電気・電流・抵抗のわかりやすい考え方・イメージ 3〜主役の電圧・直流回路と交流回路・回路と電流を描く・電流と電圧をイメージ・回路の電圧と電流〜|中学受験・理科

前回は「電気・電流・抵抗のわかりやすい考え方・イメージ 2〜見えない電気と電流・とても身近な電気・見えないモノをイメージ・オームの法則の意味〜」の話でした。

目次

主役の電圧:直流回路と交流回路

電気・電流の考え方(新教育紀行)

電気・電流を学ぶ時は、上記のように「オームの法則」と電池の直列・並列が最初に出てきます。

その後に、基本的な回路を学んで、少しずつ複雑な回路を学んでゆくことが多いと思います。

回路が複雑化する過程で、

塾講師

ここに電球が〜個直列に
並んでいたら〜と考える!

塾講師

ここに電球が〜個並列に
並んでいたら〜と考える!

回路を「いくつかのパターン」に分けて考えるように教わる場合もあるでしょう。

すると、

男子小学生

よし!
こういう回路は〜で・・・

「覚えるように電気・電流を考える」ようになるかもしれません。

このような「パターン化」は、問題を素早く解く際には有効です。

限られた時間で、少しでも得点をアップしなければならない受験生。

男子小学生

そう!
時間は大事だよ。

選択問題、穴埋め問題では、「パターン化」「類型化」による対応・学びも一つの手段です。

この最初に「電気・電流の基本」と教わる部分を、かなり詳しく話をご紹介しています。

基本をしっかりすれば、応用問題が解けるようになり、基本問題が短時間で解ける」様になります。

電気・電流、ばね、てこなどの分野は、基本的なことをしっかり固めることが大事です。

特に小学校6年生の受験生は、この「基本を固める」姿勢を大事にしましょう。

電池の直列つなぎ

・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)

電池の並列つなぎ

・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる

・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)

「電流をエイッと持ち上げる」役割の電池の「持ち上げる高さ(電圧)」を矢印で表現しました。

そして、オームの法則の式の意味を考えて、「主役は電圧」という話をご紹介しました。

電気・電流の考え方:オームの法則(新教育紀行)

電圧・電流・抵抗の三つが出てくる、電気。

この「三つを相手にする」ために「難しく感じられる」傾向があります。

ばね・てこの考え方(新教育紀行)

「オームの法則」と「てこの釣り合いの式」の間には、C =A x Bという類似性があります。

電気・てこの法則(公式)

・電気:電圧=電流 x 抵抗

・てこ:回転する力(モーメント)=力 x 長さ

男子小学生

この式が似ている
のは、面白い!

女子小学生

法則が似ているから、
内容も似ているのかな・・・

それぞれの方に得意分野・不得意分野がありますが、理科は「面白い」と思う気持ちも大事です。

男子小学生

面白いと
思っても、成績につながらない・・・

成績がアップしないと、なかなかテンションが上がらない時があります。

そういう時もありますが、身近な電気は

男子小学生

実は、コンセントからの電気・電流も
こうなっているのかな?

色々と考えてみるのも良いと思います。

身の回りの電流には、「直流」と「交流」があります。

家庭で使用している電気・電流は「交流」で、皆さんが学んでいるのは「直流」です。

女子小学生

それでは、私たちの身の回りの電気と
勉強する電気は違うの?

違う電気・電流ですが、交流も基本的な法則・原理は直流と同じ部分が多いです。

女子小学生

「交流」というのも
勉強するの?

交流は高校物理で勉強するので、楽しみにして下さい。

交流は中学受験では「範囲外」と考えますが、実験問題などで「少し」出るかもしれません。

直流・交流は、下記のようなイメージです。

直流・交流

・直流:電流・電圧の向き・大きさが一定

・交流:電流・電圧の向き・大きさが変化する(多くは波の形)

交流のことは知らなくても良いので、「こういう話もある」くらいに思って下さい。

回路と電流を描く:電流と電圧をイメージ

回路の基本(新教育紀行)

電圧を主役にして、具体的に回路の基本を考えてみましょう。

電球2つが並列に並び、もう一つの電球が直列につながる回路を考えてみましょう。

男子小学生

これは、
すぐに分かるよ!

「分かる」という方も多いと思いますが、ぜひ回路や電流・電圧を描いてみましょう。

回路は定規を使って描いても良いですし、手描き・フリーハンドでも良いでしょう。

男子小学生

手描きだと
線が曲がって、うまく描けない・・・

少し線が曲がっていても良いので、手描きで描くと良いでしょう。

試験の際には、「回路を描く」と時間がかかってしまいますが、電流などを描くと良いでしょう。

じゃ、
この回路を描いてみるね。

回路における、電圧と電流をしっかりイメージしましょう。

回路の基本(新教育紀行)

まず、電池(電圧)が、かかって電流が流れます。

「電流が回路をグルッと一周する」イメージを持って下さい。

回路の基本(新教育紀行)

そして、電流を持ち上げる(電圧をかける)役割の電池の部分に、「持ち上げる高さ」を描きます。

回路の基本(新教育紀行)

流れた電流が一周して、電池に戻ってきました。

回路の基本(新教育紀行)

戻ってきたところで、電流は電池によって、再び電圧がかけられます。

再び電流は「エイッと持ち上げられ」て、電流が流れます。

そして、電流は二周目を回ろうとします。

回路の電圧と電流

回路の基本(新教育紀行)

一周して戻ってきた電流は、「持ち上がった高さ=電圧」と同じ高さ分、下がって戻ってくるのです。

男子小学生

それは
知ってるよ!

これは、回路を考える時に、習うと思いますが、なぜでしょうか?

女子小学生

なぜ、とは
考えたことないけど・・・

女子小学生

そういうものだ、
と教わったけど・・・

男子小学生

そうだよ。
回路って、「そういうもの」なんじゃないの?

「そういうもの」と習うのも良いですが、ここで少し考えてみましょう。

今「電流が一周して二周目に入る」話をしましたが、これは実は一瞬の出来事です。

電気の流れは、非常に早いのです。

男子小学生

うん。
知ってるよ。

「回路を一周して戻ってきた電流が、最初持ち上がった高さ分下がらなかったら」どうなりますか?

回路の基本(新教育紀行)

回路の問題を考える時、電圧を考えます。

この電圧と電流をしっかりイメージすることが、回路を考える最も大事なことです。

「そういうもの」と習う場合でも、問題は解けるようになるでしょう。

ここで「なぜだろう?」と考えることは、電気を理解する「遠回りなようで、近道」です。

こういう点を考えることは、電気・電流に関する実験問題も解ける様になるでしょう。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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