日本文化に触れる〜住まいと日本の文化・木造と鉄筋コンクリート造・木造建築の良さと問題点・明暦の大火・関東大震災・木造軸組建築の木の柱と梁を体感・仙巌園〜|文化と歴史

前回は「船に乗る経験〜子どもには旅をさせる・視野・見聞を広げる・国内で船に乗る体験・島国日本を実感・長崎–五島の船に乗る体験・海を体験〜」の話でした。

目次

日本の文化

仙巌園(新教育紀行)

今回は、日本の文化に触れる体験の話です。

日本の文化、特に古来からの文化というと様々なこと、ものがあります。

能・狂言は
日本の文化だよね!

浮世絵も江戸時代に
流行った日本の文化だね!

和食も結構世界で
人気があるって聞いたよ!

欧米に比べて「宗教に対して淡白」と言われる日本人。

それでも仏教はインドから伝わった宗教ですが、神道は日本古来の宗教です。

このように、2000年以上の歴史を持つ我が国・日本には実に様々な固有の文化があります。

文化・芸能、食事、宗教など多岐に渡りますが、今回は住まい・建築の話です。

ご存知の方は多いと思いますが、日本古来の建築様式は木造建築です。

現代も、戸建住宅などでは、多くの方が木造建築に住んでいるでしょう。

一方、特に都心部などでは、鉄筋コンクリート造のマンションに住んでいる方も多いでしょう。

うちは
ずっとマンションだよ!

私は戸建て住宅だけど、
多分木造だと思う・・・

住まいと日本の文化:木造と鉄筋コンクリート造

蚕糸の森アパートメント(新教育紀行)

最も身近な「住まい」において、なかなか「日本古来の木造建築らしさ」を感じるケースは少ないです。

鉄筋コンクリート造では、床材・フローリングに無垢の木材が使われることもあります。

ところが、ほとんどのマンションの床材・フローリングは、新建材と言われるビニル製の製品です。

豊島の家( 新教育紀行)

木造軸組の住宅であっても、構造である木材の柱・梁が、石膏ボード等に覆われることが多いです。

あるいは、ハウスメーカーなどで作られる「木造」には、ツーバーフォーという米国由来の木造があります。

このツーバイフォーは、柱・梁の日本古来の木造とは大きく異なります。

「パネル状の木造」である「ツーバイフォー工法」は、もともと日本の建築様式にはない工法です。

このため、なかなか「日本古来の柱と梁の木造建築本来の空間」に触れることは少ないのです。

木造建築の良さと問題点:明暦の大火・関東大震災

仙巌園(新教育紀行)

非常に美しく、特に日本人の心に馴染む木造建築。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の方が「頑丈な印象」があるかもしれませんが、実は木造も強いです。

じゃ、
木造がいいね!

木造には沢山いいこともあり、最近は大規模な建物の木造で作られる傾向が増えています。

江戸時代から明治時代中期くらいまでは、日本の建物は「ほとんど木造」でした。

それが大きく変わったのは、「木造の致命的な問題点」があります。

木造の問題点って
何だろう・・・

木造って、
すぐに燃えちゃいそう・・・

木造建築は「燃えやすい」のが、非常に問題でありました。

明暦の大火(Wikipedia)

江戸時代初期の1657年に起きた「明暦の大火」では、江戸の大部分が消失する大惨事となりました。

3万人から10万人ほどの方が、亡くなったと伝えられています。

明暦の大火:消失範囲(新教育紀行)

江戸の中心部が、ほとんど消失したと言っても過言ではない大惨事となりました。

この後、何度か大きな火事に見舞われた日本の首都・江戸。

明治維新の立役者たち:左上から時計回りに木戸孝允、岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛(Wikipedia)

明治維新を迎え、「西洋化を推進」する新政府のもと、鉄筋コンクリート造の建築が建てられました。

鹿鳴館(Wikipedia)

とは言っても、鉄筋コンクリート造は、鹿鳴館など非常に限られた建物でした。

多くの住まい・建物は、まだまだ「ほとんど木造建築」だった日本。

関東大震災(Wikipedia)

そして、1923年には関東大震災が発生し、木造建築はほとんど消失しました。

この時、鉄筋コンクリート造の高い耐火性能に目をつけ、鉄筋コンクリート造を強く推進した人物。

復興院総裁 後藤新平(Wikipedia)

こんなにすぐに燃えてしまう
木造建築では、都市はつくれない!

まずは東京の中心部から
鉄筋コンクリート造にしてゆくのだ!

その後、戦後の「欧米文化を吸収する姿勢」もあり、鉄筋コンクリート造は急増しました。

木造軸組建築の木の柱と梁を体感:仙巌園

仙巌園(新教育紀行)

耐火性能抜群で頑丈な鉄筋コンクリート造。

対して、耐火性能は非常に低く、華奢な印象がある木造建築。

木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造には、それぞれ良い点があります。

そこで、日本古来の文化である木造軸組の建築を、訪れて実際に体験・体感してみましょう。

特に小学生・中学生・高校生の方におすすめしたいです。

写真に挙げているのは、鹿児島県の仙巌園です。

仙巌園(新教育紀行)

1658年〜1661年に「薩摩藩主の別邸」としてつくられた仙巌園。

その後、幾度か拡張があり、現代の規模になりました。

非常に大規模で豪華な木造邸宅である仙巌園の御殿。

この御殿は、明治期には迎賓館として海外要人が宿泊することもありました。

仙巌園(新教育紀行)

日本の庭の景色を取り入れる障子など、伝統的木造建築の良さがたくさんあります。

仙巌園(新教育紀行)

御殿の中庭に位置する庭園は、池があって、日本らしい雰囲気に包まれています。

仙巌園(新教育紀行)

目の前に雄大な桜島を望める庭園。

薩摩藩出身の幕末〜明治の威人(偉人)たち: 左上から時計回りに、西郷隆盛、大久保利通、大山巌、東郷平八郎(Wikipedia)

この桜島を見て奮起した薩摩隼人たちは、幕末〜明治期に重大な役割を果たした方が多いです。

日本の文化を感じられ、歴史をよく知るには、とても良い仙巌園。

鹿児島中心部から、バス・車で15分ほどにあり、子どもも大人も楽しめます。

お近くに住む方、旅などで行く方はぜひ訪れてみてください。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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