと
光って、面白かった!
なぜ、豆電球は「電流が流れるとピカッと光る」のでしょうか?
豆電球の中の
フィラメントが光るんだよね!
「豆電球が光る」のは、「電球が光る」のではなく「フィラメントが光る」ので明るくなります。
それじゃ、「豆電球に電流が通って
フィラメントが光るから」で良いのかな?
「フィラメントが光るから」は、「豆電球の中の現象を説明している」ので✖️にはならないでしょう。
ところが、「なぜ光るか」を説明することが望ましいので、△と考えます。
それじゃ、「フィラメントが光る理由」を
書けば良いのね・・・
なぜ、フィラメントって
光るんだろう・・・
「フィラメントを光らせる」のが、
電流の役目じゃないの?
「フィラメントが光る」理由を考えてみましょう。
豆電球に近づいて、よく見てみましょう。
フィラメントって、
ただ光っているだけでなくて・・・
バチバチって
燃えている感じだね・・・
フィラメントが燃えて
光っているのかな?
フィラメントが光る理由は、「フィラメントが熱を発している」ことが理由です。
それでは、なぜ「フィラメントで熱が発生する」のでしょうか。
豆電球って、
「抵抗」でもあるって習ったね・・・
「抵抗」だから、
電流がフィラメントを通るときに・・・
「抵抗を受けて」熱が
発生しているのかな・・・
電熱線の内部を拡大して描いて、電熱線の抵抗を考える話をご紹介しています。(上記リンク)
フィラメントの材料も
電熱線だね・・・
フィラメントの中で、
電流が抵抗を受けて熱を出しているんだ!
それで、豆電球が
光るんだね!
フィラメントの材料は、ほとんどがタングステンという「電気を通しにくい材料」です。
「電気を通しにくい性質」を持っているので、
豆電球のフィラメントを
通ると、抵抗を受ける・・・
そこに電流・電気を通すと、抵抗を受けて熱を発して光ります。
抵抗を受けるけど、
頑張って進むんだ!
電流は抵抗を受けて、熱を発しながら回路を突き進みます。
回路を一周すると、
たくさんの抵抗にあって、
疲れた・・・
僕が電流さんを
上に持ち上げるよ!
電池のところに戻ってきたところで、電池が電流を持ち上げて、
高さ(電位)が上がって、
元気になったから、また進むね!
電流は再び回路を進んでゆきます。
豆電球のフィラメントを通るときに、
光るくらい高い熱が出るんだね・・・
でもさ、熱が出て燃えちゃたら
どうするの?
燃えては困るので、タングステンは「燃えにくい(融点が高い)」という性質も持っています。
・豆電球の中の電流を通しにくい素材であるフィラメントに、電流が流れるときに抵抗を受けて、熱を発して光るから(○最も良い例:フィラメントが電流を通しにくい点も書いている)
・豆電球のフィラメントに電流が通って光るから(△良くない例:「光る理由」がない)
・豆電球に電流が通るから(✖️良くない例:「豆電球の中」の記載がない)
フィラメント(タングステン)が焼き切れないように、豆電球の中にはアルゴンなどのガスが入っています。
不活性ガスのアルゴンなどによって、フィラメントが焼き切れるのを抑止しています。
これは中学生以降の方には知ってほしいですが、中学受験生はガスのことは書く必要がないです。
「電流を通していない、光っていない」豆電球を見ると、フィラメントの線がよく分かります。
昔、理科の実験で
やったけど・・・
豆電球が光って、ソケットのことを理解して、
分かった気になってたかも・・・
改めて、「豆電球がなぜ光るか」って
考えると・・・
電流や回路の問題も
よく分かる気がする・・・
暗記も多い理科ですが、電気以外も「超基礎を総復習」してみましょう。
「豆電球はなぜ光るか」というのは超基礎ですが、「理科の超基本」とも言えます。
きちんと理科を
理解していますか?
出題者が「理科の基本の理解」を問うときに、このような出題も考えられます。
応用問題に目を向けると同時に、「基礎や基本」の復習をお勧めします。
すると、応用問題を解く力も上がるでしょう。