前回は「算数の学力を伸ばす学び〜考えて描いて自分で気づく体験・プラモデルと算数の類似性・少し難しい工作を親子で作成・子どもの好奇心を喚起・「やってみて初めて分かる」体験〜」の話でした。
算数・数学・理科が「分からない」から「分かる」になる学び方
今回は算数(数学)・理科が、少し苦手な方向けの話です。
算数のこの分野が
難しい・・・
ここが
分からなくて・・・
中学受験の算数は難問が多く、苦手に感じる方も多いのが現実です。
数学のこのあたりが
とても難しい・・・
算数と数学では「だいぶ違う」かもしれません。
基本的考え方が「数学よりも易しい」算数。
図形・ニュートン算・旅人算・比・・・沢山ありますが、基本的考え方はシンプルです。
ところが、中学受験などの算数の難問の中には「かなり難しい」ものもあります。
数学の微分積分・数列・複素数などの内容は、算数よりもはるかに難しい概念です。
難しい概念なので、算数よりも数学のようが「はるかに難しい」ことになります。
ところが、中学受験の算数には、東大生でも解けない方が多い問題が多数見受けられます。
そんな
問題があるんだ・・・
私が分からないのも
仕方ないのかな・・・
それらの「難問」を、「60分程度の制限時間内で70%以上解く」ことが求められる中学受験生。
現実として、実に大変なことです。
そこで、算数の基本から応用を学ぶ際には「ただパターン暗記」ではなく考えるようにしましょう。
補助線なら、他にも考えてみて比較するのも良いでしょう。
a.長方形や正方形など、問題の図形を構成する基本的図形の半分などの面積が分かる
b.新たな交点がなく、問題の図形をきれいに分割している
こういう問題は
こう考える!
こう教わると、
こう考えなければ
ならないんだ・・・
「この解法でなければ解けない」と感じる方が多いかもしれません。
算数の解き方は一つではないので、ある程度の応用力をつけるには「自分で考える」ことが良いです。
・分野ごとに共通する「考え方=思考の軸」を考える
・問題ごとのバリエーションの違いは「同じ」と考えられる思考力育成
すると、「思考の軸」が生まれて、算数・数学が分かるようになるでしょう。
描いて「初めて」気づくこと:正方形や正三角形の大事な性質
今回の具体的な話は、数学ではなく算数の領域ですが、考え方は数学にも応用できるでしょう。
小学校中学年〜中学受験で「ブロック・積み木の問題」があります。
こうした図形の問題は立体図形でも平面図形でも「図をしっかり、丁寧に描く」ことがまず大事です。
図形問題では、大抵問題として「対象となる図形」が描かれています。
そういう図形に「描きこむ」のも良いですが、理解を進めるには「全体を描く」ことをお勧めします。
試験の際には、時間との兼ね合いもあるので「描きこむ」でも良いです。
一方で学ぶ際は「全体を描く」のです。
・自分で学ぶときは、問題の図形全体を描いてみる
・描く際は「きれいに描く」を気にしすぎず、「大体描けていれば良い」発想
それらの図形が円・楕円などの「きれいに描くのが難しい」図形の場合。
その時は、問題の図形を利用しても良いでしょう。
解き方・図形を眺めて、
読んだら、
理解できたよ。
「眺める」「見る」だけではなく、ぜひ描いてみましょう。
でもさ、自分で
全部描くと時間かかるし、面倒だよ・・・
この正方形二つって、
描いてみると、結構難しい・・・
この「正方形二つ」というのは条件が非常にシンプルですが、「描くと意外と難しい」です。
これは「やってみたら初めて分かること」であり、描いた結果「様々な気づき」があるでしょう。
・正方形・正三角形などの「シンプルな図形で構成されている図形」も描くと意外と難しい
・描いて「初めて」気づくことを大事に
二つの正方形の問題を解くコツを、上記リンクでご紹介しています。
正方形や正三角形の大事な性質を復習しながら、しっかり描いて見ましょう。
・全ての辺が同じ長さ
・全ての角が同じで直角
この「正方形の性質」は小学校中学年で習う「常識」です。
ところが、中学受験などの図形の難問は「常識に基づいて作成」されているのです。
・長方形の中で「辺の長さが全て等しい」特殊な図形が正方形
・長方形と正方形は同じグループで友達
「常識」をしっかり理解すると、図形に対する見方が変わるでしょう。
ブロックを並べて見て観察して描く:「見る」と「観察する」違い
ブロック・積み木の問題では「前から・横から見たら、どう見えるか」をイメージすることが大事です。
こういう問題は「斜めから見た絵(アクソノメトリック図)」が問題と共に出てきます。
その絵を見ながら、頭の中でイメージできるようになることが大事です。
実際には、「絵や図を見て、具体的にイメージできるようになる」のは難しいことです。
そう、イマイチ
分からないことがあるよ・・・
そこで、「実際にブロックを並べて、前から・横から・上から見てみる」ことが大事です。
前から見て、
絵を描いてごらん。
子どもに「見たまま描いてみる」をやってもらおうとすると、
え〜、
上手く描けないよ。
このように「難しい」と言う子どもが多いです。
上手く描けた方が良いのですが、上手くなくても良いのです。
このブロックの例は、3×3の立方体を基本としていて、小学校中学年程度向けです。
新小学校6年生の中学受験生の方は、
これは、
もう簡単!
「もう大丈夫」という方も多いでしょう。
このブロックが「5×5が基本の立方体」になると、なかなか難しい問題になります。
中学受験〜大学受験の方も、この基本的なブロックへの考える姿勢・イメージを大事にしましょう。
そして、「少しずつ、上手でなくても描く・書く」ことを着実に行うこと。
それによって、少しずつ理解が進みます。
実際にブロックを並べてみて、見て・観察して描いてみましょう。
・ただ「見る」ではなく、「どうなっているのだろう?」と「観察する」と気づくことが多い
・解答の図形や図解を「ただ見る」ではなく、じっくり観察して真似て描いてみる
「出来ない」から「出来る」に、「分からない」から「分かる」になるでしょう。
次回は上記リンクです。