前回は「学研の狙いと「学研の科学」の方向性〜大事な子どもたちの「作りたい気持ち」・ブレる方向性と子どもの好奇心〜」の話でした。
「学研の科学」の醍醐味:大人も楽しい体験キット
12年ぶりに復刊した「学研の科学」。
学研編集部の「強い意気込み」が感じられる、非常に良い教材でした。
非常に大きな話題を呼んだ「水素エネルギーロケット」を作る体験。
内容は、非常に本格的で、きちんと理解するには高校生の物理と化学の知識が必要です。
考えようによっては「大学レベル」とも言える「水素エネルギーロケット」でした。
こういう「ハイレベルな内容」を小学生くらいの子が作成して、
あっ、
ロケットが飛んだ!
「ロケットを飛ばす」という「非日常体験」が出来るところが、学研の科学の良いところです。
こういう工作は、自分で材料等用意するのは非常に難しいです。
こういうキットは、
大変ありがたいです。
「学研の科学」の原点「つくる」楽しみ
とても良くて、「学研の科学」らしさが炸裂していた第一弾「水素エネルギーロケット」のキット。
ところが、このあと続いた第二弾・第三弾は、今ひとつでした。
ともに「工作の要素が非常にすくない」ため、
今回は
簡単に出来たね・・・
ハイレベルな内容ですが、「子どもがつくる」プロセスが少なかったため、達成感が少なかったです。
・なにかを自分で作ること
・何かが動いたり、飛んだりすること(力学的・電気的挙動)
こういう工作キット・学習キットで大事なことは、「原理や法則を理解する」ことではないと思います。
もちろん、「原理や法則を理解」は大事ですが、それらは中高生が主体で良いと思います。
それよりも、「とりあえず、自分が何かを作って何かを動かして楽しい経験」が大事です。
特に、小学生の頃に「サイエンスへの好奇心」を掻き立てるようなキットが望ましいと考えます。
おそらく、第一弾に比較して、第二弾・第三弾の売れ行きは「それほどではなかった」であろう学研。
その原因・理由は、非常に簡単なことなので、今後に大いに期待しています。
・なにかを自分で作る・手を動かす楽しみ:歯車・てこ・ばね・電気など
・原理はわからなくても、「何かすごい」と思えること
・生き物(小さなエビなど)が育ってゆくのを、目の当たりにして自然への興味を養成
「学研の科学全盛期」の復刻版への期待:アニメのリメイクと好奇心
最近、アニメにおいて「ダイの大冒険」や「キャプテン翼」が、
よしっ!
ドライブシュートだ!
ストーリーそのままに、リメイクして放映しています。
当時見た筆者は、リメイク版を子どもと一緒に楽しんでいます。
「昭和の雰囲気」がある
アニメですが・・・
とても良く出来た
ストーリーなので、大人も楽しめます!
「学研の科学」の原点に立ち戻って、子どもたちが「手に取りたい」教材を期待したい。
例えば、今回の「電気分解の逆」で「電気を起こす」キットも良さそうです。
あるいは、バネ・てこ・歯車などの複合したキットで、動かすと、
こっちを引っ張ったら、
こっちが動いた!
みたいな感じも良さそうです。
この意味では、1980年台の「学研の科学全盛期」の「復刻版」でもよさそうです。
そのまま「復刻版」というわけに行かないかもしれませんが、当時の「昭和の熱」を活かして欲しい。
そして、当時のキットを多少アレンジする「新たなキット」も面白いように思います。
日本の科学の未来のためにも、「学研の科学」には大いに期待したいです。
次回は上記リンクです。