具体的イメージの大いなる力〜頭の引き出しを整理するイメージ・稲盛和夫とセラミックス・大きな失望から飛躍へ・極めてクリアなイメージ〜|中学受験・高校受験・大学受験

前回は「受験生の「伸びる」勉強法・学び方〜算数・理科・社会・国語を「出来ない」から「出来る」へ〜」の話でした。

目次

頭の引き出しを整理するイメージ

思考の引き出しを整理(新教育紀行)

例えば、中学受験の算数だと、旅人算・てんびん算などの様々な考え方があります。

これらの「基本的考え方」に加えて、様々な問題のトレーニングを積んで学力を上げてゆきます。

その時、トレーニングを積んで「頭脳の筋力をアップ」する学び方が良いでしょう。

この「頭脳の筋力アップ」は「腕や脚の筋力をアップ」と同様です。

「問題のトレーニング」を「解法パターンを学ぶ」という姿勢で考える勉強法もあります。

思考の引き出しを整理(新教育紀行)

その場合、「今持っている引き出し(解法パターン)を増やす」学び方になります。

本質的には、「頭脳の筋力を上げる」学び方が望ましいです。

男子小学生

具体的には、
どのように勉強すれば良いの?

女子小学生

どう勉強したら、
頭の筋力って上がるんだろう・・・

大学受験生の高校生は、自発的に「頭脳の筋力を上げる」学び方が出来る方もいるでしょう。

中学受験の小学生が、自発的に「頭脳の筋力を上げる」学び方をするのは極めて難しいでしょう。

男子小学生

え?
じゃ、無理なの?

女子小学生

なんとか、頭の筋力を
上げてみたいけど・・・

塾などでの教わり方にもよりますが、「考え方の引き出し」を整理するように学んでみましょう。

思考の引き出しを整理(新教育紀行)
男子小学生

引き出しを整理する、
って難しく感じるけど・・・

まずは、「ひたすら沢山の問題を解く」ようにしないことが大事です。

そして、「基本をしっかり理解」して、応用問題は「一題一題きちんと理解する」ようにしましょう。

特に、小学校6年生の10月頃以降は「一題一題しっかり」が大事です。

そのような姿勢を持って学ぶと、「引き出しを整理する」姿勢が身につくでしょう。

具体的イメージの大いなる力:稲盛和夫とセラミックス

武蔵中学・高校の「すすぎ川」(新教育紀行)

これまで「イメージをもつ」大事さの話を何度かしました。

「受験で合格する」ためにも、「志望校に通うイメージ」を持つことが大事です。

「イメージを持つ」というと、「芸術に属する特殊な人」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

実際には「具体的イメージを持つこと」は、多くの方にとって大事です。

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京セラ創業者 稲盛和夫会長(Wikipedia)

著名な経営者・セラミックスの研究の第一線にいた稲盛和夫。

亡くなってしまいましたが、非常に優れた経営者であり、卓越した技術者でした。

優れた経営者・技術者だけではなく、人格的にも極めて優れていた稲盛氏。

稲盛は「生きる」などの著書で、「生き方」「考え方」を稲盛独自の視点で語っています。

筆者は「生きる」を何度も読んで、大きな感銘を受けました。

広島への原爆投下(Wikipedia)

1932年生まれの稲盛は、13歳の時に敗戦を迎えました。

若い頃に大病をするなど苦学して、1955年に鹿児島大学工学部を卒業した稲盛。

戦艦大和(Wikipedia)

戦艦大和・零戦などを生み出した日本の技術は、当時世界有数の優れたレベルでした。

それでも、米国やドイツなどの科学技術の方が、日本のはるかに先を行っていたのは事実でした。

そして、敗戦10年後に大学を出た稲盛は、

稲盛和夫

我が日本は敗戦国で、
一度は焦土と化した・・・

稲盛和夫

我々若者が、日本を
再興させるのだ!

稲盛たち、非凡な若者たちがガムシャラに頑張って、戦後「日本を復興させよう」としていました。

大きな失望から飛躍へ:極めてクリアなイメージ

New Educational Voyage
鹿児島(新教育紀行)

鹿児島大学卒業後、碍子メーカーに勤務した稲盛。

稲盛和夫

頑張って成果を出しているけど、
独自の技術で勝負したい!

心機一転、独立した稲盛。

稲盛が独立した際には、

後輩

稲盛さんに
ついて行きます!

稲盛の持つ技術と人柄に惚れ込む人が多数いて、彼らは「ついて行った」のでした。

それらの方々と共に1959年、京都セラミック(現、京セラ)を設立した稲盛。

稲盛和夫

我らで新たな製品を
作って、世界に貢献するぞ!

