大学進学実績と中学受験〜各校の大事な教育理念とカラー・「のびのび本質的教育」と「大学進学実績」は相反しない〜|中学受験

前回は「30年前に中学入試した親と『今の中学入試』 2」の話でした。

目次

大学進学実績と中学受験

東京大学(Wikipedia)

最近、今年の大学受験の結果が様々なメディアを賑わせています。

「東大+京大+医学部」合格者TOP50校をまとめた記事で、おおたとしまささんが書いています。

以前も書きましたが、おおたとしまささんは好きな方で著作も数冊持っています。

中学受験するご家庭の親御様なら、このランキングは気になるのが当然です。

詳しくは記事をご覧ください。

記事において、

大学進学実績を残さないと、
優秀な生徒が集まらない現実があるので・・・

大学受験対策も
おろそかにはできない。

とあります。

「中学高校において、最も大事なのは大学進学実績ではない」としても、正にその通りです。

子どもを持つ親にとって、

うちの娘は、
どういう大学へ進学するのか?

が気にならないはずがないです。

おおたさんは大学進学実績や偏差値よりも「教育において、子供にとって何が大事か」を重視しています。

かねてから、僕は、太田さんのこの主張に対して非常に共感できます。

各校の大事な教育理念とカラー

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

記事内で、かつて開成や麻布で「受験中心主義であった時代」を振り返っています。

そして、

受験重視か全人教育重視かの違いは、
教育理念の違いではなく・・・

学校としての成熟度の違いだと
考えたほうがいい。

とあります。

これは半分共感でき、半分は「そうかな?」と思いました。

やはり教育理念は大事です。

成熟度もまた「現在の教育理念があって活きる」と考えます。

僕の卒業校の武蔵は「40位くらいかな」と思って見てみると・・・・・・

なんと圏外でした。

・・・・・

これには、さすがに僕も無言となりました。

なにも言いようがありません。

僕は偏差値によるランキングは好きではありません。

一方で、このランキングには「ある一定の意味がある」と考えます。

「のびのび本質的教育」と「大学進学実績」は相反しない

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

6年生の中学受験生・ご家庭は志望校を、ほぼ固めていると思います。

こうした実績もまた参考にされるのが良いと思います。

武蔵などの「のびのび系の学校の志願者が増えている」と言う記事もあります。

武蔵は非常に志願者が増えている傾向があり、

母校に入りたい、という志願者が
増えることは嬉しいな・・・

これは素直に嬉しかったです。

このランキングの結果は「のびのび」重視傾向に水を差しかねないと考えます。

世界的には「のびのび」と「自ら考える力」を育てる教育が主流です。

武蔵の教育あってこそ今の僕があるので、武蔵の教育は非常に良いと思っています。

ところが、

我が校は「自ら考える力」を
のびのび育てています!

ところが、
大学進学実績は今ひとつでした・・・

は、どうなのでしょうか。

この発想は大企業の経営において、

我が社は、革新的な技術を発明して
世界に先駆けています!

ところが、
売上結果には伴いませんでした・・・

と似たような話となります。

「受験を軸にする教育」を良いとは思いません。

しかし、「のびのび本質的教育」と「大学進学実績」は相反する関係にはないと考えます。

これら二つの理念・結果は両立することが可能と考えます。

かねてから武蔵は

御三家と呼ばれることは、
どうでもよい・・・

というスタンスでした。

それは「堅調な大学進学実績に支えられていた」のが実情でした。

これには共感できますが、「勝つこと」を目指す姿勢もまた大事です。

武蔵をはじめとした「のびのび」重視の学校の教員方たちには、強い理念があります。

そして、「それぞれの校風・カラーを大事にしながら」も教育方針を再考して欲しい。

今こそ、武蔵には「大学進学実績の増強」を本気で考えることを期待したいです。

世界で遅れをとっている日本において、子どもたちの「学ぶ力」の強化が望まれています。

「大学受験をしっかり乗り越える」強い姿勢と高い学力を持つことは大事なことです。

武蔵には「その教育理念を強く堅持しながら、大学進学実績を増やす」激励をしたいと思います。

来年受験の親家庭・受験生には、幅広い視点から、志望校を決定して欲しいと考えます。

子どもの個性と各学校の校風・カラーとの相性、それに次いで大学受験実績となるでしょう。

そして、決定したら突き進み、途中で変更しない方針が「合格へ至る最善・最短の道」と考えます。

新教育紀行

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