前回は「模試を最大限活用する姿勢〜気になる模試の判定・合不合判定テストの結果・合格判定と試験結果・一喜一憂しすぎない姿勢・合格判定は「一つの指標」・本番に活かす姿勢〜」の話でした。
過去問に取り組む姿勢〜早めに出題傾向を知る〜
今回は「過去問」の話です。
中学受験において、早めに志望校の「過去問を繰り返し解く」ことは、とても良いことです。
僕の志望校は、
こういう問題を出題するんだ・・・
それは学力増進と共に「志望校の出題傾向をつかみ、理解する」につながります。
「出題される内容」は、出題者によって変わることがあります。
一方で、「問題の方向性」は学校によっては、非常に明確な方向性があることが多いです。
学校によっては、試験問題は「受験生本人の学力」以外の能力を測ろうと試みています。
志望者が、我が校の校風・カラーに
適合するか、どうか・・・
あるいは、
将来伸びる思考性の
志願者に入学して欲しい・・・
こう考えて、問題を作成しているのでしょう。
志望校の出題者の方々が、「何を考えて問題を作成しているのか」を理解することも大事です。
出題者の先生が「何を考えているか」を
考えるのは、難しそう・・・
小学生にとって、「大人」である志望校の先生方の思考を理解するのは困難です。
一方で、「どういうことが出題されるのか」を知ることは、大事な視点です。
難しく考えず、過去問から「フィーリング」を感じるようにしましょう。
出題問題の傾向:「取り組むべき相手」を知ること
有名校の出題は、出題傾向・強いカラーがある場合が多いです。
数多くの入試問題をご存知の方ならば、「問題を初めて見た」時に、
これは〜中学校の問題では
ないか?
このようにある程度出題校を類推できるでしょう。
「問題を見て、出題校が分かる」というのは、
ワインの
テイスティングをしたら・・・
ワインの
産地や年が分かる。
このような名ソムリエみたいな感じです。
「問題を見て、出題校が分かる」こと自体には、大きな意味はないかもしれません。
一方で、「問題が、どの学校の校風・カラーを体現しているか」は、一定の意味があるでしょう。
「戦争の上手な戦い方」をまとめた、中国の古典「孫子」。
諸外国でも広く読まれ、戦争のみならずビジネスなどにも「応用が効く」とされています。
「孫子」の中で最も有名な言葉の一つが、
敵を知り、己を知らば、
百戦危うからず!
この言葉は、多くの方が知っています。
「知っている」のですが、この言葉は非常に深い内容を含んでおり、実行するのは難しいです。
「敵を知る」のと「己を知る」のでは、意外と「己を知る」のが難しいと思います。
「敵」ではなく「自分の未来」である「自分の志望校」。
受験の現場で考えると、
この問題は、
解けますか?
出題者は志願者にこう問いかけています。
この問題を、
あなたはどう解きますか?
出題者は、受験生たちに問いかけてくる「取り組むべき相手」になります。
「敵」ではありませんが「取り組むべき相手」である「自分の志望校」。
この時、孫子の言葉は受験向けに少し変えると、
「取り組むべき相手」を知り、己を知らば、
志望校合格は間違いなし!
このようになるでしょう。
「取り組むべき相手が何を尋ねてくるのか?」に合わせて学ぶ姿勢も、一つの学び方です。
「どこまで合わせるか」は、その志望校が「第一なのか、第二〜なのか」によります。
過去問から学ぶ姿勢:「総合力を鍛える」学び方
「主題傾向をつかむ」ことももちろん大事なことです。
過去問を時ながら、「学び・思考力を深める」のが最も良い学習の仕方でしょう。
算数ならば、図形問題・整数問題等で「別の視点」を考えてみるのも良いでしょう。
似た補助線でも、似た視点でも良いでしょう。
解答にない解き方を自分で作ってみることは、「自分で解く力」を養成します。
受験生の方は、既に志望校の過去問に取り組んでいるでしょう。
以前解いた問題は、「解法を覚えてしまっている」かもしれません。
確かに、僕の志望校のA中学の
算数は、答え・解き方を覚えちゃった問題もある・・・
覚えている解法を繰り返すだけではなく、「初めて解く」気持ちで臨んでみましょう。
また違ったように感じられ、異なる新鮮な視点が得られる可能性があります。
「様々な視点から考える」話を、上記リンクでご紹介しています。
文章題でしたら、数字だけを変えても良いでしょう。
同じ問題で数字だけ異なることは、本質的には「全く変わらない」ことです。
「答え」を覚えてしまっている可能性があるので、計算する過程で「考え方」を見直しましょう。
計算式を立式し計算する過程で、解く経緯で考え方を再検証することにもつながるでしょう。
歴史・地理の問題で「問題に関すること」を復習しながら学ぶ話を上記リンクでご紹介しています。
「過去問を解く」のは、単に「志望校の過去の出題問題を解いてみる」だけにしないようにしましょう。
「過去問から学ぶ姿勢」で、学ぶと「総合力を鍛える」学び方になるでしょう。
過去問に改めて挑んでみて、「考える力」を鍛える本質的学び方を深めてみましょう。
次回は上記リンクです。