前回は「相似形の性質と間違えやすいポイント〜テクニックより大事なこと・相似形は「お友達」・相似形の理由・分かる辺の長さを計算・分数と少数の計算のコツ・問題13(4)解法〜」の話でした。
問題14:動く図形を描く
実際に自分で描く姿勢:定規を使って正確に作図
この問題は、問題13から派生したオリジナル問題です。
「面積を求めよ」とか「辺の比を求めよ」という図形問題が多い中、「図形を描きなさい」は、あまり見かけません。
見かけない最も大きな理由は、「試験会場に定規を持ち込むことが前提となっていない」ことがあるでしょう。
基本的に「鉛筆(シャープペンシル)と消しゴム」のみが持ち込み可能である試験場。
ここで、「図形を描いてもらう」試験は、出題しにくいのが現実です。
そこで、今回は「三角定規を学校側が用意して、受験生に使用してもらう」想定で考えています。
武蔵中学では「おみやげ問題」という「理科で、当日出題されたモノ」を持ち帰る問題があります。
それと似た感じで、「使用した三角定規は持ち帰っても良い」という内容にしました。
図形を頭と身体で理解
二つの特徴的な直角三角形である三角定規の組み合わせで、「平行な直線を引く」ことを考えます。
この「平行な直線を引く」のは、小学校中学年くらいで学校で教わる方が多いでしょう。
この「片方の三角定規を固定して、もう片方の三角定規を垂直にスライドする」のは本質的です。
とても大事なことですが、中学・高校でもあまりこのように描くことはありません。
そして、大学でも設計図など図学に関わる学問をする時以外は、図形を描く機会は少なくなります。
「フリーハンドでササッと図形を描いて考える」ことも大事ですが、しっかり描くことも大事です。
・フリーハンドで描いて、特徴をしっかり理解
・定規やコンパスなどを用いて正確に描いて、頭と身体で理解
受験で「正確な図形を描いてもらう」形式が少ないのは、「採点の難しさ」もあるでしょう。
「正確に」とは「どの程度正確であれば、〜点」という基準が難しいです。
一方で、「基準」に関しては、記述式も同様に「設定が難しい」ことだと思います。
小学生・中学生・高校生が皆タブレットで、
これは
タブレットで調べよう・・・
分からないことは、
すぐにタブレットで検索・・・
このような学習が一般的になった今こそ、「手で描く」ことは推奨して良いと思います。
「正確な図形を描くこと」は「フリーハンドではなく正確だからこそ分かる」ことがあります。
「採点の困難さ」と「定規など道具の扱い方」などから「正確に描く」のは出題されないかもしれません。
一方で、このようなことを「準備しておく」のは、記述問題を課す学校志望の方は大事と思います。
まずは描いてみる姿勢:「自由」なら自分でサッと決定
今回は「正方形を左上に作る」という少し数学的ではない表現にしています。
問題の例の図形と同様に正方形を作ってゆきます。
ここで、問題では「動く点Pは、辺CD上どこでもよく、一つは点Dに到達した時」とあります。
最初のPの位置を「P0」とします。
こういう時は、
点Pを
どこにしよう・・・
このように悩みすぎないで、
よし!
問題の通りに描いてみよう!
まず「描いてみよう」と考えましょう。
一つは点Dだから、
適当に点Pの位置を決めよう!
まずは、こう考えて点P1,P2,P3=Dを決定しましょう。
最初に、
点Pの位置を
どこにしようかな・・・
少し悩んだ方は、上の点を参考例に描いてみましょう。
早速、一つ目の「辺BP1を一辺とする正方形」を描きます。
続いて、二つ目の「辺BP2を一辺とする正方形」を描きます。
最後に、三つ目の「辺BP3(BD)を一辺とする正方形」を描きます。
これで、(1)が出来ました。
この図形を見て、
なんか
面白い!
綺麗な感じで、
不思議!
このように「面白い」と感じたら、「そういう気持ち」を大事にしましょう。
(2)以降は、この図形が「大体正確に描けること」が前提となります。
パッと特徴的な点が分かる方もいらっしゃるでしょう。
共通した性質って
何だろう?
「何だろう?」感じる方は、少し考えてましょう。
上の例以外の「他の三点で正方形を描いてみる」のも良いでしょう。
続きは次回(下記リンク)ご紹介します。