前回は「ウクライナ戦争と日露戦争に関する問題〜世界の国々・ウクライナとNATO北大西洋条約機構・ロシアと極東日本・日露戦争の戦場と日本陸軍の戦い〜」の話でした。
ウクライナ戦争と日露戦争に関する問題
日露戦争の日露陸軍激突の場所:国家の位置から想像
1904年〜1905年に起きた日露戦争。
この後に、第一次世界大戦、第二次世界大戦に至りますが、世界中が注目した大戦争でした。
(ア)-中国(中華人民共和国)
(イ)-モンゴル
(ウ)-ロシア(ロシア連邦)
(エ)-カザフスタン
(オ)-ウクライナ
(カ)-ベラルーシ
(キ)-フィンランド
(ク)-米国(アメリカ合衆国)
(ケ)-英国(イギリス)
(コ)-フランス
・B
・日露戦争は日露両国の間に位置する中国北東部・朝鮮半島が戦場になった
「第0次世界大戦」とも形容される大戦争だった日露戦争。
現在から117年前のことで、「それほど昔のことではない」歴史です。
この時、日露陸軍が衝突した地域は「Bの地域」であることを前回考えました。
Bの地域は、どのような地域でしょうか。
日本でもロシアでも
ないよ。
現在の中国・北朝鮮・韓国
のエリアだわ。
そうですね。
この大きな理由は、当時ロシアが中国の旅順などの地域を租借(事実上支配)し、巨大な要塞を築いていたことです。
そして、日本・ロシア双方として「自国には攻め込まれたくない」という思惑があります。
そこで、「日露両国の間」である「中国・北朝鮮・韓国(当時は北朝鮮と韓国は朝鮮で一国)」で戦ったのでした。
これは、「戦った地域(中国・北朝鮮・韓国)の方々」から見るとどうでしょうか?
大変な
ダメージだよね。
自分達は「関係ない」のに、
自国を戦場にされたら、とても悲しい。
日本とロシアは、これらの国々に大変な損害を与えた事実があります。
第二次世界大戦の日本
第二次世界大戦で、アジア諸国を侵略した日本(大日本帝国)。
最大支配圏は、上の地図のように非常に広大な地域を占領・支配しました。
「海の支配圏」で東側ミッドウェー島付近が窪んでいます。
これは、当時の連合艦隊が「ミッドウェー海戦」で大敗北を喫した事実です。
そして、以後進出することが出来なかったことを示します。
上の地図では、中国の一部・北朝鮮・韓国からタイ・ビルマ(ミャンマー)・フィリピンなどを支配しました。
このことが、現在までずっと尾を引いており、日本を極めて強く非難する国がいくつかあります。
NATOとワルシャワ条約機構:時事問題と歴史
ロシアにとっては、「西からどんどん加盟国が増えている」NATO。
ロシアにとっては「自国の生命線を脅かす脅威」と考えています。
第二次世界大戦が終了して4年後の1949年、英国・フランス・イタリアなどの国がNATOを設立しました。
「連合してロシア(ソ連)に対抗する」ことが目的であり、それほど当時のソ連の軍事力は脅威でした。
設立当初から、ずっと欧州中心である「NATO」。
実際、加盟国のほとんどは欧州です。
本質的にはNATOの中心は欧州ではなく、米国であるのが実情です。
そして、「米国あっての機構(軍事同盟)」と言えます。
むしろ「米国が不在」だったら、ロシアはNATO軍相手に戦争を仕掛ける可能性があります。
それほど、「米国がNATOの要・重石」になっている事実があります。
これに対し、ソ連(ロシア)は「NATOに対抗する機構(軍事同盟」を築きました。
1955年設立のワルシャワ条約機構です。
ワルシャワ条約機構は、旧ソ連崩壊の1990年に解体しました。
ワルシャワ条約機構の加盟国を見てみましょう。
ドイツの東半分であり、当時の東ドイツ・ポーランド・そして現在のウクライナ(旧ソ連)なども入っています。
1990年は32年前ですが、それほど昔のことではありません。
僕は、この年の1990年に武蔵中学に入学しましたが、当時12歳です。
多くの日本人の方で、この頃に物心ついた年齢以上であった方もいらっしゃるでしょう。
この意味では、ロシアにとっては「たかだか32年前に一緒だった仲間達」なのです。
その「仲間たち」が、次々と敵対勢力(NATO)に加っている事実。
これは、「ロシアにとっては絶対に容認できない事態」とも考えられます。
ウクライナ戦争発端の理由は、他にも様々ありますが、大きな理由は「NATOとワルシャワ条約機構」です。
「時事問題」というと「今年に起きた事象・事柄」でありますが、必ず「歴史的な連続性」があります。
中学入試の時事問題では、様々なニュース・新聞などで「知識を蓄える」ことに目がむきがちです。
志望する学校の出題傾向にもよりますが「ただ暗記」だけではなく、「事柄の理由」なども考えてみましょう。
上記のような内容は、「暗記」として出題される可能性は低いと考えます。
それは、大人ですら「知っている人は少ない」ことを小学生に要求する姿勢がおかしいからです。
一方で、「文章で事実を説明された上」で、理由や意見を尋ねる出題は大いに可能性があります。
麻布・武蔵などを受験する方は、「なぜ?」や「自分はどう思うか」を考えながら、時事問題に触れましょう。
次回は下記リンクです。