中学受験は親子で「合格向けて一路邁進」〜中学受験のぜひ・少子化と中学受験生の増加・北欧式教育の良さ・「全く異なる対象」を比較する議論〜|子どもの教育

前回は「中学受験は良いか、悪いか〜受験生本人の過大な負担・ストレス・テストばかりの人生・成績・偏差値・順位との葛藤・常に戦い続ける受験生〜」の話でした。

目次

中学受験のぜひ:少子化と中学受験生の増加

武蔵中学・高校内のすすぎ川(新教育紀行)

最近は少子化にも関わらず、中学受験する家庭が増えているようです。

自分が
中学受験したから・・・

子どもにも頑張って、
志望校合格を目指して欲しい!

という親もいらっしゃるでしょう。

中学受験をした方が、
子どもが良い教育を受けられるのでは・・・

と、お考えの方もいらっしゃるでしょう。

5年生以下の中学受験を予定する子どもを持つ親の中には、迷っている方もいらっしゃるでしょう。

うちの子に
中学受験をさせるか、どうか・・・

場合によっては、周囲の方や先生から「中学受験の善悪」みたいな話が出ることがあるかも知れません。

中学受験をさせると、
子どもが非常なストレスになるから・・・

中学受験なんか、
させない方が良いのでは・・・

この「中学受験のぜひ」は、中学受験をしない親にとっては「どちらでも良い」話です。

筆者は1990年に、公立小学校から中学受験をして、運よく武蔵中学へ合格しました。

もう30年以上前で、「昭和の香りが強い」時期に小学生の時期を過ごしました。

この時、大変困ったのは「中学受験完全否定派」の教員が同じ学年他のクラスの担当だったことでした。

中学受験などという
余計なことするから・・・

小学生なのに小賢しく、
問題児になる子が多い!

中学受験、
完全かつ全否定!

こういう教員は、それが信念を超えて「教育的信仰」に近くなっている傾向があります。

すると、「話し合って分かりあう」ことは不可能となります。

今はこういう「中学受験全否定派」は、もういらっしゃらない、いるとしても極めて少数かと思います。

「中学受験をする」親にとっては、

確かに、私も夫も
中学受験は経験していないし・・・

小学生である子どもに
過度の負担がかかるのは思わしくないのでは・・・

と考える方もいらっしゃると考えます。

この時、「中学受験の善悪」は中学受験予定している家庭にとって、「大問題」の場合もあるでしょう。

北欧式教育の良さ:「全く異なる対象」を比較する議論

種子島(新教育紀行)

「正しい教育」の唯一つの答えも、唯一つの答えの答えは存在しないと考えます。

例えば、

北欧式の
教育がのびのび成長する!

という意見もあり、筆者もある程度同感です。

フィンランド・デンマーク・スウェーデンなどの教育は、大変素晴らしいと筆者も思います。

北欧式教育の良い面

・家庭の状況などに無関係で、大学まで誰でも無償で教育を受ける権利がある

・国家が教師の育成に力を入れており、教師のレベルが高い

・体験型の生涯学習に力点が置かれ、自主的に学ぶ姿勢が強い

これらの北欧は、現在国際競争力が極めて高い国家です。

それは、これらの「北欧式教育のメリット」が活かされていることも一つの理由です。

新教育紀行
小学校(Wikipedia)

これに対して、日本の教育に関する批判の多くが、

日本の教育は
偏差値による管理が強すぎる・・・

日本の教育は
「勉強すること」自体が目的かしがち・・・

であり、筆者もこの意見にある程度同意します。

この時、

だから、日本の教育よりも
北欧式が良いのだ!

