前回は「医師の道から大政治家になった後藤新平〜予防の未来を切り開く・「銃弾・砲弾より怖い」伝染病・児玉源太郎との名コンビ誕生へ・西南戦争から日清戦争へ〜」の話でした。
日本で2人目の女性宇宙飛行士・山崎直子:道を切り拓いた理系女子の鑑
威人紀行4人目は、宇宙飛行士 山崎直子さんです。
威人紀行初の女性です。
現役バリバリの方をご紹介したいと考え、山崎さんが一番良いと思いました。
多くの方がご存じかと思いますが、向井千秋さんに続き、日本で2人目の女性宇宙飛行士です。
東京大学理科一類から、東大工学部航空宇宙工学専攻へ進んだ才媛の山崎直子さん。
専門は異なりますが同じ「理科I類→工学部」の僕から見ると正に「直属の大先輩」です。
大先輩なだけに、ちょっと語りにくい面がありますが、彼女の本を参考に僕なりにご紹介します。
ここからは、山崎と呼ばせていただきます。
実は、女性を呼び捨てにするのは本意ではないのです。
一方で、歴史上の大人物に対して
織田(信長)さんが
〜年に〜して・・・
大久保(利通)さんは、
〜の後に〜して・・・
とは言わないです。
そこで、「歴史上の大人物と同格」という意味において、山崎さんを「山崎」と呼んで、以下ご紹介します。
「女の子だから」の遠慮はナシ:異常に女性が少ない東大理I
1970年生まれの山崎。
この年は、大阪万博がありました。
高度成長期を続ける日本が活気付いていた頃です。
地元の中学校から、高校受験でお茶の水女子大学附属高等学校(お茶高)へ進みます。
かなり有名なお茶高は、難易度がかなり高く、中学時代から優等生だったのでしょう。
タイトルは、上記の本に書いてあった内容です。
「私は女の子だから・・・・・」と遠慮する風潮が全くなかったのが「良かった」と言っています。
頑張ることは決して泥臭いことではなく、
楽しいことなんだ。
高校では硬式テニス部に入り、続いてジャズダンス同好会を友人と立ち上げて、活動しました。
この「女の子だから」は、いまだに日本では根強い意識があると考えます。
世界的に見て、女性の社会進出は日本は「まだまだ」のレベルです。
東大理Iで「女子が少なかった」話が紹介されています。
これは僕が大学生の時も、実感したことです。
なんで、
理Iはこんなに女の子が少ないの・・・
東大における女子率の最近のデータを見ても、大して変わっていません。
理Iは女子が多い2020年は10.0%、少ない2012年は5.5%です。
「多い時で10%」というのは、異常な状況です。
最近は少し増加傾向にあるので、山崎が学生だった1990年頃は、もっと少なかったでしょう。
この「少数派」の中で頑張る女子たちは、男子には分からない「数多くの苦労」があるでしょう。
全科類で比較すると「女子が異常に少ない」理I。
科類 | 女子比率(%) |
文科I類 | 30.5 |
文科II類 | 20.4 |
文科III類 | 40.6 |
理科I類 | 8.3 |
理科II類 | 27.1 |
理科III類 | 24.7 |
全体 | 22.3 |
「数学・物理大好きなバリバリの理系女子」というのが、日本の風土と合わないのか、なぜなのか?
これはよく分からないですが、21世紀になってだいぶ経つ現在において大きな問題です。
2023年度で比較してみましょう。
最も多い文IIIの女子約40%、全体の女子約22%と比較して、際立って少ない理科I類の女子。
文IIIでは「男子3人に対して、女子2人」で比較的健全な状況です。
理Iでは「男子9人に対して、女子が1人以下」という以上事態です。
「日本的な女の子らしさ」を求められながらも、「数学や物理に励みたい」という心理的葛藤は、かなり大きいでしょう。
いくらなんでも、
もう少し女子が増えて欲しい・・・
一生懸命勉強して、
久しぶりに共学なのにさ・・・
なあ、ガッカリだよな・・・
ここは東大じゃなくて、東京男子大学か?
全くだ・・・
はぁ・・・
というのが、理I男子全員の「本音」でしたが、今もそうでしょう。
大切なチームワーク:自衛隊の父から学んだ協調性
宇宙飛行士の仕事は、
チームワーク!
他の職業は、なかなか想像できないことが多いです。
中でも、「宇宙飛行士」は「自分がなったら」という実感が湧かないです。
ですから、イメージしにくいのですが、山崎の言う通り「チームワークはすごく重要」なのでしょう。
そもそも、あの小さな空間で長期間一緒にいるためには「協調性」がなければ無理です。
人間誰しも「合う」「合わない」があります。
「合わない」人間と狭い空間で一緒にずっといることは、苦痛以外の何者でもないでしょう。
宇宙飛行士は、優秀で身体能力が高いだけでなく、協調性に非常に長けた方々だと思います。
自衛官の父から
学んだチームワーク!
陸上自衛隊第一空挺団の自衛官のお父様から、チームワークを学んだようです。
友人に自衛官がおらず、ご両親が自衛官という友人がいないため、少し遠く感じてしまう自衛官。
本当は、もっと身近に感じられるべき存在です。
自衛官という仕事は、本当に立派だと思います。
いわば命をかけて仕事に取り組んでいる方を「親として」間近で見てきた山崎。
小さい頃から、学ぶことが多々あったのでしょう。
次回は、どのように将来の方針を考え、勉強したかを考えてみます。
次回は上記リンクです。