前回は「子どもたち・受験生たちが校風を感じる文化祭〜日頃の教室で過ごす子どもたち・中高生が「何かを達成する」ことを体験・文化祭を「生み出す」経験〜」の話でした。
文化祭を作り上げるプロセスで得られること:仲間と修羅場を経験
2024年春に母校である武蔵中学・高校の記念祭(文化祭)に、10年以上ぶりに訪問しました。
久しぶりだな・・・
所属していた物理部はどんな感じだろう・・・
中高生だった頃に、毎年毎年「燃えていた」のが記念祭(文化祭)での展示・発表でした。
久しぶりに子どもと一緒に中高の文化祭を訪問したら、
文化祭に行くのも
なかなか面白いな・・・
こう思った筆者は、文化祭を調べてみて、続いて麻布中高と栄光中高の文化祭を訪問しました。
両校とも文化祭訪問は初めてであり、新鮮な驚きもたくさんありました。
大学生の時も「〜祭」はありますが、大学の学園祭は文字通り「お祭り」的イメージが強いです。
「何か理由をつけては飲み会・コンパを開催する」サークル活動では、楽しむことが重要です。
「日頃、どの程度真面目に勉強しているか」にもよりますが、サークルや学園祭は良い息抜きです。
対して、中高の時の文化祭は、そのイメージは所属する部活や関わり方にも大きくよります。
学内生であっても、特に部活などに所属してなく「文化祭を訪問する側」であれば、
〜部の連中は
どんな展示をやっているんだろう・・・
いわば「お客さま」的視点で訪問するので、気楽かもしれません。
それに対して、文化部など「研究発表する側」としては、「楽しむ」気持ちには到底なれません。
自分達の研究をある程度まとめ上げて冊子を作り、さらに発表するパネルや展示空間を作ります。
今年の武蔵中の物理部では、筆者の頃と大きく違い、展示空間はシンプルでした。
筆者の頃は、内装・外装部に分かれて大量の模造紙を貼って「展示空間を作り出す」事をしてました。
そして、記念祭(文化祭)間際になると、
おいっ!
もっと早く作業しないと終わらないぞ!
そんなこと言ったって、
君が研究まとめるのが遅いからじゃないか!
なんだって!
俺だって一生懸命やっているんだ!
こんな感じで先輩・後輩、あるいは同級生同士で、かなり険悪になることもありました。
A.生徒たちが一緒に何かを成し遂げる・作り上げる経験
B.文化祭という一つの大イベントをを「生み出す」経験
C.部員や委員会など集団活動で、自分の力を活かす体験
当事者にとっては、「楽しむ」どころではなく「修羅場」でしかない面もあるのが記念祭(文化祭)です。
その「修羅場」を同級生や仲間と通過して、切り抜けたこともまた、一つの成果になります。
後から考えれば、そういう「同級生と揉める」こともまた「成長に必要なこと」の一つなのでしょう。
子どもたち・受験生たちが校舎と校地を体験できる文化祭
このように、中高生たちが「ど真剣」に取り組んでいる文化祭は、エネルギーに満ち溢れています。
京セラ創業者であり、日本航空再生などにも尽力した稲盛和夫。
極めて優れた経営者であった稲盛は、何よりもまず抜群に優れた研究者・技術者でした。
このイメージで
いけるはずだ!
「極めてクリアな完成イメージ」を持って、新技術を次々開発した稲盛。
「ど真剣」で学びや仕事に
取り組む姿勢が大事だ!
稲盛は「ど真剣」の大事さを強調しています。
周りが引くくらいの「ど真剣さ」で、中高生は文化祭を乗り切ってみるのも良いでしょう。
A.自校が志望校となりうる受験生本人・親に対して、校風を知ってもらう機会
B.受験生・親などに対して、学校説明を兼ねた説明会開催の機会
C.教育界・学外関係者に対して、自校の「ありのままの姿」を知ってもらう機会
そして、文化祭の対外的な意義として、「子どもたち・受験生たち」への視点が重要です。
「子どもたち・受験生たちに校舎と校地を感じてもらう」ことが最も大事だと思います。
そのためには学校関係者の方々には、ぜひ校舎と校地を「出来るだけ開放」して欲しい。
校舎・校地の開放には、「不特定多数の方が訪問」することによる「管理上の問題」が重要です。
この「管理上の問題」は先生方が責任を持ちますが、出来るだけ中高生に任せると良いでしょう。
そして、適宜、先生方が時々チェックする姿勢が望しいです。
栄光ほど広くないですが、「自然広がる公園のような校地」である武蔵中高。
「校内に川がある」不思議な校地を持っている武蔵の校舎と校地は、
僕たちの学校には
川があって、たくさんの木があるんだ!
この「類い稀な学校環境」は全ての武蔵生たちの誇りです。
ところが、記念祭(文化祭)の際は黄色いテープが貼られて、一部「立ち入り禁止」となっていました。
なぜ、こんなもの(テープ)
貼るんだろう・・・
武蔵卒の筆者は、大変残念に思いました。
なぜ、って、川があるから
危ないだろう!
武蔵中高の教職員や関係者は「川は危険だから黄色いテープ」と主張するかもしれません。
ところが、この川(濯ぎ川)をよく知っている筆者の視点からすれば、
この川では「溺れる」ことは
不可能だから、いらないだろう・・・
「溺れる可能性がゼロ」(乳児を除きます)である以上、このような黄色いテープは不要です。
確かに「水は危険」ですが、「危険な箇所」を挙げれば校舎は「至る所が危険」となります。
川がある学校は東京付近では武蔵中高だけでしょうから、「川は例外」かもしれません。
確かに「管理上・保安上の安全確保」は最重要ですが、「学校・校地の雰囲気を壊す」のは問題です。
そして、景観上も「かなり悪い」ことは、とても良くないことです。
A.出来るだけ校舎・校地を開放して、来校者に「ありのままの学園」を体験してもらう機会
B.管理上・保安上の安全確保は、中高生に見回り等任せ、生徒が学校をよく見る機会
C.在校生が校舎・校地を改めて見て、何かを発見する機会
文化祭に、特に主体的に関わらない学生も大勢いると思われます。
文化祭で展示等に
関わらない者には・・・
グループになって、
校舎・校地内を見回ってもらいたい。
「手の空いた中高生」に、校舎・校地内を見回ってもらうのも良いでしょう。
在校生にとっては、
僕たちは、毎日学校に行っているから、
校舎も校地もよく知ってますが・・・
こう思っていても、改めて「安全管理で校舎・校地内を見回ってみる」と、
あっ、ここって
こんな風になっていたんだ・・・
こういう「新たな発見」がある可能性も高いです。
「分かっている」と思っていることも、実は「分かっていない」ことが多いことがよくあります。
このような「身の回りの再確認による新発見」は、好奇心を育て思考力を高めるでしょう。
ぜひ、文化祭を開催する中高教員・関係者の方々には、「学校を広く開放」することを考えて頂きたい。
それは、一石二鳥にも三鳥にもなりうると考えます。
次回は上記リンクです。