おすすめ時事問題・対策・ポイント〜半導体の日本のシェア大幅低下・日の丸半導体と最先端科学の凋落・日本の電機業界の現状・バブル崩壊の余波〜|中学受験・社会

前回は「おすすめ時事問題・対策・ポイント〜物流の歴史・江戸時代の東まわり・西まわり航路・物流の大事さ・旧日本軍と米軍・豪商河村瑞賢と治水工事〜」の話でした。

目次

日の丸半導体と最先端科学の凋落:半導体の日本のシェア大幅低下

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日本の半導体の国際シェア変遷(2021年経済産業省 半導体戦略)

コロナ禍による物流問題から、江戸時代の物流の話でした。

今回は、時事問題と日本の国際的地位に関する話です。

バブル絶頂期に世界の半導体シェアの半分ほどを占め、「日の丸半導体」とも言われた半導体。

その後、急速にシェアを落としています。

1988年に50%を超えていた世界シェアは、2010年に10%となり、最近では5%ほどです。

日本の半導体産業の国際的地位が、大幅に低下していることと無縁ではないでしょう。

このシェアは、各メーカーが「どの国で生産しているか」にもよります。

半導体素子AMD Ryzen5(Wikipedia)

中学入試で、文章やグラフで説明をした上で、半導体産業のことを問う可能性はあると思います。

最近の物流混乱の時事問題とリンクさせて、半導体の歴史の話も展開しやすいでしょう。

半導体の納期が遅れているのは、物流の混乱と需要の増加が原因です。

半導体の需要急増の理由

コロナ禍によってリモートワークが増加

パソコン・タブレットなどの電子機器の需要

クラウドなどのデータセンターにおける電子機器の需要増

予備知識があれば、これらの問題が出ても対応しやすいでしょう。

日本の電機業界の現状:バブル崩壊の余波

日経平均株価の推移(IG證券)

戦後、高度成長期の頃、日本の電機業界は世界を圧倒していました。

それは、日本の経済力の異常な膨張と呼応するかのようでした。

1970〜1980年代、急速というよりも、異常なスピードで膨張・成長を続けた日本経済。(上記リンク)

その異常なまでのパワーは、あらゆる面に波及しました。

後年「バブル」というと「悪いこと」のような印象を受けます。

実はバブルによって「強い経済力」を持つことから、科学技術・文化などにも良い波及もあったのです。

「バブル崩壊」で日本経済のみならず、「日本という国家」まで壊れてしまった日本。

1988年には、「半導体の世界50%以上のシェア」を持っていた日本。

バブル崩壊と歩調を合わせたように、みるみるシェアを落としました。

1988年の4年後の、1992年には「50%以上のシェア」から「40%を下回るシェア」にまで落ち込みます。

この頃の風潮は、

日本人A

最近、
日の丸半導体が元気ないが・・・

日本人B

大丈夫!
また持ち返すさ!

日本人A

また、
巻き返して、日本の技術を世界へ!

「シェアの減少」などは、「一時的で、また巻き返す」と考えられていたのです。

一方で、この頃から台湾・韓国などの半導体事業が急成長してゆきます。

1990年頃までは、「アジアの最先端技術といえば、日本しかない」状況でした。

その状況に、日本の日本の科学技術界は「胡座をかいていた」のかも知れません。

日本人B

日本が
一番なのさ!

Japan as No.1(エズラ・ボーゲル著 CCCメディアハウス)

エズラ・ボーゲルの「Japan as No.1」が出版されたのが、1979年。

それから、日本はなお猛烈な勢いで成長しましたが、バブル崩壊以降、ピタリと止まります。

そして、「最先端」を走っていた存在であったJapanは、歩みを留めてしまいました。

日本人A

こんな
はずでは・・・

日本人B

日本が
台湾・韓国に負けるなんて・・・

戦後からずっと技術革新を続け、猛烈な勢いで復興から繁栄へと突き進んでいたのが日本でした。

ところが、バブル崩壊により勢いが止まってしまい、一気にしぼんでしまいました。

その後も、企業再編などで、

日本人A

これから
再生するぞ!

と必死に再起をかけますが、日本の半導体業界は「世界市場から消えそうになっている」のが実態です。

次回は上記リンクです。

新教育紀行

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