前回は「電気・電流の実戦的問題の考え方 1〜電気の明るさ・電圧と電流・電圧と電流のイメージ・電圧が電流を流す・電圧と電流を描く・流れる電流をイメージ・電圧:電池で電流が「上がる高さ」をイメージ〜」の話でした。
電流が分かれるところ:流れる電流をイメージ
続けて、図3の回路を考えます。
一つの電池で、電圧が①上がります。
電流が流れて、二つに分かれる線があります。
電線が分かれるところは、基本的に電流が流れます。
ここで、四角で閉じた回路を考えましょう。
閉じた回路は、三角でも四角でも丸でも同じです。
そして、「閉じた回路の両端で、電圧が同じ」です。
まず、この回路には、電圧がかかっていません。
確かに、電池とかが
ないね。
電圧が「かかっている」か「かかっていない」か考える
上の図の赤線の部分は、電流があると「電流x抵抗(1)」の電圧が下がる(電圧降下)が発生するはずです。
電圧がかかっていないため、電流=0となります。
電流を主役に考えると、このように「電流が流れない理由」が不明瞭になります。
「電圧が主役」であれば「かかる電圧」や「下がる電圧(電圧降下)」を考えると良いです。
すると、最初に考えた「電線が分かれるところで、電流が分かれる」は、この回路では起きません。
そのため、「電池一つに電球(抵抗)一つ」となるので、流れる電流が求まります。
図4に行きましょう。
直列電池は、「電流が次々持ち上げられる」ので、2倍の電圧がかかります。
電流が流れてゆき、一つの電球(抵抗)の後に、三つに分かれる点があります。
ここで、「電流が分かれる」イメージを描きましょう。
そして、この緑色の「閉じた回路」を考えましょう。
それぞれに電流が流れると考えると、一番上の電線は抵抗がないので、電圧が下がりません。(電圧降下0)
自分が「流れる電流」になるイメージ:抵抗は避ける
他の二つの電線では、電球(抵抗)があるので、電圧が下がります。
この場合、「電圧が下がらない」と「電圧が下がる」の二つが考えられます。
ところが、「閉じた回路の電圧が上がる・下がる分は同じ」なので、おかしいです。
2つのパターンが
考えられる、ってことかな?
でも、その場合、
「答えは2つ」ということ?
特殊な状況でない限り、理科の状況で「2つの状況が発生しうる」ことはありません。
じゃ、どっちに
なるのかな・・・
この時、電流はどうなるか、イメージしてみましょう。
または、「自分が流れる電流になった」ことを考えてみましょう。
私が「流れる電流」になった
イメージ?
電熱線(電線)の抵抗を考えたときに、「電流が抵抗を受ける」イメージを考えました。
それと同じように、「電流が抵抗を受けない」と「ググッと抵抗を受ける」イメージを考えましょう。
電流は「抵抗がない方がラク」です。
電流も人間も動物も一緒で、みんな「抵抗は嫌」なのです。
そこで、流れる電流は、
こっちには、抵抗があって、
あっちには抵抗がないから・・・
抵抗がない方に
行こう・・・
このように「抵抗が少ない・ない方が良い」と考えて、
抵抗がある方(電線)には、
行かない!
こう考える電流は、抵抗がない電線の方に流れます。
すると、電流が受ける抵抗は、最初の一つの電球(抵抗)だけになるので、電流が求まりました。
これで、全ての回路の電流が求まったので、まとめましょう。
実際の試験でも、上のように電流を書き込むと良いでしょう。
上下や、電流が流れない電球を選んで、答えになります。
このように、電気・電流・回路の問題は、「電圧を主役にして、流れる電流を描く」と必ず出来ます。
そして、「閉じた回路(三角・四角・丸でも図形は何でも)」での両端の電圧は必ず同じです。
閉じた回路で、「電圧は上がった分だけ下がる」のが法則です。
この法則をしっかり理解して、回路の問題を考えてみましょう。
そこで、自分で「閉じた回路」を考えてみて、
この両端の電圧が同じだから、
電流がこうなって・・・
こう考えれば、どのような回路が出ても解けるようになります。
すると、「電気の問題は全部解けるようになる」ようになるでしょう。
てこの「回転する力(モーメント)」を考えたとき、色々な点を支点に考えました。(上記リンク)
この時のように、「ただ問題を解いて終わり」だけではなく、回路でも支点で自分で考えてみましょう。
この閉じた回路は、
どうなっているかな・・・
この閉じた回路でも、
電圧が同じだから・・・
回路をパターン暗記して、「この場合は、こう考える」と覚えようとすると、つまらなくなります。
「つまらなくても、問題が解ければ良い」かも知れません。
一方で、理解して考えた方が「楽しくて、ちゃんと解ける」傾向があります。
当日の試験で出来れば良いですが、少し変わった変化球の回路や電気の設定があると、
これって、何の回路の
パターンだったかな・・・
「どのパターンか困ってしまう」ことがあります。
「電圧が主役で、流れる電流を実際に描く」ことをぜひ、やってみましょう。
模試で出来なかった電気などの問題があったら、もう一度やってみましょう。
前に
一回復習したよ。
「しっかり出来るようになること」が大事なので、もう一度やってみるとう良いでしょう。
ぜひ、もう一度やってみて、出来なかった場合はしっかり復習してみましょう。
そして、「試験当日にしっかりできる」ようにしましょう。
次回は下記リンクです。