前回は「より難易度の高い学校を子どもが目指したい時〜テンションを高く持ち続ける大事さ・「良い面」に目を向ける・第一志望校を目指す「明確な理由」をハッキリ・学校のイメージと個性〜」の話でした。
第一志望校に合格する大事な姿勢:偏差値より校風重視
中学受験・高校受験・大学受験において、志望校の確定は最も大事なことの一つです。
最初から、
僕はX中学校が
第一志望!
と決まっていれば、合格判定があまりに悪くない限りは初志貫徹するのが良いでしょう。
途中で、「ランクが上の志望校に変更する」方もいらっしゃるでしょう。
私、B中学校に
行きたいと思う!
あなたは、
B中学に本当に行きたいの?
元は「A中学校が第一志望」だった方が、「B中学校にどうしても行きたい気持ち」を持った時。
制服が可愛い感じで、
私好きだし・・・
本人が校風・カラーに憧れたならば、ランクアップ目指して頑張るのが良さそうです。
何か「好き」とか「楽しそう」という、強い肯定的印象を子どもが持つことは大事なことです。
文化祭行った時、
あの雰囲気がとっても好きだった・・・
それなら、頑張ってB中学を
目指してみようか!
うん。
頑張ってみるね!
この結果が「最終的にどうなるか」はもちろん大事ですが、本人の気持ちが高まることは極めて重要です。
誰しも、
もっと
上を目指したい!
と考えます。
それは中学受験生・高校受験生・大学受験生に限らず、社会人・大人も同様と思います。
受験する子ども、特に親は
「息子(娘)を
上の学校に行かせたい・・・
と考えると思います。
「上の学校」というのは多くの場合、「偏差値が上」の学校であることが多いのが事実です。
あるいは「大学受験の進学実績」の場合もあるかと思います。
単に「偏差値が高いから」と言う理由で志望校を変更することは、僕はお薦めしません。
学校の偏差値は「受験生本人の学力との比較の一つの指標」に過ぎないと考えます。
それよりも、志望校の校風と本人の相性の方が遥かに重要と考えます。
僕はX中学校に
どうしても行きたいんだ!
その方が、本人も最後までやり抜いて、第一志望校に合格する可能性が高まるでしょう。
偏差値重視の日本vs将来性重視の米国
中学受験に限らず、大学受験においても、
偏差値が
上の学校の方が良い・・・
という認識が広まっています。
日本の受験界・教育界では、「大学ランキング」ならば「大学受験の偏差値」が基準となります。
世界では米国・英国などの機関が「大学ランキング」を発表していますが、「偏差値が基準」はありません。
学校の教員数・教育レベルや、大学に所属する機関が発表した論文などがランク付けされます。
そもそも「基準が不明瞭」であり「分かるようで分からないことが多い」のが偏差値です。
そして、日本の「受験の偏差値」は「偏差値=ペーパー試験の学力」です。
もともとエッセイなどを課しており、ペーパー試験の比率が低かった米国の大学受験。
日本の大学受験のような「一発勝負のペーパー試験」とは大きく異なります。
さらに、一部で「SATなどのペーパー試験は不要」の方針を打ち出した米名門のアイビーリーグ。
米国人にとっては、
偏差値?
ペーパー試験の?
それって、
何か重要なの?
それよりも、
本人の将来性の方が遥かに重要でしょう・・・
という感覚でしょう。
この日本と米国の学問・学力に対する「大きなズレ」は、そのまま「国家の勢い」に結びついています。
「偏差値が上」が、受験生本人のモチベーションに繋がる場合もあるかもしれません。
僕は偏差値が高い
Y中学校を目指すぞ!
その場合は、「偏差値重視」もまた一つの考えかもしれません。
小学生の子どもたちにとっても、そうしたランキング・序列化は敏感に感じ取っています
私も
上の学校に行きたい!
と思うのが当然だと思います。
「たかが受験」という意見もありますが、一生懸命勉強して「上を目指す」姿勢は良いことです。
一方で、志望校を選ぶ際は「偏差値が上」のみを基準にせず、校風やカラーが最も大事です。
この学校は
合いそうかい?
