前回は「少ない空母と小さな打撃力を問題視した山口多聞〜「二兎追うもの」から「三兎追うもの」へ・空母分散の結果・軍令部のメンツ・山本長官に振り回された軍令部〜」の話でした。
悩むニミッツ長官:圧倒的優勢だった日本海軍
悔しいことだが、Japanの海軍は
強すぎる・・・
Japanは、
空母を10隻近く持っている。
ミッドウェー作戦計画が進む直前、日米海軍が南太平洋で激突しました。
日本海軍は空母翔鶴が大破し、修理のために戦列を離れます。
そして、同様に大破した米海軍ヨークタウン。
実は、ヨークタウンは日本側は「沈没した」と考えていました。
この大事な時に、
ヨークタウンが大破か・・・
Japanとの大きな戦いが、
近い・・・
なんとかヨークタウンを、
出動させたいが・・・
・・・・・
ヨークタウン修理に必要な時間:90日を3日へ
ヨークタウンの修理には、
どのくらいかかる?
はっ!
90日ほど、かかります。
90日か・・・
それでは困るのだ・・・
90日では、
全然間に合わん!
・・・・・
3日だ!
90日を
3日?
Nimitz長官は疲れてらして、
「3週間」と言い間違えたんだろう・・・
圧倒的に優勢だった日本海軍への対応で、ニミッツ長官が疲れ果てていること。
それは、全ての米海軍将兵が知っていました。
ここで、ニミッツ長官に「確認のため」に一応打診します。
3週間ですか?
全然無理な
日数だけど・・・
90日から、3週間=21日は1/4以下の日数です。
この期間では、とても無理です。
No!
3日だ!
「90日を3日」というのは、絶対無理な話です。
「必要な日数・時間の半分」ならば、話し合いにはなり得ます。
ところが、「必要な日数・時間の1/30」では話になりません。
はっ?
一体どういうこと
なのだろう・・・
3日でヨークタウンを戦場に、
出せるように修理しろ!
いや、
しかし・・・
これは、
命令だ!
ははっ!
軍隊では上官の命令は「絶対」です。
米軍の底力:莫大な溶接電力と計画停電
そして、本気で「90日かかる業務を3日で」という「30倍の猛烈スピード」を実施することになった米海軍。
こうなったら
仕方ない!
90日掛かる修理を、
3日でやろう!
本気で取り掛かり始めた米海軍将校。
我がUnited States(米国)の
栄光のために!
連日1000人以上の作業班が、空母ヨークタウン修理を24時間体制で行います。
しかし、一度に大量の溶接を行うには、莫大な電力が必要です。
海軍に割り当てられている電力では、とても足りません。
突貫修理の人員は、
確保出来そうです。
ですが、
全然電力が足りません!
俺に
任せてくれ・・・
そこで、修理班の責任者は、思い切った策に出ます。
「電力会社と直接交渉」することに決めた担当者。
こちら米海軍!
電力会社社長を頼む!
ハワイの電力会社社長に連絡を入れた米海軍担当者。
海軍が私に
何の用だろう・・・
私が
社長で御座います・・・
我が海軍は、極秘で「ある作業」を
行う必要がある。
だが、
電力が全然足りないのだ。
我が海軍に、
電力を回して欲しい!
なんと、民間の電力会社に協力させて、電力を修理工場に重点的に回させようと考えます。
承知しました・・・
軍に協力いたします。
電力会社社長としては、
軍に協力するのは、
民間人として当然のこと!
我が社の余剰電力を
全て回す覚悟だ!
「余剰電力で間に合わせる」と考えていた社長は、海軍からの通達書を読んで驚愕しました。
なんだ、
この電力量は・・・
これは、
莫大な電力だ・・・
本気か・・・
一体何をやろうとしているのだ・・・
海軍の要求電力を見て、「余剰電力では全然足りない」事実に直面した電力会社社長。
我が社の余剰電力では、
全然足りない・・・
・・・・・
ここで海軍に「出来ませんでした」とは言えません。
「出来ません」とは言えない以上、
何とかせねば・・・
足りない分は、
民間分から持ってくるしかない!
そして、電力会社としては「禁じ手」に踏み切ることを決意しました。
よしっ!
計画停電だ!
ハワイ在住の一般市民には「故障」の理由で、ハワイ全島を強引に「計画停電」させました。
あら・・・
停電しちゃったわね・・・
機械が故障しちゃった
みたいね・・・
つまり「民間人に嘘をついて、海軍に電力を供給した」のが電力会社社長の決断でした。
我が社としては、許されないことかも
しれないが・・・
海軍に協力して、敵を倒すことに
協力することは大事だ!
本来「許されないこと」ですが、戦争では「一般論」よりも「敵を倒すこと」が優先されます。
そして、米海軍に優先的に莫大な電力を補給したのでした。
米国は、
大いなる底力を持っている。
次回は上記リンクです。