前回は「山口多聞の考えと真逆の赤城司令部〜極めて少ない索敵機・満を持しての米空母出撃・ニミッツ長官の深謀・「甘い観測」と「甘い索敵」とミッドウェー島攻撃隊発艦・万全体制の米海軍〜」の話でした。
ミッドウェー島空襲:大いに奮う若き友永隊長
空母赤城・加賀・飛龍・蒼龍から、一斉にミッドウェー島空襲の爆撃隊が発進しました。
4空母全体で、300機ほどの航空機を有しています。
100機を超える規模の大編隊を指揮するのは、友永丈一 第二航空戦隊飛龍飛行長です。
体調が
大変良くない・・・
体調不良で急遽、空母赤城内で緊急手術を受けた淵田飛行長。
そして、急遽ベテランの淵田中佐に代わって「攻撃隊隊長」となった友永大尉。
その人柄と高い操縦能力を買われての、異例の抜擢でした。
海軍兵学校卒業期 | 名前 | 役職 |
32 | 山本 五十六 | 連合艦隊司令長官 |
36 | 南雲 忠一 | 第一航空艦隊司令長官 |
40 | 山口 多聞 | 第二航空戦隊司令官 |
41 | 草鹿 龍之介 | 第一航空艦隊参謀長 |
52 | 源田 実 | 第一航空参謀 |
52 | 淵田 美津雄 | 第一航空艦隊飛行長 |
59 | 友永 丈一 | 新任・第一航空艦隊飛行長 |
超ベテランの淵田 美津雄中佐よりも7期も下の友永 丈一大尉。
私に
お任せください!
若さと大いなる強い魂で、奮った友永隊長。
全力でミッドウェーを
叩くのだ!
よしっ!
ミッドウェー島だ!
はいっ!
攻撃準備
体制!
真珠湾奇襲攻撃以来、各地で空襲を続けてきた日本の航空隊。
中でも歴戦の士であり、最も優れた部隊が満を持してミッドウェー島を空襲します。
米軍の反撃:全く「想定外」の米軍の万全体制
こちらも万全の体制で迎撃準備をしている米軍。
Japanの航空隊が
来たぞ!
よしっ!
攻撃開始!
よしっ!
撃ち落とせ!
砲撃を
加えよ!
大規模な日本の爆撃隊に対して、Midwayの米軍基地部隊は猛烈な対空砲火を浴びせます。
くっ!
こ、
これは・・・
なんという
対空砲火だ!
最近まで教官だったため戦闘経験は少ないですが、操縦能力は抜群の友永丈一隊長。
想定を遥かに上回る
反撃だ・・・
撃て、
撃て!
とにかく、
爆撃だ!
石油タンクを
狙え!
猛烈な対空砲火を切り抜け、ミッドウェー島を爆撃し続けた友永隊。
これだけ猛烈な反撃は、
全く想定していなかった・・・
しかしながら、米軍の迎撃体制が万全すぎます。
そのため、想定を遥かに下回る戦果になります。
山口司令は
「米軍が我が軍の出方を知っている」と言っていたが・・・
これは「出方を知っていた」という
レベルではない・・・
自己に強気信念持つ山口多聞:苦悩する赤城司令部
この頃、赤城の司令部は、友永隊の戦果報告を待っていました。
友永隊の爆撃隊は非常に
強力な攻撃隊だ・・・
一度のミッドウェー島攻撃で、
ミッドウェー島を叩き潰せるのが望ましい・・・
攻撃隊の半分は「出てくるかもしれない米空母」対応で、魚雷装備の雷撃隊で待機しています。
米空母は
出てこぬと思うが・・・
ミッドウェー島攻撃で、もたついていては、
新手の米軍が出てくるかもしれぬ・・・
そして、ミッドウェー島を攻撃している友永隊。
かなりミッドウェー島の設備を
爆撃した・・・
米軍機も
多数破壊した・・・
だが、米軍の反撃が
強力すぎる・・・
事前に目指していた
戦果とは程遠い・・・
そして、友永隊長は赤城司令部へ打電します。
この攻撃だけでは、
ミッドウェー島攻撃不十分だ!
第二次攻撃の
必要ありと認む・・・
友永隊長からの電信を受けた、赤城の草鹿参謀長。
第二次攻撃が
必要か・・・
・・・・・
友永隊が帰還して、また爆弾を装備して
発艦するのは時間がかかる・・・
おい。
敵空母の索敵状況は?
まだ、何の報告も
ありません!
やはり、
米空母は出てこないな・・・
雷撃隊ではミッドウェー島を攻撃出来ないから、
米空母を待つのみ・・・
いるかも知れぬ米空母への対応を
続けるか・・・
悩む草鹿参謀長。
米空母は、
必ず出てくる!
山口司令官は、自分の考えに信念を持っていました。
そして、ちょうどこの頃、米軍は満を持して日本への攻撃準備を完了し多数の攻撃隊が発艦していました。
時期は上記リンクです。