前回は「学力を上げる勉強法〜良問を繰り返し解いて思考力アップ・様々な分野を攻略して「出来るエリア」を拡大・別の視点や別解を学ぶ大事さ・しっかり考え方を吸収する学び方〜」の話でした。
算数・理科の学び方:描いて理解を深める
今回は、算数や理科の学び方に関し、実戦的かつ本質的な話です。
算数や理科を学ぶ際・問題を解く際に、関連する絵やイメージを描くことは、とても重要なことです。
参考書にある図を「見て理解」ではなく、描いてみましょう。(上記リンク)
教科書・テキストを読んだり、見て、
よし、
分かったぞ!
問題を解いて、解答を読んでみて、
そうなんだ、
ふ〜ん・・・
このように感じて、
こういうことなんだ・・・
次は出来るようになるぞ!
「次は出来るように」と考える人が多いです。
ここで、算数や理科を学ぶときは、出来るだけ図や絵を描いて学んでみましょう。
「目で見て理解すること」と「手で書いて・描いて理解すること」では、理解度が全く異なります。
「理解していること」を「図やイメージ・絵に描く」ことが出来るのが望ましいでしょう。
その内容を「ほぼ完全に理解し、自分のものとしている」ことになります。
この「理解している」ことは、非常に本質的なことです。
「描いて理解する」例として、「動かっ車」の絵を描いて考えてみましょう。
「動かっ車」の力と移動距離を「描いて考える」話をご紹介しました。(上記リンク)
この時、「動かっ車」の「両側の力が同じ」という事実を知っている人は多いです。
それは、
知っているよ!
「動かっ車」と「定かっ車」がいくつか複合的にある問題では、
これとこの力が
同じで・・・
このように、具体的に考えることが多いでしょう。
あるいは、
かっ車の問題では、
ひも・糸の本数がポイント!
このような「考えるポイント」を教わり、「ひも・糸の本数」を数えて、
ひもの本数が
〜本だから・・・
このように考える人もいらっしゃるでしょう。
いずれにしても、まずは「力の矢印」や「動く・移動する距離」を描いてみましょう。
・向き:力のかかる向き
・長さ:力の大きさ
そして、
「動かっ車」は
ひも・糸に引かれて、こう動くから・・・
イメージしながら描いてみましょう。
すると、
あっ、そういう
ことかな!
色々と「気づくこと」があるでしょう。
「遠回りの学び」は「一番の近道の学び」
一方で、こういう勉強の仕方をすると、
時間が
かかってしまうから・・・
あまり効率的では
ないけど・・・
「やらなければならない」問題を沢山抱えている受験生。
「勉強に時間がかかること」は、「非効率的に思えてしまう」かもしれません。
大事なことは「問題が解けるようになる」ことです。
「問題を沢山やること」は、目的ではなく「一つのプロセス」でしかないのです。
「問題が解けるようになればよい」ので、必ずしも「問題を数多くやる」必要はないのです。
それは、
そうなんだけど・・・
問題を沢山解けば、
様々な解法パターンが学べる・・・
このように感じる方も多いですが、「一つ一つことをしっかり理解する」ことが大事です。
すると、「理解したこと」が広がってゆき、応用力がつくようになるでしょう。
「相似比と面積比の公式」を考える話を、上記リンクご紹介しました。
この公式は多くの方が「知っていること」ですが、「説明できるように理解している」ことが大事です。
これらのことが分かっていれば、対象が三角形から四角形になっても、
分割すれば、同じように考えることができます。
確かに、
分けると分かりやすいかも・・・
この「相似比を考える」ことと「図形を分割すること」は、とても大事な考え方です。
これらがしっかり頭に入っていれば、多くの図形問題に対応できるでしょう。
このように、「描いて理解する」と時間がかかってしまい、「遠回り」で「非効率的」です。
ところが、この方法は実は、「近道」で「効率的」なのです。
それは、「描いて理解すること」で、様々な応用が効くようになるからです。
そして、「解く問題を多く」ではなく「一題をしっかり」で結果的に「多くの解法を学んでいる」のです。
「見えてなかったこと」が「見える」ように
実験問題でも「描いてみる」大事さの話をご紹介しました。
「熱が広がるイメージ」を絵に描いてみました。
アルコールランプの実験などを、思い出してみましょう。
具体的な問題の考え方は、上記リンクでご紹介しています。
こういう絵・スケッチを上手に描ければより良いですが、上手に描ける必要はないです。
上手に描かなくても良いですから、「丁寧に描いて」みましょう。
「上手に描こう」と考えすぎると、
下手だと、
どうしよう・・・
手が止まってしまうかもしれません。
何かを描こうとして「上手く描ける」方は、非常に少ないです。
上手く描ければ、
良いけど・・・
くらいな気持ちで、
まずは、
描いてみよう!
「まずは描く」気持ちが大事です。
「物事をよく観察して、丁寧に描いてみる」と、それまで気づかなかったことにも気づきます。
あれっ、
こうなっていたんだ・・・
しっかり見ていたつもりだけど、
気づかなかった・・・
「気づかなかった」ことが「分かる」と思えることが、いくつも出てきます。
そして、「見えてなかったこと」が「見える」ようになるでしょう。
そうして「自分で気づいたこと」は、より強く記憶に残ります。
参考書や教科書を読むよりも「自分の体験」として、頭だけではなく身体で理解するからです。
「描くこと」は理解力・記憶力・暗記力の大きな向上につながります。
その姿勢は、本質的な理解へと結びつき、学力が飛躍的に伸びるでしょう。
次回は下記リンクです。