前回は「おすすめ時事問題・対策・ポイント〜物流の歴史・江戸時代の東まわり・西まわり航路・物流の大事さ・旧日本軍と米軍・豪商河村瑞賢と治水工事〜」の話でした。
日の丸半導体と最先端科学の凋落:半導体の日本のシェア大幅低下
コロナ禍による物流問題から、江戸時代の物流の話でした。
今回は、時事問題と日本の国際的地位に関する話です。
バブル絶頂期に世界の半導体シェアの半分ほどを占め、「日の丸半導体」とも言われた半導体。
その後、急速にシェアを落としています。
1988年に50%を超えていた世界シェアは、2010年に10%となり、最近では5%ほどです。
日本の半導体産業の国際的地位が、大幅に低下していることと無縁ではないでしょう。
このシェアは、各メーカーが「どの国で生産しているか」にもよります。
中学入試で、文章やグラフで説明をした上で、半導体産業のことを問う可能性はあると思います。
最近の物流混乱の時事問題とリンクさせて、半導体の歴史の話も展開しやすいでしょう。
半導体の納期が遅れているのは、物流の混乱と需要の増加が原因です。
コロナ禍によってリモートワークが増加
パソコン・タブレットなどの電子機器の需要
クラウドなどのデータセンターにおける電子機器の需要増
予備知識があれば、これらの問題が出ても対応しやすいでしょう。
日本の電機業界の現状:バブル崩壊の余波
戦後、高度成長期の頃、日本の電機業界は世界を圧倒していました。
それは、日本の経済力の異常な膨張と呼応するかのようでした。
1970〜1980年代、急速というよりも、異常なスピードで膨張・成長を続けた日本経済。(上記リンク)
その異常なまでのパワーは、あらゆる面に波及しました。
後年「バブル」というと「悪いこと」のような印象を受けます。
実はバブルによって「強い経済力」を持つことから、科学技術・文化などにも良い波及もあったのです。
「バブル崩壊」で日本経済のみならず、「日本という国家」まで壊れてしまった日本。
1988年には、「半導体の世界50%以上のシェア」を持っていた日本。
バブル崩壊と歩調を合わせたように、みるみるシェアを落としました。
1988年の4年後の、1992年には「50%以上のシェア」から「40%を下回るシェア」にまで落ち込みます。
この頃の風潮は、
最近、
日の丸半導体が元気ないが・・・
大丈夫!
また持ち返すさ!
また、
巻き返して、日本の技術を世界へ!
「シェアの減少」などは、「一時的で、また巻き返す」と考えられていたのです。
一方で、この頃から台湾・韓国などの半導体事業が急成長してゆきます。
1990年頃までは、「アジアの最先端技術といえば、日本しかない」状況でした。
その状況に、日本の日本の科学技術界は「胡座をかいていた」のかも知れません。
日本が
一番なのさ!
エズラ・ボーゲルの「Japan as No.1」が出版されたのが、1979年。
それから、日本はなお猛烈な勢いで成長しましたが、バブル崩壊以降、ピタリと止まります。
そして、「最先端」を走っていた存在であったJapanは、歩みを留めてしまいました。
こんな
はずでは・・・
日本が
台湾・韓国に負けるなんて・・・
戦後からずっと技術革新を続け、猛烈な勢いで復興から繁栄へと突き進んでいたのが日本でした。
ところが、バブル崩壊により勢いが止まってしまい、一気にしぼんでしまいました。
その後も、企業再編などで、
これから
再生するぞ!
と必死に再起をかけますが、日本の半導体業界は「世界市場から消えそうになっている」のが実態です。
次回は上記リンクです。