武蔵中学校に向いてる子〜「考えることが好き」な子・武蔵中高に向いていないかもしれない子・武蔵中高と御三家・似ている教育理念と大学進学実績〜|中学受験

前回は「合格へ向かう姿勢〜「志望校に登校すること」をイメージ ・志望校のカラー・雰囲気を実際に感じる・学校の中に入ってみる〜」でした。

目次

武蔵中高と御三家:似ている教育理念と大学進学実績

武蔵中学・高校の「すすぎ川」(新教育紀行)

今回は、武蔵中高の校風・カラーに関する話です。

筆者は武蔵高校・中学校卒です。

筆者は、武蔵の校風・カラーに大きな影響を受けています。

最近は新型コロナのことがあり、同窓会・OB会がかなり減りました。

昔は、武蔵のOB会などの集まりによく参加しました。

武蔵中高というと、まずは「御三家の一角」です。

塾講師

御三家同士で競っていて、
三校で仲が良くないのでは・・・

「開成や麻布と仲が悪そう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

基本的には「三校で仲は良い」と思います。

筆者は、開成も麻布も好きです。

開成に対しては、彼らの良い意味で真面目で質実剛健な感じが好きです。

麻布も、独特で面白い人物が多いです。

卒業してだいぶ経って感じることですが、意外と「御三家」は双方で親和性が高いです。

教育に対する手法は、だいぶ異なっても「理念・考え方は似ている」と感じます。

武蔵中学校・高校(新教育紀行)

写真は、かつての武蔵中高の校庭と校舎です。

現在は新校舎建築に伴い、旧校舎は大きく変化しました。

中学受験する家庭は、子どもの志望校に関して様々調べて、

受験生の母親

うちの子には、
この学校に行かせたい!

「うちの子はこの学校へ」と考える母親や、

男子小学生

僕は、
この学校に行きたい!

「僕はここに行きたい」と考える小学校6年生の子どももいらっしゃるでしょう。

学校を選ぶ際には、学校の校風・カラーと子ども本人の個性の相性を第一にするのが良いです。

その上で、「子どもの学力・偏差値」と「志望校の偏差値」を見比べて、

受験生の母親

うちの子は、
この学校に合格するかしら・・・

「具体的な合格可能性」を考えるのが良いと思います。

最も大事な、学校の校風・カラー・教育理念と考えます。

現実には中学校・高校の「教育の出口」である大学進学実績は、大事なポイントになるでしょう。

筆者が武蔵高校を卒業した頃と、現在の武蔵高校は大きく状況が違います。

それは多くの方がご存知の通り、大学進学実績の大きな低下です。

筆者が卒業した直後くらいから、グッと実績が落ち始めました。

受験生の父親

武蔵高校の合格実績が
急落した・・・

塾講師

一体、
武蔵に何があったんだ?

これは卒業生の立場からすると、「衝撃的」とも言える落ち方でした。

筆者が大学生だった頃は、

大学生の頃の筆者

これだけ進学実績が
急落するとは・・・

筆者も強い衝撃を受けました。

大学進学実績よりも教育理念・校風の方が、子どもの将来にとっては大事だと思っております。

武蔵には独自の理念・校風を堅持しつつ、大学実績も高めていただくよう願っております。

武蔵中高に向いてる子:「考えることが好き」な子

武蔵中学・高校のかつての校舎・物理実験室(新教育紀行)

