前回は「歴史・地理の記述問題のコツ〜文章を二度読む姿勢・出題者の意図をつかむ・歴史と場所・地名や地域をヒントに考える・米沢と伊達家と上杉家・雄藩の著名な藩校・時習館・造士館・日新館〜」の話でした。
見慣れない言葉を見つけた時:マークしてチェック
文章内で「複線型」と「単線型」という気になる言葉がありますが、まだ問題には出てきません。
「見慣れない言葉・一般的ではない言葉」を出題者が提示する時は、
このことを、
後で問に出します。
という出題者のサインです。
そこで、こういう「見慣れない言葉・一般的ではない言葉」を見つけた時は、
えっ・・・・・
何これ?知らない・・・
と考えずに、
ああ、このことが
後で問題で出てくんだな・・・
と考えて、「見慣れない言葉・単語」をマークする様にしましょう。
こういう「見慣れない言葉・一般的ではない言葉」を問う文章題の場合、一つの傾向があります。
それは、本題に入る前に関係する知識などを問う問題が小問で出てくる傾向があります。
本題の前に選択肢などの問題が続くときは、「本題に行く前のステップアップ」です。
こういうところは「基本的問題」が多いので、出来るだけ得点を固めたいです。
もし、
あ、
分からない・・・
と思っても、あまり気にせずに空欄か、分かる範囲で解いて、先に進みましょう。
問2の後半に進みます。
これは、
松下村塾だよ!
これは比較的易しいかと思います。
答えはイ=松下村塾です。
松下村塾と吉田松陰
思想家 吉田松陰の門下からは、多数の英雄が出ました。
中でも最も優れた人物と言える高杉晋作。
吉田松陰の実態は、不明な点が多いです。
幕末の動乱期に、有力者が次々となくなってしまった長州藩。
「松下村塾の双璧」と言われた、高杉晋作・久坂玄瑞は共に維新前に亡くなってしまいます。
こうなったら、御所へ攻め込んで、
天皇陛下をお味方にする!
沸騰し続けた長州藩は、勢い余って「御所を攻撃する」という驚愕の事態を引き起こしました。
我が薩摩が
長州を撃退しもそ・・・
まだまだ強かった幕府側に薩摩が加わり、長州藩の目論みは失敗します。
無念・・・
そして、責任を取り、「将来を嘱望された」久坂玄瑞は自刃します。
その後、巻き返し、幕府相手に善戦を続けた長州藩。
ははは・・・
行け、行けぃ!
奇兵隊を創設し、陸軍肌だった高杉ですが、「海に囲まれた長州」を守るために海軍総督となります。
撃て、撃てぃ!
幕軍を倒せ!
書生上がりでありながら、「軍神」であった高杉。
長州藩の対幕戦(四境戦争)を勝利に導きます。
ところが、あまりに苛烈な人生を歩み続けた高杉は、
面白き
こともなき世を 面白く・・・
29歳にして肺結核により病死してしまいます。
戦場にたち続けた高杉にとっては、精神的負担が強すぎたこともあり、「事実上の戦死」でした。
残った長州出身者が「結束する」ために、維新後に松下村塾をアピールしました。
実は、桂小五郎(木戸孝允)は吉田松陰・松下村塾とは大した関係がありません。
高杉晋作にとって、吉田松陰は9歳上なので「先生」です。
しかし、桂(木戸)にとっては吉田松陰は3歳上で、「先生」というより「お兄さん」です。
僕は、吉田松陰先生とは
それほど関係ないけど・・・
それでも、山縣有朋・伊藤博文たちと一緒に木戸もまとめて「松下村塾門下生」とされます。
みんなで
松下村塾生!
長州結束のためだから、
まあ、いいか。
西郷隆盛という「精神的柱」がいた薩摩への対抗意識も多分にあったのでしょう。
他の選択肢も復習して学力アップ:適塾と鳴滝塾
こういう問題を解いて、
出来た!
次いこう!
ではなく、出来れば「他の選択肢を確認」しましょう。
特に、問題が「志望校の過去問」の場合は、なおさらです。
それら選択肢の選び方にも、志望校の担当教師の個性・指向性が現れる傾向があります。
今回も、他の選択肢も確認しましょう。
緒方洪庵が設立した、医師養成機関・適塾。
大勢の優れた人物を輩出しました。
上の写真の中で、小学生は大鳥圭介は知らなくて良いでしょう。
大鳥圭介は徳川幕府の陸軍歩兵頭(将軍)となり、幕軍を率いて会津・函館を転戦します。
他の、大村益次郎・福沢諭吉・橋本左内も復習しておきましょう。
鳴滝塾を設立したドイツ出身の医師・シーボルト。
後に蛮社の獄で幕府に捕らえられた医師・高野長英も鳴滝塾出身です。
岩手県奥州市水沢出身の高野は、後藤新平と同郷で、地元では大変敬われています。
選択肢の問題も「学び・復習する」機会にして、学力を高めてゆきましょう。
次回は下記リンクです。