という考え方もありますが、これは「論理の大きな飛躍」を含んでいます。

新教育紀行
世界地図(Worldmeters)

なぜならば、北欧諸国と日本では「国家としての環境が違いすぎる」からです。

北欧諸国は人口は少なく、日本と比較すると国家の規模が非常に小さいです。

そして、北欧諸国はこの福祉環境を維持するために、税率が極めて高いです。

最も根幹的相違点は国家の立ち位置が全く異なり、自然環境・文化・風土・歴史が全然違うことです。

このため、北欧と日本の状況は「一概には比較できない」と考えます。

つまり、北欧と日本において何かを比較することは、「全く異なる対象」を比較することと同様です。

少し大袈裟な論理になりますが、こういう議論は「1kgと1kgのどちらが大きいか」と同様な点があります。

もちろん、「1kgと1kgのどちらが大きいか」には、答えがありません。

物理的次元が異なる対象は比較できないからです。

中学受験は親子で「合格向けて一路邁進」

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

「中学受験が良いか、悪いか」の唯一つの答えも存在しないと考えます。

親同士で「中学受験するか、しないか」という話が、出る場合があるかも知れません。

場合によっては

中学受験は
するべきなのかしら・・・

あるいは、中学受験は
しない方がよいのか・・・

という話もあるかもしれません。

この答えを決めるのは、各家庭次第でしょう。

この「善悪の議論」は、政治の「右派と左派」と似たようなことで、答えはないでしょう。

A中学合格に向けて、
頑張るぞ!

自分の子どもが中学受験合格に向けて、一生懸命頑張っている時、

中学受験なんか、
させない方が良いのでは・・・

みたいなことを言う方がいらっしゃるかもしれません。

そういう時は、頭の中で

そんなことを
議論しても意味がない・・・

と考えながら、微笑んで流しましょう。

根本的な考え方が異なる場合、「分かり合うのは不可能」でしょう。

「中学受験=善」でも「中学受験=悪」でも、その人・家庭や考え方次第です。

それぞれの家庭で考える方法で、子どもたちの教育していると思います。

中学受験する場合、「親もすごく大変」です。

一方で、当事者の子どもは「もっともっと、とても大変」です。

また、模試成績が
思わしくなかった・・・

僕って、あまり
頭が良くないのかな・・・

小学生の子どもたちは、精神が未熟なのに大変な試練を受けます。

親の気持ち次第で、子どもの気持ちやテンションも大きく変わるでしょう。

そして、子どもの「学力」や「志望校の合否」に影響することもあると考えます。

「中学受験するかどうか」を親が迷い、様々な情報を集めることは良いでしょう。

とにかく、うちは
中学受験して、A中学合格目指す!

「中学受験する」と決定したなら、まずは親が迷わず進むことが最も大事です。

とにかく、うちの子の合格目指して、
まずは親である私がしっかりしよう!

方針を固めたら、「余計なこと」や「周囲の雑音」は遮断する方針も大事です。

新教育紀行
米軍機の攻撃を回避する空母赤城(歴史人2019年9月号KKベストセラーズ)

絶対に米軍に勝つはずで、当時圧倒的な軍事力を有していた日本(大日本帝国)の連合艦隊。

ミッドウェーの結果、信じ難いほどの致命的大惨敗を喫しました。

この敗因は様々ありますが、最も重大だったのは「作戦方針のブレ」でした。

「方針が明確」だったら、当時の日本海軍は米海軍を「叩き潰す」戦力を持っていました。

現在の世界の軍事力からすると「考えられない状況」です。

明治維新後に国家国民が共に猛烈疾走し続けた日本は、「世界最強の海軍」を持っていました。

ところが、「方針が不明確」だったがために「何が主目的か」がブレ続けました。

その結果、「立ち直りが効かない損失」を受けてしまったのが日本海軍でした。

何事も「方針のブレ」は致命的悪影響があり、他のいかなる要因よりも大きい影響力を持ちます。

大変だけど、
少しずつ学力上げて合格しよう!

志望校を決定したら、
方針は変えずに合格向けて一路邁進!

という気持ちを親子で持つことが肝要だと考えます。

受験勉強する「本当の目的」

・自分が行きたい学校に合格する

・成績や点数や偏差値は「合格へのプラセス」の一つに過ぎない

「目標は一点」で、一生懸命学んでみましょう。

新教育紀行

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