前回は「猛将・山口多聞の届かぬ悲痛な思い〜日本の別名=大和を冠した戦艦大和の存在意義・楽観的な連合艦隊司令部・極めて少ない索敵計画・暗中模索の前線の赤城司令部・草鹿参謀長の迷い〜」の話でした。
満を持しての米空母出撃:ニミッツ長官の深謀
間もなく山口司令官が所属する空母機動部隊が、Midway島へ到着します。
Nimitz長官!Japaneseの海軍が
Midwayへ到着する時間が近づいています!
そろそろ
出撃の命令を!
よしっ!
いよいよだなっ!
我が空母も
出撃だ!
総力を上げ、
空母三隻すべて出撃!
3日で「応急処置」した空母ヨークタウンには、引き続き修理を洋上で行う工員・作業班も乗りました。
慎重に索敵して、
奇襲攻撃しろ!
ははっ!
そして、米空母エンタープライズ・ホーネットも出撃しました。
空母三隻をフル動員して、
一気に奇襲攻撃するのだ!
ははっ!
山口多聞の考えと真逆の赤城司令部:極めて少ない索敵機
出来るだけ
索敵機を多く!
こう要請した山口司令官に対して、草鹿参謀長は、
索敵機は
7機で十分だ!
そもそも、大和から
敵信の転送がないのだ!
米海軍に動きがあれば、
必ず敵信が盛んになる!
それが「ない」ということは、
米海軍の動きが少ないことだ!
いないかもしれない敵を探すのに、
貴重な航空機は沢山は割けない!
そして、索敵機は「たったの7機」となりました。
7機では
不十分すぎる!
まずは、敵の位置を知ることが
最重要だ!
山口さんは
うるさいな・・・
航空隊の戦いとしては、山口司令官の発想は「超基本で最重要」でした。
山口の海兵1期後輩の草鹿。
年齢や学年が近いほど、こういう「意見の相違」の時は感情的になってしまいます。
海軍兵学校卒業期 | 名前 | 役職 |
32 | 山本 五十六 | 連合艦隊司令長官 |
36 | 南雲 忠一 | 第一航空艦隊司令長官 |
39 | 伊藤 整一 | 軍令部次長 |
40 | 山口 多聞 | 第二航空戦隊司令官 |
41 | 草鹿 龍之介 | 第一航空艦隊参謀長 |
索敵機
発進!
ここで、7機の索敵機のうち、一機は故障で出撃が遅れてしまいました。
一機が故障で
遅れています!
早く
対応しろ!
まあ、
大事ではない・・・
そもそも、
米空母は、
出てこないだろう。
「米空母は出てこない」と考えていた草鹿参謀長。
後に判明することですが、「遅れた一機」による方向の「索敵遅延」が致命的となりました。
とにかく、ミッドウェー島を
攻撃だ!
違う!
違うのだ!
米空母は、
必ず出てくる!
山口司令官がそのように考えて様々司令部へ意見を具申するも、司令部は一切聞きません。
作戦全体を決定するのは、
参謀長である私だ・・・
いないかも知れぬ空母を
探しても仕方ないだろう・・・
そんなことよりも、
目の前のミッドウェー島だ!
「甘い観測・予想」が頭を支配し、全てにおいて「甘い観測・予想」がベースとなっていました。
せっかく索敵するにしても、「いるかもしれない敵を探す」のと「いないと考えて敵を探す」のでは全然違います。
どうせ、
米空母は出てこないだろう・・・
考えていた赤城司令部につられて、索敵機を操縦するパイロットたちも、
米空母は
いないんだろう・・・
と考えていたのでした。
勝手な思い込みは
戦場では捨てねばならん!
山口多聞の考えとは真逆の方針で、戦争が始まろうとしていました。
「甘い観測」と「甘い索敵」とミッドウェー島攻撃隊発艦:万全体制の米海軍
これは・・・
こんな状況では、米空母が
見つけられない可能性が高まる・・・
航空戦は
先手必勝だ!
先に敵を見つけて
攻撃するのがベストだ!
しかし、作戦の方針は赤城の司令部が決定します。
飛龍単独で、索敵機を
飛ばしたい位だが・・・
従わねば、山口司令官は「軍令違反」となります。
「甘い観測」に「甘い索敵」が続く中、ついにミッドウェー島攻撃となります。
ミッドウェー攻撃隊、
全機発進せよ!
友永大尉!
任せたぞ!
敵は、こちらの
出方を知っている・・・
思いの外、
反撃が強力かもしれん・・・
お任せ下さい!
山口司令。
ベストを
尽くします!
多数のミッドウェー攻撃隊が編隊を組み、友永隊長が指揮します。
よしっ!
出撃だ!
みんな!
ミッドウェー島へ!
よしっ!
頼んだぞ!
この頃、ミッドウェー米軍基地では、
Nimitz長官の話では、
そろそろJapanが攻撃してくるぞ!
迎撃体制!
Japanの空母に攻撃だ!
万全の体制で、日本の攻撃隊を迎え撃とうと完璧な準備をして待っていました。
次回は上記リンクです。