筆者は武蔵のことは、よく知っています。

1996年に卒業して以来、武蔵中高のキャンパスにも良く行っています。

物理部という文化部に所属していた僕。

武蔵中高生の筆者

物理の実験したり、
色々考えるのが好き。

小学校の頃から、理科や実験が好きだったので、中学1年から高校3年の春まで物理部に所属しました。

武蔵中学に「向いている子」は、どういう子でしょうか。

僕が考える武蔵中学に向いてる子は、「考えることが好きな子」です。

あるいは、「何か特定のことが好きで、それに集中してしまう」変わった子も合うでしょう。

武蔵中学に向いてる子

・とにかく「考えること」が大好きな子

・趣味や好きなことに集中して、没頭してしまう子

・何か自分で勝手に考えることが好きな子

昔から有名ですが、武蔵中高はレポート課題を課すことが多いです。

「記述」の比重が非常に多い中学受験と同様に、学校の定期試験も「ほぼ記述式」です。

そして、「考えること」が好きで個性的な武蔵生。

個性的でありすぎるがゆえに、「選択式」の問題が苦手です。

「苦手」というよりも、選択式問題は「嫌い」です。

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

筆者も「選択式」の試験とは、「相性が非常に悪かった」です。

武蔵中高生の筆者

マーク式試験は、
どうも合わない・・・

得意な数学や物理でも、選択式の試験だと成績が思わしくなかったのを覚えています。

武蔵生は選択式の問題を見ると、

武蔵中高生

答えを
「この中から選びなさい」ではなくて・・・

武蔵中高生

筆者が作る答え(記述)を
判断・採点して欲しいんだけど・・・

このように感じてしまう傾向が、かつてはありました。

現在は、教育方針が少し異なっているかも知れません。

内野吉貴

記述に対する姿勢は
同様と考えます。

選択式が「大の苦手」の武蔵生にとって、大学入学共通テスト(センター試験)は「嫌な試験」です。

国立大学の二次試験は多くは記述式ですが、

武蔵中高生

「選択式」の問題は、
思考の流れを強制される・・・

「答えのみ」や「選択式」は武蔵卒業生は苦手になる傾向があります。

例えば、数学や物理などの「選択式」試験では、

選択式試験

次のような問題を
考えましょう。

選択式試験

まずは、次のように立式して、
答えを求めることを考えます。

このように「ある解き方に従って解く」問題がありますが、このような問題に対しては、

武蔵中高生

なぜ、問題の通りに
考えなければならないの・・・

武蔵中高生

僕は、僕なりに自由に
考えたいのに・・・

「自ら考える」という教育方針で中高六年間を過ごした武蔵中高生。

そして、中学受験前から「自ら考える」姿勢を身につけていた武蔵中高にとって、

武蔵中高生

考え方を指示される、
指定されるのは嫌だな・・・

「考え方を指定される」ことほど嫌なことは、なかったのでした。

この「自分だ考えたい」思考性は、現在でも似ている状況にあると考えます。

1990年代後半からの「武蔵高校の大学進学実績の急落」は、

内野吉貴

大学入学試験と武蔵高校生は
「相性が、あまり良くないこと」も理由です。

そして、試験に対するトレーニングを当時はあまりしなかったことも、理由の一つでしょう。

武蔵中高に向いていないかもしれない子

新教育紀行
武蔵中学・高校内のすすぎ川(新教育紀行)

一方で、下記のような子は、あまり「武蔵には向いていない」かも知れません。

武蔵中学に向いていないかもしれない子

・とにかく大学受験を見据えて、試験で良い点数を取りたい子

・自分で何かを表現することが好きではない、苦手な子

・レポートなど「書いてみる・描いてみる」のが、それほど好きではない子

筆者たち武蔵中学・高校卒業生は、

武蔵中高生

レポートなど
「書いてみる・描いてみる」が大好き!

レポートなど、「何か表現すること」が好きです。

武蔵生の頃、物理のレポートなどで、

武蔵中高生の筆者

僕は今回
30枚書いたぞ!

武蔵中高生

俺は、
40枚書いたぜ!

武蔵中高生の筆者

ええっ!
そんなに書いたの?

武蔵中高生

俺の
勝ちだな!

武蔵中高生の筆者

今度は
もっとたくさんの枚数書こう!

レポートで大事なことは内容であり、「枚数はどうでも良い」かもしれません。

一方で、「多くの枚数のレポートを書く」努力をすることは、学ぶプロセスで大事なことだと思います。

こういう姿勢が「合う」か「合わない」かは、子どもたちの個性次第です。

「何かを表現すること」は学びの大事な姿勢と考えますが、教育への考えは多様性があって良いでしょう。

内野吉貴

「レポートなどを書く」などの「自ら考える」方針と
他の方針に良し悪しはないです。

この時、

男子小学生

僕はレポートとかは、
あまりやりたくない・・・

「レポートなどに気乗りがしない」方は、武蔵中学・高校はやめた方が良いかもしれません。

受験生の父親

とにかく大学進学実績が
第一だ!

また、大学進学実績を第一に考える家庭も、武蔵の教育理念・方法は「合わない」と考えます。

新教育紀行
太陽と樹木(新教育紀行)

武蔵中学校志望の方は、新教育紀行をお読みいただければ、合格する可能性が大きく上がるでしょう。

また、教育理念に共通点がある中学校志望の方にも、大いに参考になるでしょう。

全ての中学校志望者の方の学力増進・合格へのご参考になればと思います。

「本質的教育から考えた中学受験」という視点から、話をご紹介しています。

これらは、中学受験の試験内容に留まらない論理的思考の話です。

記述式問題の多い学校志望の方は、大変役に立つでしょう。

答えのみ・選択式問題が多い中学校に対しては、基本的・本質的考え方を重視する内容です。

そして、応用力アップ・得点力アップを目指します。

最後の最後まで、子どもと親が一緒に合格を信じて、合格を目指すと良いでしょう。

焦らずに「着実に進んでゆく」ことを心より願っております。

「算数実践」で問題を出題しているのは、「本質的考え方」の具体的手法をご提示するためです。

図形・整数等は、基本的視点・考え方で大きく点差が出るので、重視してご紹介します。

これらで養った視点は、代数学的なニュートン算等、応用範囲が広いと考えます。

理科では、基本的なイメージや考え方の話をご紹介します。

男子小学生

問題を
たくさん解かなければ・・・

こう考えがちな受験生。

実際、受験生たちは、非常に広い範囲の勉強をしなければならず、とても大変です。

電気・電流の考え方:オームの法則(新教育紀行)

算数・理科では、基本的な考え方・イメージは、「建物の土台・基礎」と一緒で非常に大事です。

木造戸建住宅の上棟・建前(新教育紀行)

全ての建物・建築にある鉄筋コンクリートの基礎。

この基礎が、しっかりしていなかったら、大きな問題となります。

上部の柱・梁をいかに頑丈に作っても大問題が発生する可能性があります。

「学びの基礎」も同様です。

「しっかりとした基礎」があれば「上にどんどん積み上げて、学力をあげる」ことができます。

中学受験の早い時期に、しっかりとした基礎を作りましょう。

すると、夏休み以降秋にかけて、学力がグーッと増進するでしょう。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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