前回は「中学校・高校という組織・期間〜思春期を過ごす場・空間・中学・高校受験=学校の「入口」と大学受験=学校の「出口」・「大学進学実績ランキング」と「中学受験のランキング」の強い相関性〜」の話でした。
ペーパーテスト主体の日本の受験界
長らく「ペーパーテストの能力だけで、学力を判断するのが良いのか?」という議論が続く日本。
僕が中高生だった30年ほど前も、この議論はありました。
その後、ゆとり教育が事実上失敗し、揺り戻しがあって、最近は大学共通テストの「記述式」も中止となりました。
そして、この30年間での大学受験における大きな変化は「推薦入試・AO入試の大きな広がり」です。
一般入試は試験内容など、中学〜大学受験は「たいして変わっていない」状況と考えます。
欧米、特に米国の大学は、入試に「エッセイを課す」のが有名です。
この「エッセイ」には、入試である以上「エッセイ対策」があります。
これに対してもまた「なんらかの対策する機関・塾」があるでしょう。
そういう「対策」が存在するとしても、「自分の意見を、自分の言葉で書く」ことは非常に大事なことです。
こういう「自ら人生を切り開く」姿勢を重視する体制が「教育の中にあるのか、ないのか」が大きな差です。
この30年間の「米国と日本の発展の著しい違い」にもつながっているように思います。
大学入試における大きな変化=「AO入試」「推薦入試」拡大の具体的成果は、少しずつ現れてきているのでしょう。
興味深い記事がありました。
記事によると首都圏の中学受験者数は、8年連続で増加を続けて昨年最多となり、5万1100名となりました。
少子化傾向が続く中、実質的な「中学受験する子の比率」は、かなりの勢いで伸びている状況です。
中高一貫校の大きな意義:お兄さん・お姉さんと接すること
「中学入試するか、しないか」は、各家庭の考え方次第で、どちらでも良いと思います。
どちらでも良いのですが、僕は「中高一貫校が良い」と思います。
中学から高校の多感な成長する時期に、中高バラバラではなく「中高一貫」しかできないことがあります。
その頃に、少し歳の離れた「お兄さん・お姉さん」や「弟・妹」と接することは大きな意義があるでしょう。
そして、本人たちにとって非常に大きな経験になるからです。
それぞれの校風に合わせて、「中学生〜高校生の時にしかできないこと」を追求しているのでしょう。
様々な個性を持つ子どもたちが、様々なカラー・校風を持つ学校を志望して受験すること。
そして、その中から選抜されて、それぞれが目指すカラー・校風を持つ学校にゆくことは、とても良いことだと思います。
そして、様々な学校の中で成長してゆき、多様性が生まれてゆくのでしょう。
校風とカラーを鮮明に打ち出す学校たち:江戸川学園取手中学校
記事には、興味深いことが書かれており、中学入試において「新しい試み」を行う学校が、いくつか取り上げられています。
例えば、江戸川学園取手中学校・高校では2022年から英語を試験科目に加え、5科目にしました。
英語をよく理解して、
世界で活躍する人材を育てたい・・・
という学校側の意思が垣間見目ます。
「自ら人生を切り開く人物を育てたい」と、この学校側は考えているのでしょう。
英語導入には賛否両論あるかと思いますが、一つの試みとしては面白いことです。
「英語力と日本語力、どちらを重視すべきか」は、様々な意見があります。
この中、英語重視を鮮明に打ち出した江戸川学園取手中学校・高校。
これは非常に大事なことです。
教育の方針は考え方様々で「正しい答え」は存在しないでしょうし、また求めるものではないでしょう。
それぞれが「自分の、私たちの考え」を打ち出し、「それに共感する人たち」が加われば良いでしょう。
「明確に方針を打ち出す」ことは非常に大事です。
世界の中で、いつも
Japanは
何を考えているか分からない・・・
と言われる日本。
日本の首相の発言が海外報道に載ることは、ほとんどなく大抵「玉虫色」か「米国追従」です。
「当校は英語を重視しています」と「旗幟を鮮明にする」姿勢は、非常に大事です。
それは「単に英語重視」にとどまらず、「明確な方針を持つことの大事さ」を生徒たちが感じるでしょう。
「英語重視に共感する」方々は、このような学校を目指すのも良いでしょう。