前回は「子どもたち・受験生たちに楽しんでもらう文化祭〜飲み物は早く+たくさん・文化祭の意義と学生たちの学び・対内部的意義と対外部的意義〜」の話でした。
中高生が「何かを達成する」ことを体験:文化祭を「生み出す」経験
9月から11月ごろにかけて、日本で最も多くの中学・高校の文化祭が開催されます。
A.生徒たちが一緒に何かを成し遂げる・作り上げる経験を得る
B.学外の方々と接点を持つことで、多様な視点を得る
C.同級生の部活動の成果を見て「普段と異なる」同級生の姿を知る
文化祭・記念祭という年に一回の祭りを開催する意義は様々あり、上記が最も多いと思われます。
「対内部・内部的視点」の意義は、他にもあるかもしれませんが、教育理念・校風によると思います。
物理部という文化部に所属していた筆者は、年に一回の記念祭(文化祭)が楽しみでした。
武蔵中高では「4月の武蔵創立記念日」に開催するので、文化祭・学園祭ではなく「記念祭」と呼びます。
毎年2月ごろから、4月開催の記念祭の準備向け、
一生懸命でした。
1990年代に中高生だった筆者と、現代の中高生では文化祭・記念祭に対する視点が異なるかもしれません。
記念祭を実行する学生部隊は「記念祭実行委員会」という組織があり、それに有志は参加しました。
文化部は「自分達の展示で手一杯」なので、実行委員会は「遠くで見る」存在です。
各学校の教育理念・考え方にもよりますが、「中高生に文化祭運営を任せる」のが良いでしょう。
A.生徒たちが一緒に何かを成し遂げる・作り上げる経験
B.文化祭という一つの大イベントをを「生み出す」経験
C.部員や委員会など集団活動で、自分の力を活かす体験
これらの「何かを達成する」体験は、机の上の学びでは絶対に得られないものです。
運動部の方々の中にも、カフェなど独自の展示をする方が大勢います。
自分達の生み出す展示・空間に対して、高いクオリティを求める姿勢も大事で、
この研究発表は、
こういう内容をこのように発表したい!
まあ良いんだけどさ、
それは本に書いてあることだけじゃないか?
僕のこの研究が
「つまらない」と言うのか?
研究発表に対する様々な議論を部員同士、時には顧問の先生も入って侃侃諤諤行いました。
時には、部員同士が超険悪な感じになったり、いいヒントを貰って感謝したり、もありました。
この論理はちょっと
飛躍しすぎではないか?
あの、先生、この部分は
このように解釈することが可能と考えます!
百歩というか、千歩譲って、
そうだとしよう・・・
なぜ、僕の考え方が
「千歩譲って」になるんだ?
遥かに知識や経験が高い顧問の先生からの「有難い指摘」に対して、若い中高生は反発も感じます。
いずれにしても、何らかの形で「文化祭を生み出す経験」に関わることは大事でしょう。
この点において、「部活必修」としている栄光中高の教育理念には強く共感します。
上記リンクでは、栄光中高の部活必修の教育をご紹介しています。
子どもたち・受験生たちが校風を感じる文化祭:日頃の教室で過ごす
若い中高生たちが、思い思いに一生懸命、自分達のやりたいことを展示・演出する文化祭。
A.自校が志望校となりうる受験生本人・親に対して、校風を知ってもらう機会
B.受験生・親などに対して、学校説明を兼ねた説明会開催の機会
C.教育界・学外関係者に対して、自校の「ありのままの姿」を知ってもらう機会
文化祭・記念祭には、「対外部の意義」もあり、「将来の志望者=小学生」に対する視点も重要です。
前回は、中学受験生=小学生に対して、食事、特に飲み物の確保の重要性の話をしました。
今回は「食事をする場所」の話です。
大勢の方が来校する文化祭では、「食事スペースの確保」も非常に重要です。
「校地の広さ」も影響しますが、気持ちよく食事できる空間の確保が望ましいでしょう。
栄光中高の校地は、
このあたり一帯です!
あの裏山は栄光では
ないようですが、よく行きます!
とにかく広大すぎる栄光中高では、食事の提供が際立っていて、広い芝生で思い思いで食事できました。
このように、校地を出来るだけ開放することは、とても良いことです。
管理上の問題もありますが、「ありのままの中高の雰囲気」を来校者に感じてもらうことは大事です。
東京都のど真ん中に位置し、栄光とは対極的に「校地が狭い」麻布中高。
麻布中高では、名物・油そばが提供されましたが、食事する場所は「教室内」でした。
このラーメン、
変わった味だね・・・
初めて食べる
味だけど、ちょっと美味しいかも・・・
初めて食べる「油そば」は、誰にとっても「不思議な味」でしょう。
この机って、あのお兄さんたちが
使っている机かな?
そうだね。
あのお兄さんたちが勉強している机だよ。
麻布中高としては、
油そばなどを
召し上がって頂くスペースは・・・
「中庭の一部」とはいかないから、
教室を開放しようか・・・
「スペースに限りがある」ために食事スペースに教室を開放したかもしれません。
一方で、この「教室を開放する」姿勢は、とても共感できました。
「教室を体験する」ことは展示空間でも出来ますが、展示空間は「日常とは異なる空間」です。
様々なパネルや展示物が掲示され、日頃の教室とは「全く異なる空間」です。
日頃の麻布中高生の
雰囲気が感じられる・・・
そのため、文化部などの展示する「いつもと違う教室」では、日頃の雰囲気が感じられにくいです。
一方で、この麻布中高の食事スペースは「ほぼ日頃の教室の空間」の状況でした。
麻布中高生は、いつも
この中庭からの自然光で学んでいるんだな・・・
中庭を中心とする校舎を持つ麻布中高では、いつも「中庭を中心とした中高生活」と思われます。
・日頃の教室の空間を来校者(小学生・親など)が体験できる
・来校者が少し一休みするの為にちょうど良く、飲食可であれば一息つける
・食後のゴミなどの管理は、ゴミ箱を大きくすれば日頃同様に出来る
教室(日頃の状況)を食事・休憩スペースとして開放することには、上記のような意義があります。
来校者、特に小学生と親にとって「日頃の教室の雰囲気を体験」出来ることは、非常に重要です。
中高の文化祭では、空いている教室の一部を開放して「食事・休憩スペース」することをお勧めします。
次回は上記リンクです。