前回は「山口多聞の大いなる懸念〜海軍内部の反論を押し通した山本長官・日本と太平洋・広大な日本の最大進出地域・ミッドウェー島・太平洋の「道半ば」の非常に小さな島〜」の話でした。
情報への日米の姿勢:情報・諜報を軽視していた日本軍
米国は情報(諜報)を、非常に重視していました。
どの程度の人数や装備の部隊が、
いつ、どこに出てくる可能性があるのか・・・
そして、どのような将軍・提督に率いられて
いるのか・・・
そうした情報は最重要であることは
当然のことだ!
「情報・諜報が最重要」が当然という姿勢の米軍。
そもそも、ある程度の情報・諜報がなくて、
どうやって作戦計画を立てるんだ?
この米軍の姿勢とは対照的に日本軍は、情報に対しては大して重視しませんでした。
まあ、情報がわかれば
良いのだけど・・・
要は大和魂で
敵を叩き潰せば良いんだろう!
こんな感じで、旧日本軍は「敵の情報を探る」姿勢が薄く、組織は貧弱でした。
対する米国は、日本やドイツの情報を探る部隊の人数・設備を大変な勢いで整備しました。
Japanese(日本語)が理解できる
将兵は大変貴重だから、優遇しよう・・・
Japan(日本)の文化やJapanese(日本人)の
性格などを知っている人物も大事だ・・・
この米軍の姿勢は、
敵を知り、己を知らば、
百戦危うからず・・・
孫子の戦略の模範的姿勢でした。
米軍の戦略は、「王道を行くもの」でした。
対して、日本の暗号や情報に対する意識は、
正面切って戦うのが
侍の戦い方だ!
「侍的意識」が強く、「情報を探る」姿勢は非常に低かったのでした。
さらに、対米戦争開始前から、日本の暗号は解読され始めていました。
非常に強力な日本の暗号は、当初「解読不可能」と考えられていました。
一方で、米軍は「地道に、少しずつ」解読を進めていました。
数学やサイエンスを
駆使して、暗号を解読するのだ・・・
Japanの暗号には、
一定の癖があるな・・・
乱数表は手に入れなければ
分からないが、ある程度の推測が可能だ・・・
非常に数学に秀でた将兵を情報専門にして、暗号解読に励んでいた米国。
それに対して、
我が国(日本)の暗号は、
解読されるはずがない!
暗号解読なんて、
不可能に決まってるだろう!
日本軍は、こう思っていたのです。
日本の情報探る米軍:日本海軍の出方を探るニミッツ長官
悔しいことだが、Japanの海軍は
強すぎる・・・
Japanは、
空母を10隻近く持っている。
対する、我が米軍が太平洋に展開する
空母は3~4隻が限界だ。
しかも、Zero-fighter(零戦で戦う戦士)は、
強い・・・
この頃、太平洋で日本海軍は米海軍を圧倒していたのです。
Japanに勝つには、
敵の出方を先読みするしかない!
情報を
集めろ!
情報部隊は
フル稼働せよ!
ははっ!
暗号班を総動員します!
Japanは
次に、どこに出てくる?!
ははっ!
Japanの情報をつかみます!
ハワイにある情報専門の将校達にハッパかけて、日本海軍の出方を探るニミッツ長官でした。
巨大な不安を抱えた山口多聞:解読されていた日本軍の暗号
当時、日本の暗号は米軍の暗号解読班によって、徐々に解読が進められていました。
どうやら、JapanはMidwayを
狙っていそうです!
そうか・・・
やはりな・・・
それで、
いつだ?
まだ
分かりません!
とにかく
探れ!
ははっ!
暗号が読まれている日本海軍でしたが、ミッドウェー攻撃は「公然の秘密」となっていました。
どこで誰が言ったのかは不明ですが、軍港付近の一般市民の間では、
海軍さんは、
アメリカ征伐に向かうみたいだね。
ああ、知ってる。
ミッドウェーだってね。
ミッドウェーって、
どこ?
知らないけど、
海軍さんには、頑張ってほしいね!
「作戦計画」という軍の最高機密を、「軍人以外の一般人が知っている」異常事態でした。
こ、
これは・・・
作戦計画が、
漏れているようではダメだ!
こんなことで、
良いわけがない!
巨大な不安を抱える山口司令官でした。
次回は上記リンクです。