前回は「日米の違いと曖昧な日本軍の組織〜海外におけるYamamotoの雷名・海軍兵学校の先輩と後輩の食い違う意見・柔軟な米海軍人事・少将から大将へ一気に進級したニミッツ〜」の話でした。
日本の総理大臣と米国の大統領:軍の最高司令官の存在
軍の最高指導部が揉めた場合、米国ならば「最高司令官」である大統領が出てくるでしょう。
私は米国の
政治のトップであり・・・
同時に、
米軍の最高司令官なのだ!
「昭和天皇が大元帥=最高司令官」だった当時の日本(大日本帝国)。
朕(私)は、
大日本帝国の大元帥です。
昭和天皇が「大元帥=大日本帝国陸海軍の最高司令官」でした。
政治も軍事も全ては
私の命令で動くのだ!
ところが、ルーズベルト・ヒトラー・チャーチル・スターリン・ムッソリーニなど各国の元首と異なり、
・・・・・
昭和天皇が、軍に直接に何らかの指令を下すことはありませんでした。
軍に命令を下すのは、陸軍では参謀本部、海軍では軍令部でした。
そのため、政府代表の内閣総理大臣である東條英機首相は、海軍には影響力が全くありません。
東條首相といえど、海軍には「全くタッチ出来ない」状況でした。
海軍は、私の言うことなど、
全然聞いてくれぬ・・・
というより、意見そのものが、
求められていない・・・
そして、大日本帝国陸海軍の最高司令官=大元帥たる昭和天皇。
大本営に
軍の作戦指揮は任せている・・・
昭和天皇は「大日本帝国陸海軍の状況」をある程度は知っていましたが、「任せている」のも事実でした。
大日本帝国陸海軍の指揮系統は、米国・英国・ドイツ等と比較して「かなり分かりにくい状況」だったのです。
少し勝ちすぎたから、
「勝って兜の尾を締めよ」だ!
勝ち続けているとはいえ、
将兵は少し疲れている・・・
若手の訓練も、
もっとしなければ!
山口司令官の思いとは、裏腹に歴史は進んでゆきます。
反撃試みる米海軍:ルーズベルト大統領の戦略
奇襲攻撃ならぬ「騙し討ち攻撃」に終わった、真珠湾攻撃。
真珠湾は、
奇襲攻撃ではない!
ただの
「騙し討ち」なのだ!
この卑怯者ジャップ(日本人の蔑称)を、
米国は全力で叩き潰す!
リメンバー・
パール・ハーバー!
リメンバー・
パール・ハーバー!
米国はこの事実を最大限利用して、
Japanは
卑怯者だ!
ルーズベルト大統領は「日本軍は卑怯者」と世界中に宣伝しました。
緒戦で米海軍に大ダメージを与えて、
米軍・米国民の士気を阻喪させる!
山本長官の「米軍と米国民の士気を挫く」が主目的であった真珠湾奇襲攻撃。
リメンバー・
パール・ハーバー!
リメンバー・
パール・ハーバー!
ところが、「米軍と米国民の士気を大いに高めた」ことになり、「真逆の結果」となりました。
そのため、結果論としては、「奇襲攻撃しなかった方が良かった」とも言われる真珠湾攻撃。
米軍は「騙し討ち」を大いに利用するも、「空母を主軸」とした日本海軍に大損害を受けた米海軍。
なんと言っても、米軍は民間人含めて2,400名ほどが亡くなり「大打撃を受けた」のは事実でした。
おのれ・・・
Japanめが・・・
米海軍の「真珠湾」に対する反撃:狙いは首都Tokyo
米海軍としては日本海軍に仕返しをしなければ、腹の虫が治りません。
おのれ・・・
Japan(日本)め・・・
なんとかして、
Japanに反撃するのだ!
ところが、当時太平洋において、日本海軍は米海軍を圧倒する力を持っていました。
だが、Japanの海軍は
非常に強力だ・・・
なんとか、
Tokyoを空襲できないか?
こう考えるニミッツ米太平洋艦隊司令長官。
Emperor(天皇)のいる
Tokyo・・・
Tokyoを空襲すれば、
Japanに一泡ふかせられる!
流石に、
それは難しいです・・・
Tokyoの近海に近づくことすら
極めて困難です。
それは当然のことでした。
どの国でも首都は最重要であり、防備は万全です。
しかも、日本軍・日本人にとって「天皇陛下のいる」Tokyoは、特別な都市でした。
まったくもって
難しいです・・・
なんとか
考えろ!
はっ!
Japanの真珠湾の
攻撃では・・・
戦艦などは、ある程度
引き上げて修理できた・・・
だが、何人の米軍人が、
あの攻撃で死んだと思っているんだ!
米軍側から見れば、「一矢報いねば、気が治らない」のは当然でした。
次回は上記リンクです。