前回は「勝利をつかみとる姿勢〜ミッドウェー作戦のその後・日本海軍の致命的打撃・日本海軍の敗因・あっさり諦める日本海軍・勝つことを目標とする米軍の姿勢〜」の話でした。
合格へ向かう姿勢:勝つために全力を尽くす
いわば「勉強することが仕事」の小学生・中学生・高校生。
大学生・大学院生にとっても「勉強することが仕事」です。
一方で、大学生以降は「学びの意味」が少し異なります。
「勉強することが仕事」とはいえ、その「仕事の勉強」には、常に評価が付きまといます。
大人も「仕事の評価」は社内・社外・世間から付けられることが多いですが、受験生たちは、
今回の模試は、
総合で偏差値64だった・・・
私は前回から下がって、
偏差値58・・・
「偏差値」という明確な数字で評価されます。
しかも、受験の後半になると毎週のように模試があり、頻繁に偏差値という評価を付けられます。
さらに、中学受験生の場合は、
あなたのA中学の合格可能性は
40〜60%程度です。
あなたのB中学の合格可能性は
80%以上です。
このように「合格判定」までついてくる受験生。
いくら「勉強が仕事」とはいえ、こんなに頻繁に「一点刻みの評価」を受けては大変な気苦労です。
そこで、受験生の方々には「勝つために全力を尽くす」ことを目指して欲しいと思います。
・「勝つこと=合格すること」を明確な目標に持つ
・「合格する」という大目標目掛け、全力を尽くす
「勝つために全力を尽くす」というのは、当たり前のことです。
今回は、ミッドウェー海戦での米海軍の発想から、「勝つために全力を尽くす」を学びましょう。
ニミッツ長官の「全力尽くす」姿勢:沈みゆくヨークタウンを前に
もともと「圧倒的な戦力差」を持って日米海軍が臨んだミッドウェー海戦。
日本海軍は当時「大日本帝国海軍」ですが、「日本海軍」で統一します。
「米国・米軍が圧倒的存在」である今日では想像しにくいかもしれません。
実は、当時、太平洋においては「圧倒的に日本海軍が有利」でした。
そして、日本海軍の空母赤城・加賀・蒼龍が米海軍に撃沈され、飛龍も自沈処分となります。
内地への曳航するのは、
大変危険で、不可能です!
やむを・・・・・
やむを得ん・・・
飛龍を
自沈せよ・・・
比較的あっさりと「飛龍の自沈」を決定した山本長官・連合艦隊司令部。
実は、この頃、米海軍の空母ヨークタウンもまた「沈みゆく身」でした。
もともと中破〜大破の状況で「修理に90日かかる」のを無理やり「3日で修理」したヨークタウン。
「修理」と言っても「応急処置で無理やり戦場に出撃させた」のが実態でした。
そして、そのヨークタウンが大奮戦しましたが、飛龍攻撃隊から猛烈な反撃を受けました。
もともと「かなりの損傷を受けていた」ところに、日本海軍の爆撃・雷撃を受けた空母ヨークタウン。
みるみる傾斜してゆき、「立っているのもやっと」というレベルに達しました。
Yorktown(ヨークタウン)も、
ダメだな・・・
ここまで傾斜しては、
注水による回復は不可能・・・
戦艦・空母などの軍艦は、損傷して傾斜した際、反対側に水を注入(注水)して、傾斜を回復します。
「水を注入」すれば重量が重くなり「沈む可能性が高まる」のですが、「傾斜している状況は極めて危険」なのです。
そして、日米共に自国の軍艦を「敵に捕獲されること」を絶対に避けていました。
それは「自国の恥」であり、「捕獲された軍艦を修理したら、敵が強化する」からです。
もはや、
Yorktown(ヨークタウン)も自沈だな・・・
Nimitz(ニミッツ)長官に
具申するしかないな・・・
Nimitz(ニミッツ)長官!
大変残念ですが、Yorktown(ヨークタウン)の救助は不可能です!
