前回は「ひたむきに草原を走って昆虫採集〜三角ケースと三角紙・昆虫撮影と「生き物に触れる」経験・理科の様々な知識と暗記とリアリティ〜」の話でした。
初めての標本作成の経験:全て「自分たちが採集」の麻布中生物部
夏の原っぱを思い切り走り回って、多数の昆虫を採集した子どもたち。
冬はスキー場となる広い原っぱでは、トンボがブンブンと音を立てて、周囲を舞っていました。
綺麗な蝶を
捕まえたよ!
よしっ、
これは後で標本にするから・・・
この三角紙に
包んでおいて・・・
この「原っぱを走り回って昆虫採集」だけでも、子どもにとって大きな収穫がある体験です。
さらに、今回の一泊のプログラムのハイライトは、この後に続く「昆虫の標本作成」です。
昆虫の標本作成は
僕は一度もやったことがない・・・
小学校から中高の生物の授業では、「植物を育てる」は多くの方が覚えていらっしゃるでしょう。
昆虫の標本は博物館などで「鑑賞する」対象であり、「作成する」対象ではないので、
「標本を作成する」という
ことは考えもしなかったかも・・・
2024年5月に麻布中学校の文化祭に行った時、生物部で多数の標本が展示されていました。(下記リンク)
ここで展示されている生物は、
全て部員が採集した個体・標本です!
膨大な生き物や標本を持つ麻布中学の生物部の標本は、全て部員たちがコツコツ集めたものした。
この姿勢は驚愕すべきことです。
さらに、部活動において所有する生き物や標本が、
これら全ては
「自分たち部員や先輩たちの生きた財産」だ!
このような姿勢は「部活動の王道」を行くものであり、大きな感銘を受けました。
日頃の「生き物との関わり」を一生懸命説明:栄光中と武蔵中の生物部
日本有数の巨大な校地を持つ栄光学園では、生物部員が採集した「栄光産」の生物が展示されていました。
このアゲハチョウは
栄光で捕まえました!
自分の学校内で、実に様々な生き物たちが採集できる栄光学園の環境。
この環境は「ちょっと信じられないほど豊か過ぎる」学校環境であり、俄には想像が出来ないほどです。
自然豊かな栄光学園の学園祭・栄光祭に関する話は、上記リンクです。
栄光の校地は、
このあたり一帯です!
僕達も「どこまで栄光」は知らないですが、
「あのあたりまで栄光」です!
校地と道路の間などは、「ここまで栄光」が明確になっています。
学校にも関わらず、フェンスなど「明確な境界ライン」がない部分もあるのが栄光学園です。
筆者が在籍していた武蔵中でも、生物部の展示は非常に活発でした。
この石はですね、
〜から取れたもので、〜です!
麻布中・栄光中・武蔵中、いずれも生物部の部員たちは、比較的元気で積極的だったのが印象的でした。
僕達が日頃活動していることを、
ぜひ説明したいんだ!
という気持ちがヒシヒシと感じられる展示と説明は、学園祭らしい雰囲気があって、とても良かったです。
筆者は物理部に所属していたので、実験ばかりやっていましたが、
毎日のように生き物と
触れていると・・・
物理部や化学部とは
ちょっと違う雰囲気になるかも・・・
このよう改めて感じ、「生物部の良さ」を感じるに至りました。
麻布中・栄光中はじめとする中高の生物部にいた方は、「標本づくり」の経験がある方が多いでしょう。
筆者が全く経験がなく、「考えたこともない」標本作り。
いよいよ、子どもと一緒に作成に入ります。
標本作りと様々な道具:固定して「昆虫を乾かす」
それでは、皆さん
標本作りを始めます!
先ほど捕まえた昆虫たちを
三角紙に包んだまま、お持ちください。
これから「標本づくり」をするために、まずは「採集した昆虫たちの生命を奪う」ことから始まります。
この「悲しい手続き」は、担当のプロの方々がやってくれました。
昆虫たちの大事な生命を
なくしてしまったのですから・・・
皆さん、大事に
標本を作成してください。
「標本づくり」の経験がなかった筆者は、この「昆虫の生命を丁寧になくす」プロセスも初経験でした。
この標本台という道具を
使って、標本を作ります。
標本を置いて、昆虫針で
固定して、昆虫を乾かして標本にします。
「標本作り」の最も大事なポイントは、「昆虫を乾かすこと」であることを初めて知りました。
いよいよ、昆虫の標本作り開始となり、
最初はこの
黄色い蝶にしようかな・・・
ゆっくりと蝶を置いて、昆虫ピンで挿してゆきます。
大きな白い球がついているピンは、固定する半透明の紙を固定するために使います。
対して、昆虫と周辺を押さえる針は、より細い針を使います。
これらの「細い針」を使う機会も、なかなかないことで、子どもたちは一生懸命でした。
次回に、標本作りが完成します。
こういう実体験があると「知識への意欲」が湧いて、勉強がはかどるでしょう。
水溶液など化学分野や石などの地学分野は、覚えることが結構あります。
天体など物理分野は理解力が大事ですが、暗記しなければならないこともあります。
これらの理科の分野の中で、比較的暗記が多いのが生物分野です。
中学受験生は、植物や生物などの多数の部位や性質を暗記する必要があります。
これらの暗記の際には、「語呂合わせなどの丸暗記」でも問題が解ければ良いでしょう。
筆者は「語呂合わせなどの丸暗記」は「性に合わない」ため、全く好きではありません。
こうした暗記に関しては、「少しの経験」があれば、
ああ、これは
こういうことかな?
あの時、こんな感じだったし、
似ているから、僕はこう覚えようかな・・・
自己流で覚えて、暗記がはかどることもあるでしょう。
覚え方は様々ありますが、きちんと覚えられるのであれば「自己流」でも良いでしょう。
むしろ、「自己流の覚え方」で、
私はこんな感じで
覚えようかな・・・
うまく暗記出来れば、「自己流は忘れにくい」ので良いでしょう。
生物に関して「ほとんど知識がない」筆者も、昆虫採集や標本作りの体験で大いに興味を持ちました。
「受験対策」に限らず、「少しの体験」を子どもにはしてもらうこと。
それは、子どもの成長に大変大きな効果があるでしょう。
次回は下記リンクです。