その後、独自の技術で急成長した、新興企業・京都セラミック。

そして、

稲盛和夫

海外にも
「日本の製品」として我が社の製品を売りたい・・・

こう考えた稲盛。

現在「メイド・イン・ジャパン」と言うと「高品質」の代名詞です。

ところが、「メイド・イン・ジャパン」は戦後時点においては、

米国人A

おいおい、Made in Japanって、
そんなの大丈夫か?

米国人B

Japanって、
Asiaの大した国じゃないだろう・・・

米国人A

良い品質はUSかEuropeの
ものでないと・・・

米国人B

Japanの製品なんて不安だし、
「安かろう・・・」だろうよ・・・

当時は「敗戦国」でもあったので日本に対しては、この程度の認識だったのでした。

その中、

稲盛和夫

我が会社を発展させるには、
外国から受注を受けることが大事だ!

そして、稲盛が目をつけたのは、当時ダントツの世界最強国・米国。

稲盛和夫

こんにちは!
Japanのセラミックメーカーです。

稲盛和夫

御社の製品を
ぜひ作らせてください!

米国に自ら営業活動に行った稲盛。

日本ならば、

日本人

京都セラミックス(現・京セラ)?
知らないね・・・

紹介状でもないと、門前払いになります。

ところが、とにかく「優れたモノ」「優れた人物」を求め続ける米国は違いました。

米国人A

Kyotoにある
Kyoto Ceramics?

米国人A

聞いたことないが、
Japanの、どんな会社だ?

米国人A

ああ、あのKyotoにあるのか?
まあ、話は聞こう・・・

Kyoto大好きであった米国人のヘンリ・スティムソンの話を、上記リンクでご紹介しています。

まだ当時、超無名であった京セラに対して、

米国人A

OK! この製品を作れるなら、
業務を発注しよう・・・

なんと、超有名企業であったIBMから発注を受ける可能性が生まれました。

稲盛和夫

よし!
我が社の技術を世界に!

大いに勇み、喜ぶ稲盛。

ところが、その喜びも束の間、大きな失望へとなります。

稲盛和夫

なんだか、ずいぶん
分厚い仕様書だな・・・

当時、簡単な図面数枚だった日本の要求と比較し、「仕様書が本一冊」のようだった米IBM。

真珠湾で修理される米空母ヨークタウン(歴史群像2002年2月号 学研)

実際、米国と日本の科学技術の差は大きかったのでした。

ミッドウェー海戦の時にも、日本では考えられない高レベルの様々な技術を有していた米国。

稲盛和夫

なんだ、
この精度は・・・

当時の日本の一般的な考え方に対して、「米IBMの異常に高い精度」に驚愕した稲盛。

稲盛和夫

この精度は
異常に高すぎる・・・・・

稲盛和夫

我が国では
考えられないレベルだ。

ここで、稲盛は考えました。

稲盛和夫

これは
諦めるか・・・

稲盛和夫

いや、IBMとの
取引を受ければ、会社は急成長するはず!

稲盛和夫

頑張って、
やってみよう!

セラミックスを焼成する過程で、稲盛をはじめとする京セラの社員は、実に様々な試行錯誤をしました。

実物が成功する前に、稲盛の頭の中にあったもの。

それは、「極めてクリアな完成イメージ」でした。

稲盛和夫

このイメージで
いけるはずだ!

稲盛和夫

こうすれば、絶対に
上手くいくはずだ!

稲盛和夫

あとは
念ずるのみ!

稲盛和夫

・・・・・

京セラ社員

稲盛さん、
出来ました!

稲盛和夫

出来たか!
よしっ、IBMへ持ってゆこう!

そして、IBMの「異常に高い精度」の製品を見事に製作成功した稲盛・および京セラ。

稲盛和夫

出来ました!
確認してください!

米国人A

ああ、この間の
Japanのメーカーか・・・

米国人A

ちょっと待ってくれ、
チェックしよう・・・

そして、製品をチェックしたIBMの担当者は驚きました。

米国人A

OK! Great!
素晴らしい製品だ!

米国人A

この製品ならば、
大量に発注しよう。

稲盛和夫

有難う
御座います!

こうして、稲盛たち超一流の技術者は「大ピンチを大チャンスに変えた」のでした。

そして、「町工場だった京都セラミックス」は、「世界の京セラ」に成長しました。

電気・電流の考え方:電池の並列つなぎ(新教育紀行)

勉強の際にも、「出来るイメージ」をしっかり持って、

男子小学生

こうして、一つ一つ学んで
ゆけば、出来るようになるはず!

女子小学生

電気は、描いて考えたら
分かるようになってきた。

と考え、電気でも図形問題でも描いて学んでみましょう。

次回は上記リンクです。

新教育紀行

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