これを聞いたニミッツ長官。
Japan(日本)の空母を3〜4隻
撃沈したのは、大勝利だ・・・
だが、奴ら(日本)はまだ
多くの空母を持っている・・・
4隻の空母を失った日本海軍。
とはいえ、数の上では「まだまだ空母を保有していた」のでした。
対して、当時は日本海軍より劣勢であった米海軍。
ミッドウェー直前の珊瑚海での戦いでは、空母レキシントンを撃沈されました。
Lexington(レキシントン)に続いて、
Yorktown(ヨークタウン)を失うのはまずい・・・
Nimitz(ニミッツ)長官!
大変残念ですが、Yorktown(ヨークタウン)の自沈のご決断を!
ここで、目をクワっと開いたニミッツ長官。
お前たち!
我が軍の空母が、これ以上撃沈されるのは許さん!
しかし、Yorktown(ヨークタウン)を
Hawaii(ハワイ)まで曳航するのは非常に危険です!
日米共に状況は変わらず、沈没しかかった軍艦は「曳航中に爆発」などの危険性が高い状況です。
とにかく、Hawaii(ハワイ)まで
曳航するのだ!
し、しかし・・・
どうやってやるのですか・・・
それを考えるのが、
お前たち幕僚の仕事だろう!
はっ、
ははっ!
そして、米海軍の将兵は、ヨークタウン救助向け全力を尽くします。
とにかく、
Yorktown(ヨークタウン)を救うのだ!
全力で
やるぞ!
我がUS Navy(米海軍)の
名誉のためにも、死力を尽くす!
とにかく「絶対諦めない」姿勢のニミッツ長官及び米軍の姿勢。
これこそが、「勝利する=合格する」ために最も大事な姿勢でしょう。
・「勝利する=合格する」ために絶対諦めない
・出来うる限り努力して、合格目指す
ヨークタウンの最期:日本海軍の「渾身の一矢」
米海軍の必死の「ヨークタウン救助」作戦。
このまま上手く行けば、ヨークタウンはハワイに曳航し、修理されて再び戦場へゆきます。
・・・・・
大打撃を超えて「壊滅的打撃」を受けた空母機動部隊。
この現実に対して、「作戦を強行した張本人」である山本長官は大ショックを受けます。
当時、「大きな腹痛を抱えていた」という説もある山本長官は長官室から出れない状況となりました。
山本長官が「指揮できない」ので、作戦指揮は宇垣纏 連合艦隊参謀長が司ります。
山口司令官と海兵同期の宇垣参謀長。
山口よ・・・
長い付き合いだったな・・・
山口の仇は、
俺が取る!
参謀長!
まずは、内地へ帰還の指示を!
艦隊進路240度!
艦船同士の衝突は避けよ!
ここで、「米海軍が損傷した空母ヨークタウンを救助中」の一報を受けた宇垣参謀長。
このまま、ヨークタウンを逃しては・・・
こちらが空母4隻やられて・・・
米軍は
空母損失0となる・・・
そんなことは、
絶対に許さん!
そして、潜水艦に対して、
空母ヨークタウンを必ず
撃沈してこい!
ははっ!
付近には米海軍の艦船が多数ある中、「潜水艦で近づく」ことは「死と隣り合わせ」の状況です。
その状況をよく分かっている宇垣参謀長。
大変な苦労だろうが・・・
死ぬかもしれんが・・・
頼む!
一矢報いねば、連合艦隊の立場がないのだ!
渾身の
一矢を!
ははっ!
そして、「死力を尽くして」ヨークタウンに近づいた日本海軍・伊号潜水艦。
ヨークタウンを狙え!
発射!
ヨークタウンに「渾身の一矢」の魚雷を打ち込んだ日本海軍。
ヨークタウンに
魚雷命中!
そして、ヨークタウンは沈没してゆきました。
やむを、
やむを得ん・・・
悔しがるニミッツ長官ですが、それでも空母損失は「日本4隻に対し米国は1隻」となりました。
「勝つことを目的」にした米海軍の大勝利でしたが、最後の最後で一矢報いた日本海軍。
・全力を尽くして、全てを投入する気持ちで
・渾身の一矢報いて、合格目指す
これらの日米海軍の将兵たちの死闘から、学ぶことは多いでしょう。