うん!
結構好きかも!
受験生本人と、しっかり学校のカラーとイメージを考えることは大事です。
その気持ちが、「勉強への高いテンション」を持続するでしょう。
気持ちを固めて一路邁進:根本的方針と姿勢は不変
「志望校のことをしっかり考えることが重要」であっても、受験の時は気が逸ります。
もっともっと
勉強しないと・・・
どうしても「時間がない」と考えてしまう受験生。
子どもと
志望校の相性も大事ですが・・・
合格しなければ仕方ないから、
勉強してもらって、学力・偏差値を上げなければ・・・
と考える方もいらっしゃると思います。
学力上昇は最重要ですがも、しっかりと受験生本人には考えて欲しいと思います。
その事が、「勉強への強い意欲」と「高いテンション」をキープするでしょう。
そこで、受験生本人には、
私が
中学生になったら・・・
を考えてもらうと良いでしょう。
そして、「どんな生活が楽しみか」を考えるのも良いと考えます。
これらは、食事中やお風呂に入っている時間など「ちょっとした時間」にするのがお勧めです。
これらを考えることは、長期間となる受験期間を乗り切るには良いでしょう。
志望校などは受験最終学年の中頃までには、しっかりと決定しておいた方が良いでしょう。
志望校の入学試験に応じて、通う塾や対策などが大きく変わります。
塾や方針・対策などは、早めに決定するのが最も望ましいです。
決定したら基本的には迷わず、とにかく邁進してゆきましょう。
模試等の「合格判定」は誰しも気になります。
ところが、判定は「可能性でしかない」のもまた事実です。
途中で根本的方針を変更することは「最も避けるべき事態」です。
普通に、基本に忠実に戦えば「絶対に勝てたはず」のミッドウェー海戦。
方針が固まらず、途中で根本的方針変更である「兵装転換」に踏み切って大惨敗しました。
この「ミッドウェー」に関しては、諸説あり膨大な情報が書籍・ネットで出ています。
様々な意見がありますが、「方針を明確にして変えない」ことが最重要だったことは間違いありません。
受験と戦争は大きく異なりますが、「戦略・戦術を参考にする」ことは大事な視点です。
上の例で「途中で志望校を、自分が好きな学校に(偏差値)ランクアップ」は、方針の変更になります。
それだけに「大きな危険性」があります。
一方で、本人が、
私、どうしてもB中学校に
行きたいの!
という「強い気持ち」があれば、この「強い気持ち」が「大きな危険性」を超える可能性があります。
「強い気持ち」が「大きな危険性」を超える時、合格する可能性は高いでしょう。
そして、この「強い気持ち」を持続して学力を上げてゆけば、
とにかく、私が行きたい
学校に行けるように頑張る!
すると、合格に至るでしょう。
この場合でも、「自分の学ぶ姿勢」は変えない方が良いでしょう。
志望校の出題傾向・カラーに合わせて、「学ぶ対象」の変更は必要です。
それでも、「学ぶ姿勢の根本的変更」はない方が良いでしょう。
気持ちが固まれば、あとは、
とにかく
勉強して頑張ろう!
「一生懸命勉強して、学力をあげてゆくだけ」です。
こうした「本人の志望校合格への強い気持ち」があることが、受験突破の最も大事な姿勢と考えます。
日本における大学受験と比較すると、中学受験の方が「個性的でカラーが強い」と感じます。
それは、日本の大学のトップ校が全て「旧帝大=国立」であることが大きな要素でしょう。
試験当日に向けて「明確に気持ちを固める」ことは最重要です。
学力はもちろん大事ですが、最終的には「合格への強い気持ち」が中学受験の合否を決定づけると考えます。
本当に「合格したい」方は、なんとなく、
私の第一志望校は、
名門校だし、大学進学実績も良いし・・・
ではなく、
私の第一志望校は、
とっても雰囲気が好きで、合格したい!
という強い気持ちを固めることが、合格に向けて大事でしょう。
この志望校への「強い気持ち」こそが、学力を超える最後の最後で「最も強力な決定打」になるでしょう。