日本の中心から大きく離れた徳川家〜家康を「端=関東に追いやった」秀吉・関東平野の展望・河川・治水工事に悩む家康・武田と徳川〜｜江戸から東京へ12

前回は「義兄弟となった秀吉と家康〜秀吉の「義弟」となった家康・峻烈な戦国の世の苦しみ・秀吉と家康の「合戦ではない戦い」〜」の話でした。

家康を「端=関東に追いやった」秀吉

形式的とはいえ、遂に秀吉の家臣となった家康。

秀吉の命令により、徳川家の父祖伝来の土地から離れることになってしまいました。

さらに秀吉の独断で「妻と死別（諸説あり）して独身だった」家康に、妹を押しつけられた家康。

家康としては、もはや苦笑いするしかありません。

秀吉としては、

こういう気持ちだったでしょう。

こうして「秀吉のお願い」という形式もあり、秀吉の義弟兼家臣となった家康。

すでに、お互い知り合ってから30年近くが経過しています。

二人には、他の人間には分からない「長い長い歴史」があります。

関東の後北条氏を討伐して天下統一した1590年には、秀吉は54歳、家康は50歳。

「天下の秀吉と家康が義兄弟」となり、そのプロセスの中で、

勝手に秀吉は決めました。

天下人・秀吉としては、

こんな気持ちであったでしょう。

日本の中心から大きく離れた徳川家：関東平野の展望

いくら「150万石から250万石へ100万石アップ」と言っても、中央から非常に遠くなります。

関東・江戸へ入国する前に、家臣に関東・江戸のことを調べさせた家康。

現代のように多数の資料やネットで情報が溢れている時代とは全然違う当時。

情報が非常に少ない時代は、情報は非常に重要でした。

入国前に新しい自分の領国を、詳細に調べさせます。

そして、

家康のいた駿河・遠江・三河地方よりも、遥かに広大な平野が広がっている関東平野。

少しテンションが下がる家康。

秀吉と違い、築城にさほど興味がなかった家康。

戦国大名の習いとして、一定の築城術は徳川家にもあります。

河川・治水工事に悩む家康：武田と徳川

「豪華な城」には、さして興味がない家康。

新たな国づくりをしようと意気込みます。

築城が建築工事であるのに対して、河川工事は土木工事です。

工事のやりかたやスケールが全然異なります。

困ってしまった家康。

屈強の武闘派家臣団で、極めて評価の徳川家の家臣たち。

野戦ならば天下無敵の自信があります。

長年、徳川家にとっては「猛獣のような」恐ろしい存在だった武田家。

そして、その猛獣軍団・武田家を統率していた武田信玄亡き後、武田勝頼からも徳川家は猛攻を受けました。

後年、「愚将」と表現されることの多い武田勝頼ですが、第一級の猛将でした。

勝頼時代、武田家は信玄を上回る領土（版図）となります。

その勝頼を同盟者・織田信長と共に滅ぼしました。

その直後に本能寺の変勃発に至ります。

ここで、家康の頭が閃きます。

次回は上記リンクです。